第171話 171.分裂

◇◇ レイ ◇◇


俺はアンジェリーナにドンデリアル商会の会頭ドランスフィールドの事を色々と聞いて見た。

ドンデリアル商会は代々続く大きな商家で主にトイアーのダンジョンからのドロップ品を扱う事で大きくなってきた商会だそう。


特に大きな産業の無いダナンでは一番大きな商会となり、豊富な財力を傘に力を伸ばして来たようだ。

つまりはトイアーのダンジョン在りきの商会だと言う事

だからこのダナンに固執してエデンへの移住をしぶる訳だ。


ダナンの大商家という事は、そのドンデリアル商会の系列で働いている人達も大勢いる訳で、ドンデリアル商会に依存して生きて来た人達はこのダナンの地に残るだろう・・・


・・・


・・・



あれから3時間、指定した時間が来た。

俺は『悪魔の森』の大木を長さ10メートルの細い棒状に切り分け一番上に黄色い三角の旗を括りつけた物を数万本用意した。

移動する建物に立てかけてもらう為だ!!

その旗の建っている建物だけを強制的に俺の異空間庫に格納しようという寸法だ。

エデンの地で数万人分の家を一から作るなんてとてもじゃ無いが許して欲しいものだ!!



「指定した時間が来ました。移住を決定した人、そしてダナンの地に残る決心をした人其々の思いも有ると思いますがエデンに移動を決心した人はこの旗の付いた棒を持って午後5時までに自分の家にこの旗をの付いた棒を立てて部屋の中に入っていて下さい。

このダナンに残る人は中央広場から私の領主館の有った場所に移動してください。

因みに領主館の屋敷はもう無く更地になっているはずです。


では解散」


アンジェリーナが大声でそう叫ぶと同時に


「あはははは~」


ドンデリアル商会の会頭ドランスフィールドはしこたま笑った後


「そんなバカな事が有るか!!領主館が無くなっているだと!!バカを言うな!!

まあ良い!!領主館の建物はは俺が貰ってやろう。皆俺に着いてこい」


そう言って領主館に向かって皆を引き連れて歩いて行くのだった。


午後5時

俺はダナンの領地の上空から眼下を見下ろしてみると

領主館の跡地では困惑したドンデリアル商会の会頭ドランスフィールドの周りに約5000人の人々が集まっているよう


中央広場は・・

約2万くらいか?

家の至る所に黄色い旗の付いた旗が立っている。

俺はその旗を目印に一気に建物を


『収納』


そして地上に降りて中央広場に降り中央広場の一団ごとダナンの城塞都市上空に浮遊し


『2万人以上の一団を包んだ空気の層ごとエデンの地に音速を超えた速度で瞬時に移動』


アンジェリーナにより事前に話を聞いていた為だろうか騒ぐ人は居なかった。



「うわ~アレがエデン」

「お城が凄いです」

「ひろ~~い城塞の端が遥か向こうまで続いていて何処まで続いているのか解らないわ」

・・・


うちの領地は広いだけで建物なんて全然ないからな~

流石にあのお城だけは目立つな(;'∀')


「凄いお城ですな~此れほど凄い建築技術を持っているとは驚きですじゃ」

ギルドマスターも驚いているが・・・

あれは技術じゃ無いからね?

まぁ~おいおい解って来るだろうけどさ~


俺達はエデンの領地に着地

一気に2万人以上の領民が増えてしまった(;'∀')

食糧問題を何とかしなきゃな

あ~まだ俺は暫くの馬車馬のように働かなきゃいけないのか~~( ノД`)シクシク…


兎に角、今日からダナンの人々が住めるように家を出して行かなきゃいけないが・・・

先ずは領主館はシンデレ○城の横が良いだろうな


『ドスンッ』

領主館設置完了


そしてその横がダナンのギルド本部だった建物

『ドスンッ』

ギルド本部設置完了

これってエデンのギルド本部になるのか?

それともダナンのギルド本部なのか?

まぁ~其処はギルドマスターが考えてくれるだろう・・


後はダナンの城塞都市に有った建物

これは・・

周囲3キロ程の城塞都市だったから、位置関係そのままにベタで排出しても良いだろうな


って事で


『ドスンッ』

ダナンの城塞都市に有った建物移設設置完全完了~~


疲れた~~

疲れたよぉ~


「偉い~偉い~」

女神様?

それ俺を慰めてくれてるんですか?

うをぉ~涙がちょちょぎれるぜ( ノД`)シクシク…

『ぽいっ』

『(´~`)モグモグ』

女神様への何時ものチョコレートのお礼ですね


「みなさ~~ん今日はお疲れ様でした~~~明日から色々と馴れない事で大変だと思いますが、よろしくおねがいしま~~~す」


「「「「「「「「「「おねがいします」」」」」」」」」」


つつく・・・

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