第122話 122.トレノア城塞都市領主はやっぱりクソ領主だった

<アネルド商会の会頭のレオン・アネルド>


これで帰れると思って喜んでいたおれだったが・・・

感動の再開をお互い喜んでいるのか息子の所に行ったっきり領主が帰って来ない


『折角これで終わったと思って喜んでいたのに、帰ってのんびりする事も出来ないじゃ無いか!!』


・・・


中々帰って来ないな領主の奴!!

何してるんだ?


「ああああ~おとうさま~~しゅごいです~~」

「ほれほれほれ~~~~どうだ~」

「あん~あん~あん~~ひぃ~」


隣の部屋からそんな営みの状況が聞こえて来る

・・・

クソ~~あの親子感動のご対面した後、何でそのままやり始めるんだよ!!

お楽しみは俺が帰ってからにしろよな!!クソ領主!!



「どうだ~マイク~ひさしぶりの快感は?」

「あん~あん~あん~~しゅごい~~~~」

「だめぇ~~~~~~~~~あんあんあんあ~~~~~~~ぁ~~~~」


・・・


くそ~~

そんな変な声聞いていたら、こっちまでおかしくなっちまうじゃないか!!

領主もド変態領主なら息子もド変態息子だぜ!!


ああ~

トレノアの平原で見たレイ殿のスカートから見えた白い布を思い出して、こっちまで変な気持ちになって来るじゃねえか!!

おお~!!

あの白い布、レイ殿は下着とかいっていたな・・

何か・・

あんな風に隠されると、余計に気になるのはどうしてなんだ?

あのスカートから


偶に

『ちらっ』


『ちらっ』


っとあの下着とかいう物が見えるだけでドキドキするのはどうしてなんだ?

レイ殿はあの下着とかいう物を奴隷だった女性全員に配って着用させていたみたいだった

そう言えばあれを着けてから女性達の動作が軽やかになって凄く魅力的に見えるようになったな!!


女性の魅力を引き出すアイテムか?

そして男を興奮させる効果がある?


『おおおお~あれは絶対に売れる!!』


帰ったら、レイ殿と交渉してみなければ!!

絶対に良い商売になる!!


俺の商人としての勘がそう言っている!!




『バタン』


俺がそんな考え事に没頭していた時、急に執務室の扉が開いてツヤツヤした領主のジョージと高揚しピンクに頬を染めた長男のマイクが執務室の開いたドアから入ってきた。


『お楽しみしましたって顔してるぜ』


「レオン待たせてすまんな。お前の調達してくれた薬のお陰で儂も長男のマイクもこの通り元の通り元気になる事が出来た礼を言う!!」


「いえお気になさらず。私はトレノアの城塞都市の為に動いただけですから」


『コン』


『コン』


っとドアのノック音がしドアが開くと

「お茶をお持ちしました」

と言って執事のドルフがキャスターを押しながら入って来て俺達の前に熱々のお茶を注いでゆく。

茶を注ぐ器は石を削り出して作ったカップだ


カップに合うような綺麗な石材を削り出し器の形に整形し表面をひたすら綺麗に磨くのだ。

気の遠くなるような作業の上に作成された芸術品と言っても良い


一般市民の使う食器は木から削り出した食器を使っている。

こんな石材で作られた食器を使えるのは裕福な富裕層くらいのものなのだ


「丁度よい見上げが有りますのでお渡ししましょう」

俺はそう言って取り出したのはエデンにてレイ殿から販売する為に譲り受けた真っ白な磁器のティーカップセットだ。


俺がティーカップセットを取り出した瞬間に

「これは凄い!!どうやって作った物なのだ」

早速領主のジョージが俺に問い詰めて来る。

思った通りだ!!

珍しい物を見ると直ぐに飛びつく奴だ


「これは『悪魔の森』に領地を持つエデンの領主が作られた物を貰った物です。作りからまでは解りません」

そう言うとティーカップを手に取って上から下からそのティーカップを上げたり下げたりしながら真剣な表情で観察しだしたジョージ


「こんなにも薄くて透けたような真っ白の茶器など私は見た事がありません」

執事のドルフも感嘆


「このエリクサーといい、この精巧な茶器といい、これだけの物を用意出来るとはエデンの領主はただ物では無いな。

そうだこのエリクサーはどうやって手に入れたか聞いているか?」


それはレイ殿と打ち合わせしていた通りトランのダンジョンとナムルのダンジョンのどちらかのドロップ品・・

待てよ!!

子の領主の事だ・・

『トランのダンジョンとナムルのダンジョンのどちらかのドロップ品と言えば、トレノアの物だと言いだすに違いない!!あのレアアイテムがドロップした時だって冒険者に無実の罪をきせ殺して奪ったのだからな!!』


「そのエリクサーはエデンの領地の近くの『悪魔の森』の中に有るダンジョンからドロップした品物のようです」

「何と!!ダンジョンのドロップ品だと~~!!そんな凄いダンジョンが有るのか!!早速人を送ってダンジョン探索をさせようではないか!!」

「領主様もご存じでしょう?『悪魔の森』周辺に強力な魔獣が住み着き過去いろんな国が数万の軍隊を送り込みあの場所を手中に収めようとしましたが、いずれの国の軍隊も全滅、誰も帰って来れなかったのですよ?それにエデンの領主の事です!!これだけの物がドロップするダンジョンです。ダンジョンは城壁を築いて自国の領地としている事は明白です」


「そうだな俺がトランのダンジョンとナムルのダンジョンに城塞を作り自国の領地と主張しているくらいだからな。そのくらいの事はやって当然か!!抜け目のない領主だ!!

それならばそのエデンとやらの領地を亡ぼしてうちの領地にしてしまおう!!」


「私達の商隊を数百人で襲っていた『黒森砦』の赤髭のゼクトをエデンの領主が一瞬で切り捨て、その場所から山の上に築かれた何千人も居る『黒森砦』を一瞬で消滅させたのですぞ!!エデンの領主にかかればこのトレノアの領主館などエデンの領主の魔道具による攻撃で消滅させられてしまいますぞ!!

間違っても迂闊な行動を起こしてトレノアの城塞都市を一瞬で消滅させられないようにしてくだされ」


「エデンはそれ程の魔道具を持っておるのか」

「はいこのトレノアの城塞都市を一瞬で灰にできるでしょう」


俺が脅すと


「うむ~迂闊には手は出せないか・・しかたないの~」


と唸って考え込んでしまった領主

やはり過激な帰途を考え出したか・・

このポーションを持って帰えろうと思った時から予想はしていたが・・予想通りの事を考えるとはこの領主はバカだ。


「私も今しがたエデンから帰った所ゆえこれにて失礼致します」

「おおそうか、それは悪かったな。ゆっくり休んでくれ」

「はい」


俺は速攻で領主館を出た瞬間


『はぁ~~~』


っと大きく深呼吸して

ある程度は予想はしていたがトレノア城塞都市の領主があそこまでダメな奴だとは思っても見なかったぞ!!

トレノアの城塞都市は近い内に必ず滅ぶな

それよりも領主がバカな事をする前に


『ダンジョンの事をレイ殿に報告して早急にダンジョンに城壁を構築して頂かなくては!!』


そう決心して馬車に乗り込むのだった。


つづく・・・

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