第20話 女子って怖ぇ〜
安心して眠れそうだ……と言ったが、結局また2人の間に挟まる形で寝ることになってしまった。
当然眠れるわけがない。
咲は疲れ切ってしまったのか、前とは違って俺の耳元で話しかけてこないでスヤスヤと眠っていた。
ただ、前回と違うのはやたらとエロい声を出してくること。
寝返りだけでなく、普通に寝ているときでも頻繁に声を出してくるため、俺は必死に抑えていた。
『今日の咲さんはどうしたんでしょうか?』
「さ、さあ? そんなことよりも、この声永遠と聞かされるはやめてほしいんだよな。俺の中で何かが暴走しそうだから……」
『ゆーまくんはエッチ思考ですもんね。メリーにはわかります!』
「べ、別にそんなわけじゃないからな!?」
メリーはくすくすと意地悪い笑いをしながらそう言って、俺は慌てて手を振って否定した。
別に思春期の男子なんだから仕方ないだろ……。
この年頃はみんなやりたいさかいなんだから。
女子はどうなのかは知らないけど、多分そうだろう。
ここでちょっと俺の話に付き合ってもらおう。
周りの話を聞いていると、たまに陽キャ女子達の口から結構下のネタが飛んできたりする。
内容的には男子の下のネタより、さらに生々しいネタだ。
男子ならほとんどが妄想から来ていて、あの子としたいなあとかそんなものだが、女子の場合は現実味がある話だ。
俺がそれを聞いて最初に驚いたのは、ある昼休みの時。
1人で細々と昼飯を食べている俺の隣に群がっている5人位の陽キャ女子達の会話が教室内に響いている中、突然小声でコソコソと何かを語り始めた。
学校では影が薄い俺の存在には気づいていないらしく、俺にはガッツリ聞こえるような音量で女子たちの下のトークを始めたのだ。
女子もそういう話するのかと思っていると、1人の女子がこう言い放った。
「そういえばさあ、昨日彼氏に誘われてしたんだあ」
「ええ〜! どうだったの? 彼氏の大きかった?」
「ううん、あの体の割には思ったより小さくてさあ、本人は結構満足してたみたいだけど、うちは全然満足出来なかったよ。これだったら前の彼氏のほうが大きくていいサイズだったなあ……。やっぱり起ったときに大きい方が気持ちよくていけるじゃない?」
「「「「分かるぅ〜」」」」
俺は思わず口に入れていた食べ物を全部吹き出しそうになってしまった。
昼飯を食べている人の傍でそんな生々しい話を聞かされたらそうなるに決まっている。
この時俺は1つの答えと新たな知識を学んだ。
それは……女子のほうが男子より圧倒的に経験者が多く、男子より性欲が強いということ。
だから、昨日の咲もそうなのかもしれないと思った。
咲だって思春期真っ只中の女子だ。
もしかしたら、家の中で1人欲満たしのために自らしているかも知れない……。
「って考えたら、咲も普通の女の子……なんだろうな」
『さっきからブツブツと何を言っているんですか?』
「――――いや、何でもない」
『んー? あっ! ゆーまくんがエッチなこと考えてます! 今まさにゆーまくんの魂がピンク色に染まっています!』
「なっ!? べ、別にそんなこと考えてねーし!?」
『ふっふっふ……。わたしは幽霊。人の魂は正直に反応してくれますから嘘など簡単に見抜けてしまうのです! なので、ゆーまくんは今、すごいエッチなこと考えてますね』
「や、やめろメリー! 俺の考えを読むなあ!」
くそ!
メリーには嘘をつけないのが唯一彼女の嫌なところだ。
でも、その能力(?)のお陰で意外に助かったりもしているから恨めないんだよな。
「ふっ……んっ……」
そんな中、咲はまだ寝返りを打つたびにエロい声を出し続けていた。
寝返りで服がはだけてしまってお腹がちらりと見えている彼女の寝姿を見ていると……。
「――――ちょっとトイレ行って来る」
『もしかして……興奮しちゃったんですか?』
「違うわ! 普通にトイレをするだけだ! 別に変なことする気はないからな!」
『そうですか。ならそういうことにしておきますね』
「だから違うって! はあ……。とりあえず咲が起きたらはよ着替えろって言っといてくれ」
『わかりました!』
そうメリーに伝え、俺はトイレに向かった。
普通にトイレを済ませようとしていたが……耐えきれずに
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