第200話 200.トレノア城塞都市人々の不満
◇◇トレノア城塞都市の人々◇◇
ダナンの城塞都市を備蓄していた『悪魔の雫』を全部使って完全に滅亡させた城塞都市トレノアの領主ジョージ・アディソンに率いられた1000人の兵士達が無事トレノアの街に夜明けの街に帰って来た。
出兵により駆り出されていた兵士の家族は自分の肉親を見つけ次々に安堵の表情を見せる。
「お父さんおかえりなさい」
「あ~ビリー無事に帰ったぞ」
そういって駆けよって来た子供を抱き抱える父親
「あなたおかえりなさい」
といってうれし涙に涙を流しながら旦那さんを思わず抱き締める妻
そんな光景が至る所で見られる。
そんな中
「今日はご苦労だった。家族も来ている事だから全員解散!!」
そう言ってトレノア城塞都市の領主ジョージ・アディソンは領主館に馬を進めてしまったのだった。
「くそっ領主の野郎、奴のせいで俺の父親もダナンの戦闘で死んだんだぞ!!何の保証もしてくれないし奴は何を考えているんだ!!」
「そうだそうだ!!領主の野郎、今回の出兵だって強制で集めておいて、トレノアの城塞都市に住まわせてやってるんだ!!無料で働いて当然だろって一銭も金なんてだしゃしないんだ!!」
「ダナンの一方的な宣戦布告して何人死んだと思ってるんだ!!、その後エデンへ出兵させた3000人もの人間が帰ってきていないし、ダナンに向かわせた1000人の内帰って来たのは413人他の人間は死んだらしい。
領主からは、何の連絡も無い!!
お悔やみの一つ位言えねえのかあいつは!!」
皆の影口を聞きながら俺に抱き着いて来た息子のビリーを抱き抱え嫁のメイヤーに抱き着かれながらダンは思いに耽る。
そうあのダメ次男が長男の死によって領主になってから、このトレノアには碌な事が無い
領主に文句を言えば
『気に入らなきゃこのトレノアの城塞都市から出て行けば良いだけだ!!何時でも出て行ってくれて良いんだぞ?俺は無能な領民が居なくなって清々するぜ~ガハハハ』
そう言って笑い飛ばしてくる。
領主には俺達がこのトレノアの城塞都市から出れないのを解っているからだ。
それ以上誰も何も言えなくなってしまう。
このトレノアの街に居る全員が、このトレノアの城塞都市に嫌気がさしていると言っても良い!!
もしも!!
もしもだ!!
俺達を受け入れてくれる城塞都市が有るならば、直ぐにでもそこに行って受け入れてもらいたい物だ!!
この前、アネルド商会の会頭のレオンが
「ここから40キロ程西南に行った場所に新しくエデンという凄い領地が出来たんだ。何もかもが夢のように素晴らしい土地で、今そのエデンの領地に移住してくれる住民を探しているらしい。暫くの間は税金も取らないって言ってたんだ。俺はその内エデンに移転するぞ」
って話してたんだ。
俺が妻に抱き着かれながら歩いていると、ダナンに派兵されていたジャンという男も妻に抱き着かれながら
「ダン効いたか?ギルドマスターもこの町を出る気でいるようだぞ!!噂ではギルドマスターのデリック・アランがエデンにお忍びで出向きて移転のお願いをするそうだぞ。
それに今、アネルド商会の会頭のレオンさんがエデンに移転するんなら手助けしてくれるって聞いたらしい。俺もエデンに移転しようかな。税金も無いし兵役も無いって最高だろ」
「兵役が無いって言うのは幾らなんでも無いだろ?」
そう、この世界は魔獣で溢れているんだ!!
どこの城塞都市でも兵役は有るんだ。
魔獣に襲われないように常に城塞都市の周りは魔獣を狩って魔獣が増えないようにしなきゃいけない。
今は領主が馬鹿やって、魔獣のスタンピードを起こした挙句、強い魔獣がだんじょんから 溢れ出しちまった。また領主が魔獣討伐だって俺達を人を駆り出すんだろうな・・・あ~イヤだ!い(´・д・`)ヤダ
そんな事を考えているとジャンはとんでもない事を言いだしたんだ!!
「それがよ~エデンには領主の親衛隊みたいなのが居てよ!!
全員メイドさんなんだがめちゃめちゃ強いらしいんだ!!
それに噂ではこの世の物とは思えない位物凄い美人揃いだって聞いたぞ
この前領主が2500人エデンに差し向けて戦いを挑んだらしいが一瞬で2500人の兵士がその美人メイド達に瞬殺されたらしい。
そもそもエデンには男は居ないらしいんだ。
商隊の男達に今日聞いたんだが、殆ど裸に近い恰好でプールで超~美少女達が遊んでるらしいんだ!!
それだけ平和ダッテ事なんじゃ無いか?
兎に角俺はエデンに移住するつもりだ!!お前達もこんな未来の無いトレノアの城塞都市なんか捨ててエデンに行かないか?」
ジャンの話が本当なら・・・
「あなた、兵役も無い平和な所だったら私達も是非行きたいわ」
妻のメイヤーがダンの話を聞いて大乗り気だ!!
いっちょおれも考えてみるか!!
つづく・・・
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