第26話 26.例のキノコは激ヤバでした!!異世界恐ぇ~~!!

10メートルを超す巨大な熊の魔獣

ミスリルの剣で思いっきり切っても深さ5センチ位の浅く切断するのが精一杯だ!!

ぶ厚い脂肪に阻まれ到底致命傷なんて与えられるハズも無い・・


絶体絶命!!

女神様を抱えて守りながらの戦闘ではどうする事も出来ない!!


『どうすりゃ良いんだ?』


背筋から冷たい汗が噴き出してくる


『どうする?』


『どうしたらいい?』


『女神様を抱えたままじゃ逃げることも出来ない』



『何か無いか?』


『この状況を覆す何か・・・』


俺がミスリルの剣を巨大な熊の顔に向け突き出して牽制しながら睨みつけているせいか、俺と熊の睨み合いが続いている。


さっき俺に切られた傷が痛むのか?

これだけ大きいとこの熊に怪我を負わせられる魔獣なんて皆無だったのかもしれない


『もしかして・・俺が初めてこの熊に怪我らしい怪我をさせる事が出来たのかも?』


腹が減っている?

これだけの巨体だから、この森の中で動きが制限されて中々狩りが出来ないんじゃ?



・・・


狩った魔獣を出して、その間に飛行魔法で高い木の上に退避したら?


魔獣の死体を餌にして上手くすれば逃げれるかも!!

あ~


それだったら!!


魔獣の死体に、あのキノコを解らないようにマゼマゼしてあの熊に食べさせてみれば

あのキノコが食べられるかどうかの判断つくんじゃね?



めちゃ良い考えジャン~

おおぉ~俺って天才じゃね?


「アルテナさっき草原で狩った魔獣の死体に採取した美味しそうなキノコを混ぜてあの熊に喰わせてみて、何も無いようならあのキノコが食べれるかどうか解るんじゃないかな?

魔獣の肉に熊気を取られている間に最初この世界に来た時のように高い木の上に退避しよう」


「そ・・それ・・うまくゆくのでしょうか?」

「ダメだったら戦うまでさ」

「そ・・・そうですね。やってみる価値は有りそうですね」


上手くいくかどうかは解らないが・・

2つに頭と胴体が無き別れした2メートル以上あるシルバーウルフの死体の中に採取した美味しそうなキノコを混ぜ10メートル以上もある熊の前に排出!!




一瞬熊の瞳が俺の異空間倉庫から排出した2メートル以上あるシルバーウルフの肉塊を見た!!

それは一瞬!!



でも!!

俺はそれを見逃さなかった!!

俺は女神様を抱えたまま100メートル以上ある木の上に一気に飛翔し木の上に退避




くくくっ~やったぜ俺~~!!

『今日の俺の行動を褒めてやりたい!!』


木の下では


「グをーーーーーーーーーーー」

「ぎゃおーーーーーーーーーー」


って木上から見下ろす俺達を悔しそうに吠えながら手を振り回し威嚇している。

だが!!

腹が減ってるのが先なようで、俺の排出した2メートル以上も有るシルバーウルフ(美味しそうだったキノコをフンダンに投入)の肉に被りついて一心不乱にシルバーウルフの肉をガッツイテ食べだした。


嫌な予感がするんだが・・

10メートル以上も有る巨大熊が食料なんてめちゃくちゃ有りそうなこの深い森の中で腹を空かせているって事はだよ?


『眼下で無心にお食事中の熊さんはこの森では弱い方なんじゃ?』


なんて怖い考えが浮かんだんだが・・・・

これってフラグが立ったっちゃったんじゃね?


本当に考えるの止そう!!

『確実にそうなるようで怖い』

っていうか!!


あの10メートルを超える巨体を持った巨大熊が飢える位だから、考えなくっても確実にそうなんだろう。



「それにしても上手そうに食べてるな~」

「美味しそうですね~あれ見てるとこっちまでお腹減っちゃいます」


生身の身体を持っちゃった女神様も食べ物の魅力に嵌まり込みましたかねぇ~

毎回餌付けしてるし・・・


「チョコレート食べる?」


一応チョコレートを出して女神様に聞いてみる俺


あざとい?

とは思いながらも、これは戦略だ!!


「うん、食べる」

って手を突き出してくる女神様の手に数個のチョコレートを献上すると速攻で口に放り込む女神様


ダメだこりゃ~

『渡しただけ全部口に放り込んでいるじゃん~』


頬っぺたをリスのように膨らまして食べる姿を見ているとほっこりしてしまうぜ!!

今度から渡す時は一個づつにしよう!!

有るだけ全部食べるって、どんだけチョコレート好きになっちゃったんだよ?

まぁ俺の餌付けが着実に功をそうしてるって事でも有るから喜ぶべき事なんだろうけどさ




女神様がチョコレートを口の中に放り込んでリスのように頬を膨らませた姿をほっこりと見ていたら



「ぐぎゃーーーーー」



っとひと際大きな悲鳴が森の中に木霊した。

獣の悲鳴が聞こえた方向を見ると


『シルバーウルフの肉を食べていた巨大熊が口から大量の泡を吹いて倒れているのが見えた』


俺は速攻で女神様を抱えたままで巨大熊の食事現場に降り立って


手に持ったミスリルの剣で


『ツン』


『ツン』


『ツン』



っと突っついてみるが反応が無い!!

息もしていないみたいだ


試しに、ミスリルの剣を倒れている巨大熊に目掛け力いっぱい



「ズサッ」


っと突き刺す。

ミスリルの剣が20センチ程度熊の体に刺さったが全然動かない。


『シルバーウルフのミンチキノコ和え』お食事によりお亡くなりになったみたいだ!!

ってコレ~毒殺事件だよね?

『森のくまさん毒殺事件発生!!』

毒殺茸を盛られて死亡

勝手に毒殺茸って命名しちゃったよ・・・

あの量でこの巨体を毒殺出来るってめちゃ凄いんじゃね?

俺達だったら一瞬であの世行きだつたんじゃ?


もしもあのキノコを帰ってから料理して食べていたらこの熊さんのように俺達はなっていたって事だ!!


「恐ぇ~~異世界恐ぇ~~~マジ恐ぇ~~ぞ!!」


つづく・・・

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