『アッパキャラマオゆゆんば』

さくらぎ(仮名)

ゑ゜20211007

どうしても働きたくないから早く死にたいけど身体が生きようとしているので人間の身体がよくできているというのは絶対に嘘で、怒られることと暴力は俺の中でセットになっていて、だから簡単に人を信用できる人が羨ましくて怖くて、でも人は信用してもらえないと勝手に傷付いて勝手に嫌いになる身勝手な生き物で、だから人間なんか信用できなくて、本気でバイトを始めようとした八月からもう一ヶ月半が経っていて、女性恐怖症も対人恐怖症も電話恐怖症もみんな克服しないといけないらしくて、それをしないということは甘えらしくて、逃げらしくて、でも普通ってなんなんやろ〜とかしょうもないことをずっと考えていて、考えてもしゃーないことを延々と考えていて、永久機関はここにあったんじゃないかとかまたこれもしょーもないことで、克服したらしたでまた違う感じのしょーもない人生が待ってそうで、それがすごい怖いから俺は行動を起こすのがいつも遅くて、今日も今もまた昨日と同じように親の脛をかじりながら自分が勝手に自室にしてそう呼んでいる部屋のすのこベッドに寝転びながら漫画を読んで、読み終わったからこれを書いていて、俺なにやっとんやろ〜とか思っていて、外はめっちゃ明るくて天気が良くて、鳥が鳴いていて、弟はちゃんと自分のやるべきことをやっているらしくて、ちゃんと大学の授業をリモートで受けてバイトにも行ってつい最近合宿免許からちゃんと結果を出して帰ってきて、今も部屋で何かやっているらしくて、少なくとも俺からはそういう風に見えていて、母親も朝から仕事で、つまり今この家には俺と弟の二人しかいなくて、おれはベッドに寝転びながらこれを書いていて、書きながらこんなはずじゃなかったのにな〜とか思っていて、あの頃に戻りたいな〜とか高2の6月から人生やり直したいな〜とかこれまたしょーもないことを考えていて、もう疲れていて、これを書くのももう疲れていて、考えることに疲れていて、芥川龍之介が羨ましくて、でも身体は生きようとしていて、痛みも苦しみもない自殺をするにはどうすればいいかを真剣に考えていて、でもこれも結局しょうもないことで、外からは車が走る音と女の人の悲鳴が聞こえてきて、生きていれば何かいいことがあるとか助けてくれる人や受け止めて受け入れてくれる人がどこかにきっといるとかそんなんみんな自分のことで精一杯やのにそんな人おるわけないやんしかも赤の他人やでアホちゃうかとか思っていて、でもそれは実際外に出てみないと分からんくて、それやのに全然動けん俺は家族と友達以外の人間をまったく信用していなくて、どうせ無理とか思っていて、今まで何回も結局無理やったんやからどうせ無理とか思っていて、流行りの曲と流行りの小説と流行りの漫画と流行りのアニメが死ぬほど嫌いで、なんか洗脳みたいで気持ち悪くて、今まで一回も長期のバイトをしたことがなくて、俺がやりたい仕事はなくて、一回でも怒られたらもう二度と立ち直れんくなりそうになるのが怖くて、それは想像するだけで怖くて、だから動けんくて、それも甘えらしくて、当然お金はなくて、でも買いたい本は大量にあって、一人暮らしもしたくて、年金も奨学金もちゃんと支払いたくて、生きるのが苦痛な何十年より地獄に落ちてからの無限の方が怖くて、それはあるかないか分からんから余計怖くて、でも怒られるのは怖くて、暴力とセットになっていて、トラウマになっていて、もう全部こわくて、大学も中退していて、このままどんどん無駄に歳を重ねていって、生きるのが恥ずかしくなって、まだ若いんやからとか言われて、でも俺はもう自分では若くないと思っていて、もう手遅れやと思っていて、それがしんどくて、十代に戻りたいとか思っていて、生まれてもたんやから楽しく生きなしゃーないやんとかそういうのを何かで読んで、そうかなぁとか思って、また考えてもしゃーないしょーもないことを考えていて、外は明るくて、晴れていて、赤の他人が助けてくれる時期はもう終わってしまっていて、これから先の人生がこれまで生きてきた二十三年の四倍ぐらいあるらしいことがもうほんまにしんどくて、そんなに長いことみんなみたいに上手く生きれる自信なんかあるわけなくて、言い忘れとったけどこれはフィクションで、実在の人物や団体その他諸々とは関係なくて、もう疲れた。むんぎー。

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『アッパキャラマオゆゆんば』 さくらぎ(仮名) @sakuragi_43

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