第110話 110.どうしようもないジレンマ

「ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーー」


っと道端に避けた俺達の馬車の横を物凄いスピードで走り抜けてゆく『竜車』

60キロ近くは出てたな!!

この世界じゃ驚異的な速さだろう


走竜って初めて見たけど、あれは俺は要らないな!!

『カルカロドントサウルス』みたいな感じって言えば良い?

口は大きくって超~可愛くねぇ!!

間抜けな顔してるし


え?

俺の思考って、女神様に毒されて『可愛い』が基準になってるのか?

確かに!!

俺って女神様に言われて強制で2日に1度女神様と同じ服装を強いられてるけど、最近着る事に違和感ねぇし

下着何て可愛い物基準で作ってるし・・

着てるし・・・


なんかなぁ~なぁな感じで、最近着る物考えるの面倒で女神様と同じ制服作っちゃったし、女神様と同じ可愛い服と下着も一緒で良いんじゃね?

なんて思ってしまっているのは・・・(;'∀')


ヤバいぞ!!

自覚症状が無くなってきてるぞ!!


・・・・

領地に残したメイドさん達やレイラ以外全員俺を女の子だと思ってるし・・

俺のチラ見した下着に反応して下半身おっきくしてるし!!


まぁ~俺って男には興味ないから良いけどさ?

いくら俺に興味持たれても何とも思わないし


『ヤッパ~超~可愛い女の子が良いよな~毎回色んな手で俺を落とそうとハニートラップ仕掛けて来る超~美少女メイドさん達見てるともうドキドキ、あそこはびっこんびっこんしちゃうんだよ』


俺達は平たい平原を超え木々の生い茂る山道に入って来た

この辺の木々は高くても高さ20メートル

『悪魔の森』みたいに100メートルを超える木々が生茂ったような場所じゃない

やっぱりあの『悪魔の森』の辺りは異常だ!!


そんな事を考えながら山道に入った途端

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」

「シュッ」


商隊の馬車と馬車の御者を狙った突然の弓矢の攻撃

俺は一気に俺の異空間庫に収納


突然の事で、周りの木々まで一気に収納してしまったが誤差の範疇?

あ~


皆直径20メートルの範囲の木々が丸っと消えてミステリーサークルになっちゃったから口を大きく開けて固まっちゃった?

緊急事態だから許してもらおう!!


「き・・貴様ら~一体何をやった~!!」


げっ

汚い男達が弓や剣を構えたまま茂みから飛び出してきて大声で怒鳴り出してビックリ

数にして100人以上!!

飛び出して来た瞬間に、前面に50人以上の弓をつがえた男達が俺達の商隊の馬車に狙いを付けていた


『凄い練度だな』

全員戦い馴れているみたいだ!!

商隊の馬車が32台も連なっていて、護衛の数が少なければ当然狙われるよな~



商隊の皆は・・

あ~悲痛な表情をしていますね~

まぁ~100人以上の山賊に囲まれて弓を構えられていたら

「山賊さん~おいでませ~」

「そんなバカげた事を言ってられる状況なのかなじょうちゃんよ!!それより仲間を何処にやりあがったんだ?」

「仲間?悪い事をしたお仕置きに地獄にご招待されたんじゃ無いですかね~」

「めちゃめちゃ可愛い顔をして冗談がキツイゾ!!早く仲間を出すんだ」

「貴方達もよっぽど地獄に行きたいようですね~」


こいつらどうやって撃退してやろうか?

仲間が何人か俺の異空間庫に一緒に飲み込まれたっぽいな

俺達に最初に攻撃して来た奴の攻撃で商隊を混乱に陥れ、後ろに控えていた山賊本体が一気に商隊を殲滅し荷物を奪う?


そんな感じの作戦だったんじゃないのかな・・・

それが想定外の攻撃?で潰されたもんだから奴らも混乱してるっぽい?


