第119話 119.ランクアップ

「もごもご・・・」

「此処で騒がれると不味いので、兎に角狩った魔獣を出す場所に案内していただけないでしょうか?」

「二人だけの場所者無くって良いのですか?」

「え?」

二人だけの場所って何?

そこで何するの?

「な・・何でもないでしゅ・・解体場に案内いたしましゅ」

解体場有るじゃん!!

早く案内してくれよな・・

余計に目立って、此れじゃ俺がお姉さんを襲っているみたいじゃん・・・


レイラも女神様もまためちゃ不機嫌になっちゃってるしどうしてくれるんだよ~

俺はお姉さんに今度は逆に抱き締められたまま・・・解体場という場所に連行されるのだった


解体場は、ギルドの受付の横の広い通路を奥に進んだ所にあった。

どうも・・

トレノアギルド本部の左側に建っていた倉庫みたいな建物が解体場だったらしい

お姉さんに聞くと、あの受付の7番受付が狩った魔獣を解体場へ運び込む為の受付で、7番受付で受付してもらい納入ブースを確定後そこに魔獣を運び込むらしいが、半年ほど前に起こった魔獣のスタンピード以来魔獣の強さが半端なくて冒険者30人以上のクランという複数のパーティーを束ねた集団戦でないと魔獣を狩れなくなっているらしい・・・


「何でそんなに魔獣が強くなったんだろうな?」

お姉さんが話してくれた話に俺が疑問を投げると

「話せば長くなるのですがトレノアの城塞都市の領主ジョージ・アディソンがナムルのダンジョンからドロップした超~レアアイテムの事で冒険者と揉めまして冒険者への当てつけで、ダンジョンの入場料を5年前に大銀貨1枚に吊り上げたのですよ!!

その為普通の冒険者が大銀貨1枚を叩いてまでトレノアの超高額な入場料の要るダンジョンに潜らなくなりこの前滅ぼされたダナンの城塞都市にあるトイアーのダンジョンに潜るようになってしまいました。

結果5年間放置されたダンジョンでは共食いが起こり段々と強い個体ばかりが残ってそれが溢れて半年前スタンピードを起こしてしまったのです。

当然5年も放置して強力な個体となった魔獣を狩れる人間など居なく、解体場は閑散とした状態という訳です」


「領主の暴挙が魔獣のスタンピードを起こさしてしてしまい逆に魔獣の脅威に晒されているという事ですか?」

「あまり大きな声で話さないでくださいね・・領主の悪口をいうと何をされるか解りませんよ!!ここに住んで居る人間は領主の機嫌次第で何をされるか解らないと戦々恐々としているのですよ」


「トレノアの城塞都市ってめちゃめちゃだな」

「トレノアの領主ジョージ様のお父様のケイシー様が生きておられたころは住み易い街だったのですかね~」

「もう内のエデンの領地に来たらいいのに!!今住民募集中の為に今の間は税金も無料ですしね」

「え?本当ですか~皆に聞いて見ます!!」

そう言ってガッツポーズをするお姉さん

よっぽどこのトレノアの城塞都市がイヤなのか?

「ところでどの位狩った魔獣を出して良いのですか?」

「この状態です幾らでも出して貰って良いですよ」

「本当に本当ですよ」


レイラに此処に来るまでに狩った魔獣を血抜きしてレイラのマジックポーチに入れている。

俺の異空間庫から出しちゃうと問題だからな!!

「レイラそのマジックポーチから巨大熊を3匹、そしてオークを30匹、あとトレノアの草原で狩ったジャロデットの竜モドキも50匹くらい出しておくか」


「ハイご主人様~じゃ~ドーンと一気に逝っちゃいますよ~」


「ドーン」



レイラってお茶目だな~出した擬音まで言っちゃってるよ~



「なななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななななな何ですか~この魔獣は~」


お姉さんがビックリしてるよ?何で?


「魔獣ですが?何か不都合でも?」

「この熊10メートル以上有るじゃ無いですか~~~!!

それにオークが5メートル以上有るなんて信じられません!!

それに軍隊が出動して1体狩れたら運が良かったと言われるジャロデットが何で50匹も居るんですか~~」


「ドードードー」


俺は思わずお姉さんを抱き締めちゃったよ


「こんなにこの解体場で一度に捌ける訳無いです~~」

あらま・・泣き出しちゃったよ


「あ~あ~泣かしちゃったじゃないですか、可哀そうに責任取って下さいよ」

「レイラが言える立場か?おまえノリノリで解体場に出しただろ!!」

「あれ~解っちゃいましたか~テヘペロッ」

「あの~エイミーどの位だったら解体が出来るんだい?」


「巨大熊1匹、オーク5匹、ジャロデットは体が堅いので2体が限度ですね。巨大熊が大きすぎます~~何なんですかこの大きさ!!」

「悪魔の森産だからな」

「うわ~あそここんなのが居るんだ~」


「レイラ、言われたヤツ以外悪いけど収納してくれ」

「りょうか~~い、一度全部収納しちゃって、再度必要な分を出しちゃいますね~」


「しゅっぽ~~ん」


「最近レイラ面白い奴になってんな~」

「それほどでも~ハイ終了です~言われたように巨大熊1匹、オーク5匹、ジャロデット2体を残しましたよ」

「レイラありがとう」

「エイミー此れで良いかな」

「買取金額の査定はどうしましょうか?血抜きはしているみたいですから、解体してから素材として解体料を抜いた金額で買い取りするなら明日の昼以降の支払いになりますし、少し安くても宜しいならこのまま個体の金額で買い取らせてもらいますが?」


「今すぐ個体の金額で買い取りでお願いします」

明日は・・・

一刻も早く『悪魔の森』をメルローナ山脈にトンネルを掘った時の石材を使って城壁で囲まなきゃいけないからな!!

