第169話 169.炊き出し

◇◇ レイ ◇◇


「ダナンの城塞都市のみなさ~~ん、ダナンの城塞都市はこの私アンジェリーナとエデンの領地の方々によって解放されました~。みなさ~ん外に出れる人はでてきてくださ~~い」


アンジェリーナはそう言って街の中に繰り出してゆく。

その内俺達が助けた女性達も


「ダナンの城塞都市は解放されましたよ~」

「体に悪い人は声をかけてくださ~~い」

・・・

「「「「「「「「「「皆~ダナンは解放されました~」」」」」」」」」」

そう言って皆で街の中を練り歩いてゆく。


その声に反応して次々に家々の戸を開けた住民が外を用心深げに除き出している。

どの顔も疲れ切った感じで疲労が見える。

それに顔色も非常に悪い・・・・


そんな状況を見た俺はアンジェリーナに

「街の広場で炊き出しをしよう。皆も手伝える人は手伝って欲しい」

って言うと

「それ良いですね。食べ物の匂いに釣られて皆出て来るかもしれませんね」

と満面の笑顔で答えてくれ


「みなさ~ん、これからダナンの中央広場で炊き出しを行います。お腹の減っている人は出て来てくださ~~い」

「中央広場で炊き出しやってますよ~~」

全員が大声を上げて叫んでくれる。


俺は速攻でアンジェリーナの言った中央広場に行って炊き出しの準備


メニューは簡単お手軽


『焼き肉』


と腹持ちの良い


『お好み焼き』


残念ながらこの世界ではまだキャベツは見つけれていないから、サニーレタスに似た『悪魔の森』で見つけたリーフ菜で代用だ

肉はオーク肉をぶち込んでボリューム満点に仕上げるつもりだ。


早速やってやるぜ!!

ダナンの中央広場にアンジェリーナに案内してもらい領主館で助けた33人と、あの大広間で犯されていた女性達25人の合計58人が俺の土魔法で錬成したBBQの火を起こしたカマドの上に網を乗せ肉を焼いてゆく。

俺は錬成したカマドの上にてっっパンを置き水と小麦粉を混ぜ合わせ、本当は卵も入れたいがこの異世界で鶏を見つけれていない為マヨネーズ?で代用だ

卵が無いのになんでマヨネーズが錬成出来るんだって話は無しだ!!

卵無しでマヨネーズが錬成出来てしまうおれの錬成がおかしいのだ!!

出来た生地にリーフ菜の刻んだものとオーク肉のスライスをぶっこんで『お好み焼き』を焼いて最後にソースを塗り出来上がり。


『お好み焼き』のソースの焦げる匂いが街中に広がって行く

その匂いに耐え切れず、人々がドンドンと中央広場に集まって来て、助けた女性達が俺の用意した木の皿と木のフォークに焼いた肉を盛って集まって来た人々に渡してゆく。


その様子を見て安心した人々が次々に中央広場に集まって来て食事を貰う人々が身動きできない位なってきている。


「うをぉ~ひさしぶりの飯だ~うめぇ~~」

「なんだこの肉は~めちゃめちゃ美味いぞ~」

・・・

・・・

食事を貰う人は一列に並んで下さ~~い」

アンジェリーナが中央広場の混雑を治める為に大声で叫んでくれる。

その声に段々と2列3列と食事を配る場所に人の列が出来てゆく


「ご主人様トレノアの残党は全て殲滅しました」

レイラがクリスティーナとクリスティーンを伴って俺に報告してくれる。

「レイラもクリスティーナとクリスティーンもお疲れ~3人もお腹減っただろ」

そう言って俺は3人に『お好み焼き』の乗った木のお皿とフォークを渡すと速攻で


『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』

「「「美味しい~~何なんですか~コレ~?」」」


ってビックリ(*_*;

「お好み焼きって言うんだ」

「これは初めて食べますね」

「試作しただけで皆には提供していなかったからな」


そう・・

俺の眠れぬ夜の錬成品の中にも目一杯入ってたんだよ(;'∀')

ダナンの城塞都市奪還で街の中を縦横無尽に走り回りトレノアの城塞都市の兵士を狩っていたメイドさん達も徐々に帰って来て

「只今帰りました~ご主人様~全部遣っ付けましたよ~褒めて褒めて~ご主人様~(((o(*゚▽゚*)o)))/」

と俺の所に集まって来る

そんな彼女達に

「お疲れ様~お腹減っただろ食べて食べて!!」

と『お好み焼き』を渡してゆく俺


もうこれ完全な餌付け状態だな・・



「「「「「「「「「「美味しい~(((o(*゚▽゚*)o)))/」」」」」」」」」」


幸せそうな彼女達の顔を見るとほっこりするよ~

イケナイ!

イケナイ!

女神様の機嫌が急降下中だぜ!!


『ぽいっ』

『(´~`)モグモグ』

『(((o(*゚▽゚*)o)))』


危機一髪!!

女神様の機嫌が治って良かった~

俺はメイドさん達が帰ってくる度にこの光景が繰り返される事になるのだが・・・


すこし落ち着いた頃

「アンジェリーナ様ダナンの住人は全員此処で終わるのかと諦めておりましたが、まさか奴隷として連れていかれたアンジェリーナ様が助けに来て頂けるとは夢にも思いませんでした。重ねてお礼申し上げます。本当にありがとうございました」


初老の老人が後ろに20人位の顔色の悪い男女を伴ってアンジェリーナにお礼を言いに来た。

「これはこれはダナンのギルド本部ギルドマスターのドナルド・ ディロン様ではございませんか!!ご無事で安心しましたわ」


「皆さんも顔色悪いですよ。殆ど食べられていないのでしょう?これをどうぞ」

と言って俺は『お好み焼き』を盛った木のお皿とフォークをギルドマスターとその一行に手渡してゆく

「御気を遣わせ申し訳ないが事らの御仁は?」

とたずねて来るギルドマスター

「この方はレイ・ヤギリ様で奴隷になった私達を助けて頂いたエデンの実質の領主様ですわ。そしてその横にいらっしゃるのが伴侶のアルテナ様です」

「ではこの度のダナン奪還の助力をして頂いたのはこの方々ですか」

「そうですわ」

「おしゃべりも程々に先ずは腹ごしらえをしませんか?」

「おおそうですな」


アンジェリーナとは感動のご対面って感じだな

アンジェリーナは食事をしながらギルドマスターと話をしているようだが、俺は・・・


「ご主人様~『お好み焼き』の前に滅茶滅茶並んでます~~どうしましょう?」

って配っているメイドさんに怒られちゃったよ(;'∀')

って訳で・・・


『えっちらおっちら』

『えっちらおっちら』

『えっちらおっちら』

『えっちらおっちら』

『えっちらおっちら』


『お好み焼き』を延々と焼き続ける俺であった・・(;'∀')


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る