第118話 118.ギルドカード作成は重労働

この世界にはやはりガラスという物は存在していないみたいで、家の窓は木製の開き戸で真ん中から両脇に開けるような窓だった。


普段は窓を両脇に開けているのだろう。

もう夕日は落ちて辺りは暗くなりかけているから、家の窓は殆ど占められているよう。

トレノアギルド本部の壁の表面は大きな石を切って積み上げ漆喰で繋いだ感じだ


馬を広場の木に繋ぎ案内役のハーマンさんに教えてもらった通り鉄貨5枚を駐馬場の管理人に渡し馬の世話をお願いする。

俺一人で来ていたらその辺の仕組みが全く解らなかったから大変だったと胸を撫でおろす。



両開きの重厚な門ももう日が暮れたという事で扉は締めているみたいだが、入り口の街灯は明かりが灯っているからまだやっているのだろう。


俺はそのトレノアギルドの両開きのドアを手で開け中に入ると、ギルド本部の中は沢山の人でごった返していた。

案内役のハーマンさんに教えてもらった通り3番の窓口に俺、女神様、レイラ、案内役のハーマンさんと並んで順番を待つ。

受付は異世界定番金髪青眼の可愛い美少女だべぇ~~!!定番は裏切らない!!

この時間ギルド会員登録をする物は少ないよう。

直ぐに俺達の順番が回って来た


ハーマンさん曰く3番の窓口はギルドカードに関する受付らしい

「今日はどのようなご用件でしょうか?」

「私達は他の街からやって来たのですがギルド会員登録を私、後ろのアルテナ、そしてその後ろのレイラの3人お願いしたいのですが」

「あら可愛いお嬢さんばかりじゃないですか~最近魔獣が強くなって男性でも大変みたいですけど大丈夫ですか?」

「はい大丈夫ですよ?ここに来るときジャロデットもいっぱい倒しましたし」

「またまた~冗談は止めて下さいよ。アレは軍隊が出て対応しても倒せない魔獣なんですよ~その意気込みだけは認めますけどね。ギルド会員登録ですね~ではこの用紙に記入してもらえますか~」


俺、女神様、レイラと横一列に並び用紙を受け取り書き始める


名前、年齢、出身地、得意な武器



へ~書く所はあんまし無いな

名前  レイ・ヤギリ

年齢  15

出身地 エデン

得意な武器 剣


こんな物かな

女神様は

名前  アルテナ・ヤギリ

年齢  15

出身地 エデン

得意な武器 弓


レイラは?

名前  レイラ

年齢  15

出身地 エデン

得意な武器 弓


おお~皆上手く書いてるジャン!!

受付嬢の綺麗なお姉さんに書いたものを渡すと・・

さ~っと見て

「はい大丈夫です」

そう言って書いた用紙を回収し、箱から出して来た金属製のカードを置いて・・・


なんと~


『カン』

『カン』

『カン』

『カン』

『カン』

・・・

ってタガネ?(昔の映画なんかで何か見たような)で金属製のカードに名前を掘りだしたんだよ~(;'∀')


/(^o^)\ナンジャコリャー


原始的に力技じゃねえかよ!!

あのラノベの世界のカードに血を垂らしてなんて思ってた俺は何だったんだ~/(^o^)\


「はぁ~」


「はぁ~」


「はぁ~」


お姉さん息切れしてんじゃん(;'∀')

正に重労働?


最後にハンマーを取り出して来て

金属カードを器具に挟んでその上から


『ガツン』


っとハンマーを振り下ろした受付嬢さん

器具から金属製のギルドカードを取り出すとトレノアギルドの紋章が綺麗に刻印されていた。

その出来上がったギルドカードを俺に差し出し


「はいこれがトレノアギルド会員証です。無くさないようにして下さいね。無くされますと再発行に大銀貨1枚かかりますのでご注意ください」


と言って俺に渡してくれる。

うんうん

解るよ!!

あれだけ重労働するんだったら、再発行料が大銀貨1枚掛かるって言うのも頷けるよ~


「おつかれさま~」


って俺は汗を拭ってギルドカードを渡してくれた綺麗なお姉さんについお礼を言っちゃったよ~

だって未だにはぁ~はぁ~息切れしてんだぜ?


そんな受付嬢さんはビックリして


「あ・・ありがとうごじゃんましゅ~」


って俺を見て真っ赤になってんだが・・・

俺何か悪い事でもしたのか?


「ご主人様~受付嬢さんを落としてどうするんですか~」

レイラがめちゃ不満そうな表情で俺を攻めて来る。

「むぅ~」

ヤバい!!

