第165話 165.ダナン城塞都市突入

◇◇ レイ ◇◇


今日でこの異世界に落ちて来て14日目の朝

昨日はあれから2時間真っ暗な『悪魔の森』の中で『魔動キックボード』で高速で移動しながら

直径10メートル、高さ100メートルを超す乱立する大木

真っ暗な『悪魔の森』

10メートルを超す超巨大魔獣の群れの中


そんな最悪の状況の中での戦闘訓練を行った。

アンジェリーナの心配している事が現実になっていなければ良いのだが・・・

ダナン城塞都市が滅ぼされたのは俺と女神様がこの異世界に落ちて来る約一週間前

見目麗しい美少女達はダンジョン攻略の資金調達の為、奴隷オークションに送られる為に集められたが、他の住民達はどうなっているのか解らない。


無事でいてくれると良いのだが・・

此処でグダグダと悩んでいてもしょうがない!!


「皆~用意は良い~?これから選ばれた人達でダナン城塞都市手前5キロ地点まで一気に飛んで、そこからダナンの城塞都市を一気に奪還します。

いかなる酷い状況を見ても絶対に動揺しないで!!もう沢山の人を殺されています。もしも人質を取られても躊躇しないで敵に考える暇も与えず射殺しなさい!!

昨日の戦闘訓練を受けた貴方達なら敵の眉間を敵が動き出す前に撃ち抜く事も出来るでしょ?

絶対に死なないと約束して!!死ななければ私が何としても助けてあげる!!だから思いっきり戦いなさい!!」


「「「「「「「「「「ヒャッハーー」」」」」」」」」」


うをぉ~~誰に似たんだよ~

全員戦闘狂になってんじゃんか~!!


「ここに残る人もダナンの城塞都市奪還に参加出来なくて残念だけど、助けたダナンの人達が帰れる場所を守るのも重要な仕事です。私達がダナンの人々を連れて帰って来るまでエデンの領地を何としても守ってくださいね」


「「「「「「「「「「ヒャッハーー」」」」」」」」」」


あ~だめだ

完全に戦闘狂になってしまってる。


ダナン奪還に行くのは

ダナンの城塞都市出身のアンジェリーナとレイラを含めた22人、残りのレリーナを含めた23人の女性達は商隊の泊まっている人達のお世話


警備はスタンリー、フィン、エリオット、アルバート、アーロンの男性陣と駄犬

『悪魔の森』の城塞化の旅で助けた65人の少女達とクリスティーナ、クリスティーンの双子ちゃんはダナンの城塞都市奪還に参加だ。


『こういう事になるんだったら、最初からダナンの城塞都市を奪還しておけば良かった』


そう思いながらも、87人のメイドさん達を引き連れた俺と女神様の一団は一気にエデンの上空に一気に浮上し


『ドンッ』


っという衝撃音と共に音速を超え加速ダナンの城塞都市までの約50キロの距離を焼く2分で走破

『悪魔の森』の城塞化をする為に編み出した俺の周りの空気の層ごと高速移動をする魔法


「「「「「「「「「「きゃーーーー」」」」」」」」」」

ダナン出身の少女達は初体験だから驚いて当然だよな~

レイラや女神様、『悪魔の森』の城塞化で助けた少女達はもう経験済みだから快感

初体験は悲鳴

経験済みは快感に?


うをぉ~俺何考えてんだよ~

ダナンの城塞都市の手前5キロ地点だが、上空からダナンの城塞都市が見える。

城塞都市の門は堅く閉ざされているよう

「みんなダナンの城塞都市の手前5キロの地点に降りて移動するって言ってたけど、ダナンの城塞都市の門は閉ざされているみたい。なのでダナンの上空から直接ダナンの城門の中に突入します。全員戦闘モードに移行!!」

って言って速攻でダナンの城門の中に着地

一気に『魔動キックボード』で高速移動を開始するメイドさん部隊

その手にはすでに拳銃が握られている。


「「「「「「「「「「ヒャツハーーー」」」」」」」」」


皆そこで奇声あげちゃうんですね(;'∀')


「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

・・

「カツッ」

「カツッ」

「カツッ」

「カツッ」

「カツッ」


・・・・

早速弓矢が撃ち込まれ、シールドによって弾かれる。


「皆気を付けて」

「「「「「「「「「「は~~い」」」」」」」」」」

気の抜ける返事をしたメイドさん達はダナン組の少女一人に後発組の少女が何人か付いて行動開始


「ドスン」

「バタン」

「バタン」

「バタン」

「バタン」

「バタン」

・・

悲鳴も聞こえないままに人の倒れてゆく音だけが聞こえて来る。

眉間を一発で撃ち抜かれてトレノア城塞都市の兵士達が倒れてゆくんだろう。


「止まれ~この人間が・・」

「シュー」

男が人質を盾にして止めようとしたみたいだが、喋る前にあの世行きの切符を手に入れてしまったようだ。


『注意しておいて良かったよ』

卑怯な奴は直ぐに人質を取ってしまうからな!!


「アルテナ俺達は上空から皆の容姿を確認しながら、危ないようなら援護するか?」

「ん」

何時もながらに女神様の返事は短いですね


俺と女神様はダナンの城塞都市の上空に舞い上がりダナンの上空から皆の様子を確認する

ダナンの大通りを高速で爆走する一台の『魔動キックボード』

「あれはレイラだな」

「レイラ相当に切れてる」


通りを警備する兵士を


「ヒャッハーー」


と声を上げながら次々に葬って行くレイラ


「きゃーーーー」

悲鳴のあった方向を見ると!!

兵士が白昼堂々と若い女性の服を引き千切り襲っている


「シュー」

自動追尾式シャイニングアローを男の頭をめがけて射出

頭を撃ち抜かれた瞬間

『ガクッ』


っと崩れ落ちる。

少女は辺りを見回し、速攻で家に入って行ったよう。

上空に居る俺達の事は気づかなかったようだ

それにしても酷いな


辺りは至る所に死体が転がっている

戦争で死んだダナンの人達なのか・・それとも後から殺された人達なのか・・





「武器を捨てろ。でないと此処に居る民衆を一人一人殺してゆくぞ!!」



そんな声が聞こえて来る。


向こうの方に見える広場に大勢の民衆が集められて来て、100人から200人の兵士で取り囲んでいるよう

そしてその前には『魔動キックボード』に乗ったメイドさん達の部隊が10台近く睨み合いをしている


流石にあれだけの兵士で取り囲んだ民衆を見殺しには出来なかったみたいだ。

双方に緊張が走り

兵士達が複数の民衆建を前に出し首に剣を突き立てようとしている。




俺は


『収納』


そんな兵士達と民衆全部俺の異空間庫に収納してしまうと

「俺が何とかするからお前達は自由に暴れろ!!」

といって慰めてやる


「「「「「「「「「「ヒャツハーー」」」」」」」」」



そう叫んだ彼女達は一気にダナンの街の中に散らばって行った。

はぁ~あいつら無理に声を出して気持ちを吹っ切ろうとしてんな・・・

何も出来なかった自分達が悔しかったんだろうな


『みんな死なないでくれよ』

そう願いながらダナンの城塞都市を見回る俺だった。


つづく・・・

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