「じょうちゃん俺達の弓矢の攻撃で穴だらけになりたく無かったら武器を捨ててこちらに歩いてきな!!全裸にひん剥いて俺達全員で最高の快感を味合わせてやるからよ」


「はぁ~それは私達を犯すって事で間違いないでしょうか?」

「良い勘してるじゃねぇか嬢ちゃん!!ヒーヒー言わしてやるよ。可愛いから一生俺の奴隷にやろう有難く思うんだな」


うをぉ~めちゃくちゃ腹立ってきた~

全員死ね~!!


俺はカァーっとなって思わず


『悪魔の森』で収納していた10メートル以上も有る巨大熊を奴らの前に排出

そんな巨大熊は突然現れた100人以上の山賊が武器や弓を構えているのを見て


「グヲーーーーーーーーーーーーーーー」

っと一吠えした瞬間


『ザシュー』


『ザシュー』


っと巨大熊の巨大な手で武器を構えて立っていた山賊達に向かって交互に薙ぎ払った。

すんげ~

2薙ぎやっただけで50人近くの山賊の体が爆散したじゃねえかよ!!

ヤバい!!


スプラッタじゃねえかよ・・

後の掃除がめちゃ面倒だな・・

こんなの解き放ったらめちゃヤバいジャン!!

『収納』

兎に角確保だ!!

後の山賊は・・


『火炎放射器~~』


やっぱ広い所の大人数相手の対人戦だったら『火炎放射の魔法って最高~』

20メートル以上も有るミステリーサークル作った時はどうしようって悩んでたけど、お陰で山賊達を一気に焼き尽くす事が出来てラッキーだったよ~


レイラ?

どうしちゃったの?

固まってるっぽい?


巨大熊の両手での薙ぎ払いで山賊の半分近くがスプラッタに爆散しちゃったのが衝撃だった?

凄いよな~あんな巨大熊の巨大な手が音速を超えて薙ぎ払われるとこうなっちゃうのか~


「レイラ?大丈夫か?」

俺が声を掛けた事で


「は・・ハイ・・最初何が起こったのか解りませんでしたが、あれは『悪魔の森』にいた巨大熊ですよね。

あれが10匹も要ればトレノアの城塞都市が壊滅出来ますね」

「やらないけどな?」

「やって欲しいのか?」

「正直やって欲しいですね」

「そうだよな・・ダナンの城塞都市を亡ぼしたところだからな。出来れば俺もトレノアの城塞都市を壊滅させたいのは山々なんだが、今のエデンの領地の状態じゃ厳しいな」


おれがそう言うと

「す・・すみません。私を助けてくれただけで有難かったのに、これ以上を望むのは欲張り過ぎですよね」

とレイラは少し悲しそうだ

「悪いな。俺達も今の時点で皆を危険に巻き込む訳にはいかないんだ」

「ハイ・・解ってはいるのですが・・・」

そんな風に言うレイラを見てムネキュンになつた俺は


『ギュッ』


っとレイラの体を後ろから抱き締めた。

そんなレイラは・・


後ろを振り向くなり


『俺のくちびるにレイラのくちびるを重ねて来る』


そんなレイラの自然な振る舞いに俺は対応出来ないで、レイラのされるままに・・・

それに

皆には解らないようにレイラの導きによっていつの間にか俺の手はレイラの下半身に持っていかれてる・・


『俺はレイラのまさかのその行動に頭が真っ白に・・・』



だってどうしたら良いか解らないじゃん!!

誰もこんな未来を予想なんて出来ないじゃん?

それにレイラの下半身に沈み込んだ俺の指に熱い体温が俺の指に伝わって・・・

俺の理性は制御不能に陥ってしまっているのだ・・


涙を溜めて必死で耐えている今のレイラを拒否なんて出来るはず無い・・・

この状況をどうしたら良いか解る奴が居れば今すぐに教えてくれ~~


・・・・


・・・・



レイラの為に何とかしてあげたい

してあげたいのだけれど・・

トレノアの城塞都市を壊滅出来ないジレンマに俺は行き場のないこの気持ちを飲み込むしか出来なかった。


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る