第91話 91.うんしっかりと嵌められましたね・・あの狸親父め!!

疲れた~

『本当に疲れた~』


ダンジョンを見つけて入ったのは良いけれど、2階層に繋がる通路で、まさかのトラップ

一瞬で女神様が居なくなった時は本当に気が動転して生きた心地がしなかった!!


あれから女神様もなんか汐らしいって言うか、俺にベッタリと寄り添っているんだ

女神様もトラップに引っかかって一人にされた時、恐怖に震えていたのかも?


俺も・・

女神様と離れていると、居なくなっちゃいそうで怖い

つい傍に置いておきたくなってしまう・・・

女神様が俺から離れると、なんか落ち着かないんだ。


しかし・・


俺と女神様の周りを眺めながら

この山賊との戦闘で俺が魔法を山賊との戦闘で大々的に使った事で畏怖の念?みたいな感じに変な感じになった雰囲気をなんとかしないとヤバいな・・・


そうして思いつくのは・・


『やっぱり食べる事しか思いつかない』


BBQ・・・

朝やっちゃったしな~


唐揚げ?

おお~良いかも~

ゴブリン大量祭りだったから、ゴブリンの肉めっちゃ確保しすぎてるからな

ゴブリンの肉って焼くと激マズなのに唐揚げにすると『えぐみ』が無くなってめっちゃ美味しくなるんだよな!!


それに!!

『悪魔の森』で採取してきた山菜で天ぷら


うん!!それでいこう~!!


って事で皆を集めて


『ゴブカラ』&『天ぷら』祭りだ~


準備を始めていると、次から次に俺達の周りに集まって・・

早速好奇心旺盛なアネルド商会の会頭のレオンさんなんて


「何か美味しそうな匂いがするのですがこれは何ですかな?」

と興味津々で覗き込んでくる

「あ~此れはゴブリンの肉を油で揚げたものですよ」


って言った瞬間凄く嫌そうな表情で

「あの激マズのゴブリンの肉ですか~?」

「あははっ、そういう反応になるんですね~」

「それもそうでしょ!!あの激マズのゴブリンですよ?使える所と言えば魔核位しか無い魔獣ですぞ」

「じゃ~試しに食べてみますか?」

と言ってレオンさんに取り皿に揚げたてのゴブカラを4個程乗せ木で錬成したフォークを刺してあげレオンさんに差し出す


「こ・・これは、あのゴブリンの肉みたいに不味くないです・・ヨネ?」


うんうん躊躇するよね~

この世界ではゴブリンの肉は激マズ認識だからな!!

レオンさんを見ているアネルド商会の使用人達も『本当に食べれるのか?』って感じの反応


俺は女神様にゴブカラを一個木串に刺して差し出すと、お口の中を火傷しないように


『もぐもく』


とめちゃめちゃ美味しそうに食べだした。

一番最初はお口の中に放り込んでお口の中を火傷しちゃったからな!!

今度は慎重に食べてるみたいだ。


それを見てレオンさんも恐る恐るゴブリンの唐揚げに被りつく


その瞬間


「うめぇ~~~~~なんじゃこりゃ~~」


「どうです?美味しいでしょ?」


「これはどうやって作るんじゃ?これは売れる!!直ぐに作り方を教えてくれ!!」

襲われるんじゃ無いかと思う位に俺に迫りながらも4個のゴブカラを一気に完食するレオンさん


教えろと言っても・・・

タダ油で揚げているだけだからな~

強いて言えば!!


『俺の錬成魔法で作り出した油だって事か!!』


げっ

これってめっちゃヤバいんじゃ?

あの激マズのゴブリンの肉がどうして揚げただけで美味しくなるのかなって不思議には思ってたんだけど、深くは考えなかったからな・・・


「製法は極秘なんですけど、私の作った油でゴブリンの肉を揚げただけなんですよ」

「その油の製法は教えてくれないのか?」


げっ・・

油の製法まで突っ込んで来るとは思わなかったから、それ以上言い訳を考えていなかった(;'∀')

どうする俺~

あ・・

この世界には魔道具が有るって言ってたな・・


「秘密にして欲しいんですけど、この油を作る魔道具が有るのですよ」

「おお~そんな物があるのですか、では是非売って頂きたい」

「それは無理ですよ~一個しかない魔道具をレオンさんに売ってしまったら私達がこの料理を出来なくなりますからね」

「そこを何とか売ってはもらえないか?」


結構食い下がって来るな・・

売れないもんは売れないんだ!!

だって俺の魔法なんだからな・・・

あ・・良い方法がある!!


「油を作る魔道具は何と言われてもお売りできません。だけど作った油ならこの1リットル入り油1本小銀貨1枚程度で売る事が出来ますよ?それに油は使って黒く変色しだすと味が落ちて多分ですが激マズのゴブリンの唐揚げが出来るようになります。

なので別途の話にはなりますが『クリーンの魔道具』を使えば使えなくなった油を再度新品にする事が出来ます。


『クリーンの魔道具』を使えばですね・・

例えばこんな商売が成り立ちます!!


