第69話 69.この異世界には魔法が存在していなかった

アネルド商会の会頭レオンさんに集めて貰った怪我をした人達を、俺が『ヒール』の魔法で全員を一気に治療した事で解った新事実!!


『この異世界には魔法という物が存在しない』


そう地球と同じように魔法は存在していなかった・・・・


「魔法とはですね、レオンさんが言っていたダンジョンから稀にドロップするという『治療の魔道具』と同じような事を私が自分の力で起こせるという事ですよ。それを私は魔法と呼んで居ます」


「そんな事は聞いた事が有りませんよ」

「この草原の奥で小さな時から暮らして普通に魔法を使えていましたから、それを魔法と言うしかありませんね。

ポーションの事も有りますし、私の領地へ一旦来ませんか?」


『嘘ですが・・本当の事は言える訳無いじゃん!!』


「領地と言いますと?」

「向こうに高い塔が見えませんか?」

「何ですか~アレは・・お・・・お・・お・・・お城ではないですか~~半年前此処を通った時にはあんな建物なんて有りませんでしたぞ!!」


『その通りですね!!今日俺が一気に錬成しちゃったからな!!』


「草が生茂っていますから気づかなかったのでしょう。」

「そうかも・・しれませんね・・ではご厄介になります」


あ・・女神様と駄犬の事、忘れてたよ・・

うをぉ~

男達よ!!何女神様の純白のパンツに視線が集中してんの~!!

ヤバい!!

男達が嫌らしい目で見てんじゃん

お?

でも駄犬の威圧に恐れてチラ見してるっぽい?

一応紹介しておくか?

あれ?俺も名乗っていなかったな・・・


「私も名乗っていませんでしたね。この向こうの領地エデンの領主のレイ・ヤギリ

そして従魔のフェンリルのフェンとフェンの背中に乗ってるのはアルテナです」


「凄い戦闘力で普通じゃないとは思っていましたが、聖獣のフェンリルでしたか、それにお・・お嬢様もお綺麗な方でびっくりしました・・(;'∀')」


今!!

見たよね?

女神様のおパンツ一瞬凝視して股間を反応させたよね?

まぁ・・駄犬の威圧に怯えて視線を逸らした事は褒めてやろうじゃないか!!


案内すると言っても・・・

この薮じゃな・・

俺達空を飛んできたもんな~


(ウィンドカッター)


と心の中で唱えると、目の前の背丈の何倍もある藪が切り裂かれ、城壁とお城の全貌が露になった。


「おおおおお~なんと素晴らしい~」

「この世の物とは思えない素晴らしい建物です」

「あれは本当に天国じゃないのか?」

・・・

切り開かれただけの草原では、馬車は進めない!!

俺は城壁までの道を一気に錬成


『あ~遣らかしちゃってますね~驚いて声も出ないか~この世界には魔法なんていう物は無いもんな~』

驚いている間にもう一仕事!!

散らばっている魔獣の死骸と犠牲者の体を俺の異空間庫に一気に収納

「何だ何だ?周りの魔獣の死体が一気に消えたぞ!!」

「まさか・・」


うんうん、もう何でも有りだね・・・諦めてもらおう!!


駄犬と駄犬に乗った女神様を先頭に1キロ先のエデンの城壁まで隊列を組んで歩いてきたが・・

「入り口は何処でしょうか?」


うんうん良い質問だよ君~

その質問に答えようでは無いか!!

『すみませんでした~~入り口を作るの忘れてました~~<m(__)m>』

俺達は領域拡張する為、空中を飛行して出入りしていたから、入り口を作るのをしっかりと忘れていた・・・

唯一森に行く通路の所に一か所で入り口が有るだけだ!!


『ヤッチマッタ~~/(^o^)\ナンテコッタイ』


「こっち側の入り口は作っていなかったので今から作りますね~」


そう言った俺は速攻で城壁を変形させ門の形にくり抜き、鉄の両開きの門を錬成


「・・・」

「・・・」


うんうん君達の言いたい事は解るよ~うん痛い程解る

俺だって地球に住んでいた常識から考えると、めちゃめちゃ非常識って自覚してるんだからね?

うちの駄犬と女神様はもうそんな状況に馴れきっているみたいですか・・・


門を潜ると・・

左前方に巨大なシンデレ〇城が見えている。

そしてその向かい側には可愛い屋根の建物が20戸程立ち並んでいるのが見える。


「う・・美しい~」

「・・・・」

「・・・・」


「じゃ~いきましょうか!!」

俺は即時に可愛い屋根の建物の近くに馬用の水飲み場、駐馬場を素早く設置

そして刈り取った草原の草を馬の餌として出しておく


『だって着いてから、そんな物を目の前で錬成していたら、ビックリされてしまうと思ったから』


・・・


・・・

やっとシンデレ〇城の前に着いた俺達と商隊の馬車

20台以上馬車が連なって来ると壮観だ!!

今までは

俺と女神様だけで、最初は10メートル四方の真四角な一階建ての建物1つだったんだからな・・


俺はアネルド商会の会頭のレオン・アネルドさんに

「馬車はあの駐馬場を使ってください。水飲み場はあの湖ですから自由に使っても良いですよ。商隊の方々が宿泊される所はあの可愛い屋根の建物が20戸は有りますのでそれも自由に使ってもらってかまいません」


「あの家には誰も住んで居ないのですか?」

「この領地は私とアルテナと従魔のフェンしか住んで居ません。あの建物は旅人がもしも来た時にと建てた建物ですのでお気になさらず

其方の準備も有るでしょうから商隊の肩に早めに割り振られた方が宜しいかと思います」

「じゃ~有難く使わせて頂きます」


アネルド商会の会頭のレオン・アネルドさんは早速20戸の建物の割り振りを商隊の使用人や護衛の男女に振り分けている。


あの魔獣の襲撃で結構な人が亡くなったみたいだったけど、何人位亡くなったのかな?

ちょっと聞くのが怖いんだけど・・・


つづく・・・

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