第170話 170.反乱分子

◇◇ レイ ◇◇


『お好み焼き』を焼き続けていた俺だが・・

止まる事を知らない長蛇の列

焼き肉・BBQの方は助けた58人のドレス姿も初々しい女性達が全員で対応してくれているせいか待ち時間は無い。

「ご主人様・・・」

アンジェリーナが困り顔で俺に声を掛け、ギルドマスターの方に視線を移す。

多分ギルドマスターが話をしたいという事なんだろう

俺はレイラを呼んでレイラのマジックポーチの中に夜間錬成していた『お好み焼き』の90%1万食余りを移動させレイラに配布をお願いする。


「ギルドマスターのドナルド・ディロン様お話が有るようですが何か?」

「実はこれからの事なのですがレイ殿はどうなさるおつもりなのですかな?」


そう言われてもな~

俺全然その辺り考えて無いぞ(;'∀')


「どうなさるお積りって言われましても、全然考えていないのですか・・

今回ダナンに来たのもアンジェリーナの表情が苦しそうなので問い詰めたら、ダナンの人々の事が心配だと言われまして、助けに来ただけなのです。

これからダナンの方々がどうしたいのかはダナンに住む人々が決めるべきではないかと思うのですがどうでしょう?


もしも私に出来るとしたら、このダナンの人々で私のエデンの領地に庇護を求めるというのであれば、エデンの領地は移住したい方々だけは私の方で保護しますよという事だけでしょうか?」


そう俺が言うとギルドマスターは

「それは本当でございますか?アンジェリーナ様にお聞きしたのですがあの一度入り込むと二度と生きては帰って来れないと言う『悪魔の森』の『帰らずの秘境』を領地化して物凄く良い暮らしをさせてもらっているとお聞きしました。

我がダナンのギルド本部も出来ましたらレイ殿の領地エデンへ受け入れてはもらえないでしょうか?」


そう言って連れて来た20人余りの男女と共に頭を下げて来たのだった。

「それは構いませんが、他の方はどうされるのです?私もエデンに住んでも良いと言われる方であれば受け入れは吝かでは有りませんが、このダナンから移り住むのは嫌という方まではエデンへ無理やりはお連れ出来ませんよ?此処に残るのであればトレノアとの再度の対立も念頭に置いて各自の責任で残って欲しいのですよ?

私が連れて行かなかったからトレノアに再度襲われた。私が何もしなかったからというのは無しですよ?」


「重々承知しております。私とアンジェリーナ様とで住人の希望を纏めましょう。嫌がる者達までの移住は仰る通り強制は致しませんし、ダナンの地に残る脅威も必ずお伝えしましょう」


そんな話をダナン城塞都市のギルドマスターのドナルド・ディロンさんとの話し合いは終わり、アンジェリーナとギルドマスターのドナルド・ディロンさんが最終の詰めをおこなっているようだ。


・・・


・・・


朝日が昇ってからダナン城塞都市の奪還を開始し約2時間で奪還終了してから炊き出しを行い始め約4時間

太陽は俺達の頭上の真上に位置している。

時間的にお昼頃?



アンジェリーナの第一声が中央広場に響いた。

「現在トレノアの城塞都市の兵士により占領されていたダナンの地は奪還は致しました。タダこのダナンの地が安全である事とは一致しません。トレノアは何時このダナンの地を攻めて来るか解らない状態です。


私は奴隷となり売られる処を此処に居るエデンの地を治めるレイ様とアルテナ様に助けられ再度皆様を助けに来る事が出来ました。

エデンは豊かな土地で夢のような素晴らしい生活が出来ています。エデンの地はダナンの人々の移住を歓迎いたします。仕事も済む所も必ず用意致しましょう。

タダどうしてもダナンの地に愛着があり離れたくない方はダナンの地に残られてもかまいません。

その場合トレノアから攻撃される脅威は残っています。

エデンの地は全員合わせても120人程、今のトレノアを殲滅出来る力は有りません。

エデンへ移住し新しい生活をするのか、このダナンに残り今までの生活に戻るのが良いのか皆さんに自己責任において決断をお願いします。


時間は今から3時間後の午後3時までとします

後でこのダナンがトレノアの城塞都市に攻められ私達が助けなかったから悪いのだとは絶対に言わないようにだけお願いします」


アンジェリーナは言い切った。


そんな中

「私達ドンデリアル商会はダナンに残るぜ!!残ったダナンの地は残った物が貰っても良いんだよな。お前達の武器が有ればトレノアの城塞都市なんて怖くないぜ。

このダナンの地に残る者はこの私達ドンデリアル商会の会頭ドランスフィールド・ドンデリアルが責任をもって面倒を見てやるぜ!!俺に着いてこい!!」


とドンデリアル商会会頭のドランスフィールドは言い切ったのだった。


『お前達の武器が有ればトレノアの城塞都市なんて怖くない?』

まさか俺達の持っている武器を寄越せと言うのだろうか?


ここは釘を刺しておかないといけないな!!


「ドンデリアル商会の会頭ドランスフィールドさんでしたっけ?

私達の武器はエデンの地を守る為の物です。この武器は何処にも出す訳にはいきません!!ダナンの地を守ると言うのならば自分達の武器で自分達の力で守ってもらう事になります。そこは考え間違いの無いようにお願いします」


「何だって!!お前達は俺達に武器無しで戦えって言うのか?」

「武器ならばトレノアの城塞都市の殲滅した兵士達が持っていた武器があるでしょ?」

「くそっアンジェリーナこいつを何とかしろ!!」


なんか逆切れだな・・・

「ドンデリアル商会の会頭ドランスフィールドさん?私達はエデンに移住をお願いしているのです。残る方は自由、自己責任でこのダナンの城塞都市に残るという事です。

そこをお間違えの無いように!!

それと、『残ったダナンの地は残った物が貰っても良いんだよな』とさっき申していましたが、正確には移住する人々の建物家財道具一切はエデンの地に持ってゆきますよ?


当然私共の森者である領主館も持ってゆきますから其処の所をお間違えの無いようにお願いしますねドランスフィールドさん?」


アンジェリーナのそんな言葉に

「あははははは~アンジェリーナ気でも狂ったのか?奴隷にされておかしくなってしまったんだろう何とバカな寝言をいってるんだ?建物も持って育だと~持っていけるもんなら持ってゆけば良い~な~皆~あははは」

ドンデリアル商会の会頭ドランスフィールドは腹を抱えて笑い転げるのだった。


つづく・・・

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