女神様もめちゃ不機嫌になってんじゃん!!

こういう時のチョコ頼み!!


『ぽいっ』


『ぽいっ』


っと例の某有名チョコレートメーカーのゴ〇ィバのチョコレートをレイラと女神様のお口に放り込む


「おいひぃ~」


『もぐもぐ』


女神様は何時も無口ですね~でも幸せそうに食べてるから大丈夫?のハズ!!

受付のお姉さん?

お口を開けてます?

何か欲しそうですね・・・


『ぽいっ』


あ・・思わず入れちゃった!!

『もぐもぐ』


「おおお・・・おいひいでしゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~が・がんばりましゅ~」


『カン』

『カン』

『カン』

『カン』

『カン』

・・・

『カン』

『カン』

『カン』

『カン』

『カン』

・・・


おお~めちゃめちゃ気合い入れてレイラと女神様のギルドカード作り出したじゃん

「はぁ~」


「はぁ~」


「はぁ~」


「レイラさん、アルテナさんギルドカードが出来ました~無くさないようにして下さいね。無くされますと再発行に大銀貨1枚かかりますのでご注意ください」

めちゃめちゃ息切れしながらギルドカード渡してんじゃん


「おねえさんお疲れ様~」


そう言って

息切れして、お口をぱくぱくしているお姉さんのお口に


『ぽいっ』


っとチョコを放り込む。


「うむぅ~~~おいひいでしゅ~~めちゃめちゃおいひいでしゅ~~こんな食べ物たべたことないでしゅ~~私の名前はお姉さんじゃ無くエイミーでしゅ~以後エイミーとお呼びくだしゃいましぇ~」


そう言った瞬間に受付嬢のお姉さんが俺の手を握って来る。

これって・・

俺このお姉さん、まさか餌付けしちゃった?


いままでふにゃ~っとなっていた受付嬢さんは急に改まったかと思うと

ギルドカードの説明を始めた。



「ではギルドカードの説明をしますね。

ギルドカードにはランクが有りギルドへの貢献度に伴ってランクが上がります。

ランクは7段階在りまして

★無しが駆け出し冒険者

★一つ星がランク1

★二つ星がランク2

★三つ星がランク3

★四つ星がランク4

★五つ星がランク5

★六つ星がランク6

★七つ星がランク7


貢献度は魔獣を倒しギルドに納品したり、ギルドの要求に応じスタンピード討伐などに参加する事でも上がります。

五つ星以上はトレノアギルド本部より年金が支給され老後も安泰ですよ?

城塞都市の宿やお店、食堂など一つ星以上のギルドカードを提示すればそれに応じた割引もされます。

それとトレノアギルド本部のギルド会員証は各城塞都市の入出時の許可証としても使用でき殆どの城塞都市の入出時の代金は不要になる所が多いです」



以上がトレノアギルド本部ギルドカードの説明です。

「凄い待遇ですね」

「それはこの世界が魔獣領域に脅かされているからです。強い魔獣を駆除できる冒険者は優遇されるのですよ」

「そういう事ですか」

「そういう事です」

「お姉さんありがとう」

「エイミーです」

そういって俺に抱き着いて来るんだが・・

「お姉さん?」

「エイミーです」

「お姉さん?皆さんが見られているんですが?」

「エイミーです。貴方が綺麗だからですよ?」


答えになってな~~~い!!

多分お姉さんがおれに抱き着いてるから注目されているって思うんだけど・・・

解ってるのお姉さん?


「エイミー、所でさ~このトレノアの城塞都市に来るまでにトレノアの草原で魔獣を倒したんだけど買い取ってもらえるのかな?」

「え?何も持たれていないようですが狩った獲物は何処に有るのでしょう?」


普通はそう来るよな・・

俺はお姉さんの頬とくっつくくらい顔を近づけて

「エイミー実はレイラの持っているポーチがダンジョン産のマジックポーチなんだよ。あの中に狩った魔獣が全部入っているんだ」


そう言った瞬間

「マジッ・・」


大声でマジックポーチと受付嬢のお姉さんが大声で叫ぼうとした為に、お姉さんの体を抱き締めてお姉さんの口を押えてしまう俺


『襲ってるんじゃ無いからね?』


「シー・それ言わない。ここでそれ言うと大変な事になるから」

「貴方達何者なんですか?」

「エデンから来た者です」

「エデンって聞いた事無いですね」

「『悪魔の森』に新しく出来た領地です」

「悪魔の・・・」

またまた大声で叫びそうになったお姉さんの口を俺は塞ぐのだった・・


つづく・・・

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