第15話 15.先ずは安全確保しないと

地球の世界でも、害獣の被害が増えているらしい。

田舎などでは、高齢者人口が増え若い人が減りお年寄りだけがいる地域が増え、山や畑を管理できずに放置する所が増えているらしい。


昔は杉の木1本が何十万としていたと聞いた事があるけれど、今は大根1本よりも安い?なんて冗談みたいな本当の話を聞くと、確かに労働力に見合うお金が取れない為に必然的にそうなってしまうのだろう。


老齢化により、体力的に農地を管理出来なくなってきているって事だ。

機械化すれば良いじゃないって言われそうだが!!


トラクター1台買うにしても車と同じ位の金額がかかってしまうのだ。

それで故障でもしたら、高額の修理費が必要で安い野菜を作っていては割に合わないらしい。


土地が荒れると何故害獣が増えるのか?


それはか弱い野生の害獣にとって隠れる場所が増える。

例えば土地が荒れれば、野ネズミや蛇、野兎、イタチなどの小動物が増えそれを食べる野生の害獣が増え続ける。


『風が吹けば桶屋が儲かる』


そんな諺どおり の連鎖結果がそうなってくる。

って事で今現状俺と女神様が居る草原が正にその状態なのだ!!

害獣なら良いんだが・・隠れて俺達を美味しくいただこうと狙っている魔獣だからな(;'∀')💦

顔を合わせて

『こんにちわ^怖いからまたねぇ~』

では済まないのだ!!

俺達は魔獣にとって、美味しそうな匂いを振り撒いて

『魔獣さん~魔獣さん~私達を美味しく食べて~♡』

と魔獣に魅了を振り撒き続けている超~~高級食材となつている?と思われるんだが・・・


異世界に来て間もないのに魔獣の餌になるのは勘弁して欲しい!!


地平線の向こうまで何処までも続く背丈以上に伸びた草原

視界を遮る野生の草々に阻まれ、絶好の襲撃ポイントとなっている。


豚鼻の体長3メートル以上も有る魔獣でさえ、少し離れてしまえば背丈以上に伸びた草々により俺達からは見えなくなってしまうのだ!!


魔獣の不意の襲撃を防ぐ為には、まずこの壮大な草原に背丈以上に生えている草原をある程度刈り取って、魔獣が隠れる場所が無いようにすれば良い!!



『日本の農地でも害獣の被害を避ける為の方法として、そういう方法が取られているのは余り知られていない情報だ』



先ずは今俺達が居る場所から200メートル四方の草を刈り取り、草陰からの奇襲を避けれるように広く見渡せる場所の確保!!


「エアカッター」


「エアカッター」


「エアカッター」


「エアカッター」


「エアカッター」


「エアカッター」


「エアカッター」


・・・・


今居る所から全方向に向かって魔力多めに込めた風魔法で草原の草を一掃

魔力を込めたエアカッターで500メートル四方の背丈以上に伸びた草が一気に刈り取られたぞ!!


「うをぉ~~!!めちゃめちゃ魔獣が倒れてるじゃん、あんなにも魔獣が隠れてたの~~~!!」



300匹以上の魔獣が体を切り刻まれて倒れてるじゃんよぉ!!

「これ魔獣多すぎるんじゃないか?」


「私も何とかしようとは思っていたのですが、増えた魔獣の影響で人々の生存圏が次第に奪われ文明が発展しないのです」


「まぁ~神様は直接この世界に干渉しちゃいけないって縛りがあるもんな・・・ある意味住む人間達が対応しなきゃいけないって事なんだろうな。

でもこれだけ魔獣が増えたら正直どうにか出来る範囲をとうに超えている感じだぞ」


「はい、なのでバルス神、ジェイド神、ドリス神、ドニアス神達の他の世界を参考にすればこの世界を発展させれるかもという甘い言葉に乗って他の世界を見に行ったのですが・・・」


「罠だったと?」


「はい。その後の事はレイが遭遇した通りです」


「ハッキリ言って、こんなに魔獣が居たら、発展するどころじゃ無く、人類存続の危機だな。兎に角血の匂いで魔獣が集まる前に魔獣の死体を片付けよう」


そう言って一面に倒れている魔獣の死体を異空間倉庫に格納し、折角草を刈った500メートル四方の内、俺達の居る100メートル四方を土魔法で高さ4メートル、厚さ30センチの土壁を徐々に作成してゆく。


俺が地面に手を付き、魔力を込め始めると100メートル向こうの場所から地面が次第に隆起し始め壁状の土壁が地面から次第に伸びて来る。


ドンドンと土壁が


1メートルの高さに


2メートルの高さに


3メートルの高さに


そして4メートルの高さに、俺達の周り100メートル四方を囲ってゆく。


「うをぉ~めちゃめちゃキツイぞ~~!!」

流石に500メートル四方の草刈りをし、その後100メートル四方を土壁で囲む作業

俺はマタマタ魔力切れで倒れるのだった。


つづく・・・・

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