第113話 113.『豚寝る』ナンチャッテ~

俺達は・・・

助けたメルトナ商会のデズモンドさん達の商隊の馬車と別れた後

『収納』


『収納』


「止ま・・」

「ご主人様~何か収納しちゃいましたね」

「何かまた山賊みたいだよ?10人位で32台の商隊の馬車を襲おうなんて何考えてるんだろうね~」

「平和ですね~」

「あ~ん」

「ハイハイ女神様解っていますよ~」

そう言って俺はチョコレートの欠片を女神様のお口に献上しながら平和に?

まぁ~何回か山賊達を森ごと収納してしまったみたいだが大きな問題じゃないだろう?

そんな風に10メートル範囲の森を土ごと俺の異空間庫に収納しながら山道を進み険しい岩山に差し掛かって来た。


アネルド商会の会頭のレオンはそんな岩山を見上げながら

「城塞都市トレノアから西へ100キロ離れた城塞都市レイアードに行く旅路に中でこの岩山と『悪魔の森』周辺が難所なのですよ!!

『悪魔の森』は赤髭のゼクトの子分が道中の山城の子分達に商隊の通過を狼煙で知らせあって実働部隊である『黒森砦』の赤髭のゼクトが『悪魔の森』の周辺に待ち構え商隊を襲う場所として危険な場所ですし、この岩山は岩山を縫って岩盤を崩して作った細い道をウネウネと上り下りしなければなりません。

このメルローナ山脈は100キロ程続く一枚岩で、ここを迂回するとなると此処だけで200キロ程余計にかかってしまいます。

この岩山を超えれば城塞都市トレノアは5キロ程の草原をゆくだけですから着いたも同然です。

もうひと頑張りです。一気に通り抜けてしまいましょう」


そう言いながら皆に発破を掛ける。

なんかさ~テレビで見た昔のアフガニスタンの山岳道路の特集を思い出すような岩山を削って作った道を思い出すよ・・・

地球の世界みたいにコンクリートで補強されてればまだ安心できるけどさ~岩山をゴリゴリ削って岩山に溝を作った中を通るって感じなんだよ?

誰がこんな岩盤を掘り抜いたんだろうね~

まぁ~何千年もかければ掘れるとはおもうけど・・・


『異世界は忍耐だ~』


そう思わずにはいられないよ・・・


「みんな~もうひと頑張りだ~一気に登るぞ~」

そう言ってアネルド商会の会頭のレオンさんが先頭に立ち岩山を登ろうと進みだすが・・


「ちょっと待って下さい!!良い方法が有ります」


そうなんだよ~

収納する簡単なお仕事なんだよ!!


俺は一枚岩となった岩盤も10メートル四方を俺の異空間庫に収納しながら真っすぐに岩盤を進んでゆく

進んでゆくのはお馬さん


俺はお馬さんの背中に乗ったまま岩盤を収納するだけの簡単なお仕事


『収納』


『収納』


『収納』


・・・


そうブタが寝る場所ですね・・


『豚寝る《トンネル》』ナンチャッテ~


でもな~掘った岩盤どうしようか~

捨てる所が無いしな~


おお~!!

良い事思いついた~~

スライスチーズみたいに薄く切って領地に並べて城壁にすれば城壁錬成しなくて良いんじゃね?

俺の異空間庫から排出する時、厚さ50センチ程の厚さに岩盤を排出すればいいだけの魔力要らずの簡単お仕事

そう考えて切ると、今やっている事も無駄じゃないジャン~


「「な・・何ですか~~!!」」

ドウジャン商会の跡取りのパーシヴァルさんとアネルド商会の会頭のレオンの共鳴したような驚き~良いですね~


「タダの真っすぐな道ですが何か?」


うんうんタダの道だよ?ね?

「私の常識が崩れてゆく~」


あ~レオンさん?頭掻きむしってますけど頭の髪の毛禿げちゃいませんか?

禿げても責任持ちませんからね?


驚くドウジャン商会の跡取りのパーシヴァルさんとアネルド商会の会頭のレオンさん達を放っておいて俺達はお馬さんに乗ったまま1時間程で岩山の山脈の向こう側に出た!!


山腹にぽっかり空いた穴を出ると!!

そこは高台になっていて広大な平原が一望に見渡せる。

地球の景色で言うとイタリアのカトリックの巡礼地アッシジの丘から見える風景に似ている感じだ


そうして5キロ程向こうに高さ5メートル程の石積の城壁に囲まれた場所が見える

イタリアの丘の街オルビエートの街が城塞で囲まれた感じで中世の石作りの家々が立ち並んでいるようだ


「レイ殿あれが私達の住んで居るトレノアの城塞都市です。レイ殿が岩山をくり抜いて道を作ってくれたお陰で日が暮れるまでにはトレノアの街に入れそうですぞ!!急ぎましょう」


「ご主人様~トレノアの城塞都市が夕日に赤く染まって炎で燃えているみたいで綺麗です~本当に燃えれば良いのに!!」


最後めっちゃ感情こもってたぞレイラ・・・

やっぱりダナンの街を滅ぼしたトレノアの城塞都市は憎いのか?

俺はそんなレイラの体を後ろからそっと抱き締めるのだった・・


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る