先ず『ゴブカラ用油』を販売します。

この時『割符』を付けてその割符に一つ一つ番号を振っておくのです。

そうして販売する時に『ゴブカラ用油』は油が黒く変色しだすと激マズのゴブカラが出来ると宣伝し、その割符と使用済みの『ゴブカラ用油』を持ってきたら販売価格の2割程度で買い取るのです。

買い取った『ゴブカラ用油』は目減りしているのはしょうがない事ですが、それを集めて『クリーンの魔道具』を使えば新品の『ゴブカラ用油』が再生出来ます。


『クリーンの魔道具』の欠点も無い訳じゃ無いですよ?

直径1メートル以内の『ゴブカラ用油』しか新品に戻せませんし、使用回数1000回毎に魔道具で使用している魔核を交換しないといけません。


交換する魔核はゴブリンの魔核で大丈夫です。

そうすると、私から『ゴブカラ用油』はある程度購入しなければいけないでしょうが、ある程度の原価無しでの商売も夢では無くなる訳です!!


どうです?素晴らしいとは思いませんか?」


「おおお~~それは凄い!!最高じゃ無いか!!所で『クリーンの魔道具』は幾らするんだ?」

「金貨1000枚でどうでしょうか?」

「な・・なんと金貨1000枚・・やっぱりするよな・・魔道具だものな。それも今まで見た事も聞いた事も無い『クリーンの魔道具』だと金貨1万枚でも不思議じゃ無いか・・・

今はお金が無いんだ。

レイ殿にお願いしているポーション10本以外の商品が売れてから後払いで販売代金の半額納入という契約ではどうだろうか?」


「あ~それで大丈夫ですよ」

「おお~そうかそうか、では今度此処に商談にくる時に販売代金の半額を持参するようにしようではないか」

「契約成立ですね」


ってレオンさんと契約書を交わしたんだけど・・・

『販売代金の半額?』


うんしっかりと嵌められましたね・・あの狸親父め!!

つまり『クリーンの魔道具』が金貨1000枚ならば、金貨500枚を俺に収めれば良いって事

『ゴブカラ用油』をレオンさんが幾らで販売するかって事だが1リットル小銀貨1枚で販売すると俺の儲けは1本鉄貨5枚が入って来るって事

まぁ~俺の魔力で全部作った物だから、全部タダみたいな物

そう考えると俺ぼったくってるって事なのかも~~


そう考えると俺めっちゃ悪者に思えて来る

『内緒だ内緒~』


って感じでへんな所で商談成立してしまったが、その後は

みんな集まって


『唐揚げ祭りだ』


レオンさん達はお酒を出してきて唐揚げを魚に宴会を始めてしまっている。

「レイ殿~~今日は良い商談が出来た事だし貴方も飲もう~~」

とグイグイ迫られ酒の入ったコップを渡されたが・・・


「うえっ」


激マズで体の中が一瞬で熱くなり思わず吐きそうになってしまう俺

異世界の酒って酔えるだけで、激マズなのか~~?


俺が飲んだと言えば・・・

お正月に呑んだ


『お神酒』


それに


『缶ビール』


それと


親戚がフランスに行った時に狩ったという


『赤ワイン』

あのワインは美味しかった!!

結構高かったんだぞって自慢していた。

フランスの酒蔵巡りで試飲させてもらった時に買ったらしい・・・


それと直接飲んだ訳じゃ無いけど


『ウイスキーボンボン』


あれも確かにお酒が入っているよな・・・

そう考えると俺も結構色んな場面でお酒を飲んでいる?事になるのだろうか?

でもお酒が不味いって思った事は無い!!

缶ビールだって、めっちゃ暑い時に飲むとめっちゃ美味しいって感じたし!!


そう考えると、この世界のお酒はめっちゃ不味い!!

ハッキリ言って


『激マズ!!』


俺は試しに『ウイスキーボンボン』のお酒の味を頼りにお酒を錬成し

瓶も適当なお酒のボトルを思い出し錬成しておいた



そして

「レオンさんお返しに良い物をプレゼントしますよ」

と言って、その錬成したブランデーの入った小瓶を差し出した。


「これは?」

「開けて見れば解りますよ?」

と言ったのでレオンさんが瓶の蓋を・・って思ったが、この世界には捩じるような蓋は存在していない為に空けれない。

俺が開けると臭いで解ったようだ

「おお~良い香りのする酒では無いか~飲んでも良いのか?」

「ハイどうぞ」


と俺がカットクラスに氷を錬成して渡すと、早速ブランデーを渡した氷入りのグラスに注ぎ一口


「なんじゃこりゃ~うめぇ~~~これは他にも有るのか?有るよな?売ってくれるよな?」

って事でまた秘密が増えたのであった・・・


つづく・・・・

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