第55話 55.解っていても、それ以上突っ込まない方が良い時も有るんだよ?
今日一日、適度に傷つけ弱らせた魔獣に肉食花の抽出液を試す為に藪となった草原を伐採し続けたが、威力を調整しきれず藪の中に隠れていた魔獣を全部真っ二つにしてしまい、余計に灼けになって藪を伐採し城壁を錬成し続け気づいた時には2キロ四方の城壁に囲まれた領地となってしまっていた。
「疲れた~めちゃめちゃ疲れた~」
「お疲れ様~今日も魔獣の肉大量でしたね」
女神様は・・・もしかして・・
『最近食べる事しか考えて無いんじゃ無いですか?』
何か・・涎・・垂れてませんか?
口元が・・少し光ってる感じがするんですけど~
聞いて見たいが・・・怖くて聞けねぇ~
『好奇心は猫をも殺す』
って言うじゃん?
解っていても、それ以上突っ込まない方が良い時も有るんだよ?
確かにさ~ぶつ切りになった魔獣ばかりが俺の異空間庫に増えちゃったんだよな~
『解体魔法』を創造した事で部位の切り出しも何とか出来るようになったから・・
『唐揚げ』
とか
『ミンチ肉にしてハンバーグ』
とかにして食べても良いかもな!!
って俺も女神様に言えた義理じゃないっか・・・
直ぐに食べ物の方に思考が向いてしまっているのは本能?
でもな~
魔獣肉ばかりじゃな~
野菜も食べたいな~
今、野菜で錬成出来れるのはジャガイモとトマト位だもんな・・・
この世界にも地球の野菜と同じ物は有るのかな?
有っても、毒とか有ったら嫌だな・・
異世界産トマトを食べた途端にあの世行きなんて嫌だからな!!
「アルテナ、今日は期待しているみたいだから、唐揚げにしよう。楽しみにしていてくれ」
俺がそう言った途端に
「ジュルリ~」
と女神様が涎を思わず流しそうになって飲み込む音がする。
こんな時は突っ込まないぞ!!
これはフラグだ!!
帰りは女神様と並んで飛行魔法で家に帰る為に空中に飛び上がると城壁で囲った領域が一日でめちゃ広がった感じだ。
「今日一日で結構広がったな」
「広がりましたね~明日は此れの数倍は行くでしょうか?」
女神様に言われるまで考えても無かったよ!!
今日と同じ位明日も広げられたとしたら4キロ四方が城壁で囲まれる感じなのか!!
スンゲ~~異世界!!
そういや、この世界全域が魔獣の領域の為、城壁で囲った土地が自分の領地になるって女神様言ってたな
『こんな事、東京でやったら即捕まるな』
しかし2キロ四方に領域が広がったけど、有るのは俺達の住んでいる建物と森の中の泉から水を引いて来た貯水池だけって言うのも寂しいな・・・
「建物が俺達の住んでいる家だけって言うのも寂しい気がするな」
「レイは私と2人だけじゃ嫌・・・ですか?」
げっ
女神様それマジで言ってますか?
それが本気なら俺!!
めちゃめちゃ嬉しいんですけど!!
その内・・ぐへっ
イカン!!
イカン!!
イケナイ妄想が~~~!!
俺としては此れからドンドンと広がる城壁で囲まれた領地をいずれは街に発展させたいんだけど・・
女神様が折角
『レイは私と2人だけじゃ嫌・・・ですか?』
って言ってくれたから・・
女神様は俺と2人だけでも良いって多分思ってくれていると思う!!
だから差しさわりの無いように言わなきゃな・・
と考えて・・
「アルテナと2人で居れるだけで幸せだよ?でももし此処にお客さんとか来た時にその人達の為が泊まれる建物も欲しいかなって思ってさ~」
う・・上手く・・
上手く言えたかな?
女神様不機嫌になって無いよね?
「言われてみればそうよね。段々と城壁で囲った領域が増えて来るんだから、此処に来る人達もいるかもしれませんね。
その人達が泊まれる所は必要ですね」
「アルテナもそう思うだろ?」
「そう思います。でも私のお世話はして下さいね?」
え?
女神様?
心配する所は其処ですか~~~?
まさか、チョコレートが食べれなくなると困る?なんて思っていませんよね?
「はい、一生お仕えさせて頂きます」
「解っていれば良いのです」
女神様?
ツンデレ?じゃ無いですよね?
つづく・・・・
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