『明日は黒の森の城壁設置で確定だな』


「レイモンドさ~~ん、そこで固まっていないでこっちにきてくださ~~い」

誰もいないと思ったら隅の方にガタイの良いゴツイ男の人が居たよ・・

気づかなかったぜ


呼ばれたが体の良い男性が応答しないんでお姉さん走って男の人の所に行っちゃったよ~


「レイモンドさ~~ん!!」


そう言ってガタイの良い男性の背中を『パン』って叩いた。


「お・・おう~エイミーすまねぇ~俺は夢を見てたのか?今さっきこの解体場一杯に魔獣の死体が出てきてビックリして意識が遠のいていたんだが?」

「その通りよ。処理出来ないからまたのけて貰ったの」

「のけて貰ったって・・まさかあのマジックバックっていう伝説の魔道具を持ってる奴が居たのか?」

「そう言う事!!他の人に知られたら大変な事になるから絶対にしゃべっちゃダメよレイモンドさん!!」

「あ・・ああ~わかった」

「それじゃ~納品された魔獣の査定をお願い」

「お・・おお~」


やっと再起動って感じだなあのおっちゃん

ドテドテと俺達の方に歩いて来るお姉さんと巨大オーク、モトイ・・おっちゃん!!


「こりゃ~まためちゃめちゃ可愛らしい女の子が3人こんな解体場に珍しいな・・あんたらがこの魔獣をやったのか?」

「ハイ、多すぎるって言われて他は収納しました」

「本当に収納の魔道具が存在していたんだな。俺ははじめて見たよ。そうだ査定だったな!!ちょっとまってくれよな」


そう言ってレイラが解体場に排出した魔獣の死体を細かく見分しだしたレイモンドのおっちゃん


「ほうほう~この熊の肉は最高級の肉だなこの辺の魔獣の匂いと匂いが全然違うぜ

この熊の毛皮も毛並みが最高だ!!傷も眉間の部分だけで最高の状態だな

これだけの大きさの熊なんて初めて見たぜ

オークも普通の個体と比べて2倍以上有るな~肉も最高級だぜ

何だ~あのジャロデットが2体もいるじゃねかよ!!それも傷が全くない!!

ジャロデットの外皮で鎧を作ったら最高級の鎧が出来そうだ!!


個体の買取だと

熊が    金貨10枚の所、金貨8枚

オークは・・大銀貨6枚の所 大銀貨5枚 オークが5体居るから 金貨2枚と大銀貨5枚

ジャロデットは解体後で金貨1枚だが状態が良いからそのまま金貨1枚で良い ジャロデット2体で金貨2枚

合計したら 金貨12枚と大銀貨5枚になるな


おんとき俺が見た時はめちゃめちゃジャロデットの死体出してたよな!!

定期的で良いから巨大熊もオークもジャロデットも此処に卸してはくれないか!!

収納のマジックアイテムが有るんだろ?見た所時間の経過も全く無いみたいだ

その嬢ちゃんの持っている収納の魔道具だけで売れば一生遊んで暮らせる金が入るだろうよ。だが売るよりも使った方が便利だな。こうやって簡単に狩った魔獣も持ち込めて、収納の魔道具に入れている間は時間も経過しないとなりゃ~売る奴は居ないだろうよ」


「ええ~また近い内に来ますよ」

「そりゃ~有難い!!頼むぜ嬢ちゃん達。俺は早速解体の作業に移るぜ!!しっかし俺もこの熊の上等な肉食って見てえもんだな」

「有りますよ?」

俺は気をよくして思わず巨大熊のステーキ肉を出してしまっていた・・

「おい嬢ちゃんどこから出したんだ?」

「細かい事は言いっこなしですよ?それはお礼に差し上げます。ご内密に」

「あ・・あ~こりゃ~解体を速く終わらせてその肉を食わしてもらわなきゃな」

「レイモンドさん!!解体を急ぐのは良いですけど解体はしっかりと手を抜かないようにお願いしますよ!!」

「解っておるわいエイミー!!早く行った行った!!仕事の邪魔だエイミー、其の嬢ちゃん達が支払いを待ってるぞ」

「解りましたよレイモンドさん。解体くいれぐれも手を抜かないで下さいね。私もこの人達のランクアップの処理しなければいけませんので失礼します」


あれ?

今ランクアップってお姉さん言ったよな?

俺達もうランクアック?



俺達は再度受付に案内され、貰ったギルドカードを再度返すと


『カン』

『カン』

『カン』


『カン』

『カン』

『カン』


『カン』

『カン』

『カン』


と金色の★★★をギルドカードに刻印してくれるお姉案

ランクアップも力仕事だったのですね・・・


「はぁ~」


「はぁ~」


「はぁ~」


「これでレイさん、アルテナさん、レイラさんは★三つ星のギルドランク3となりました次回納品すると★四つ星のギルドランク4は確実に確定ですね。レイ様?早く来て下さいね」


ってお姉さんにハグ・・・されたんだが・・・


それにドサクサに紛れて俺のオマタ・・・触られた気がするんだが・・気のせいか?

まさか反応した俺のアソコに気が付いた?(;'∀')


だってしょうがないじゃん!!

めっちゃお姉さんのお胸おっきかったし~~

体も柔らかくって・・

良い匂いするし・・

お姉さんも良いな~


『痛い・・( ノД`)』


何でレイラと女神様が同時に俺のお尻を抓らなきゃいけないんだ~~?

これって嫉妬なのか?


つづく・・・

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