第2話 メリーさんが告白した!?

「ん……ここは―――俺の部屋?」


 目が覚め、ゆっくりと瞼を開けると、見慣れた天井が。

いつの間にか俺の部屋に運ばれていた。


『あ、やっと目を覚ましたんですね』


 急に声が聞こえたから思わず飛び跳ねてしまった。

おかげで肩こりになってしまったんだけど……。

 声のする方に視線を移すと、足が透き通って浮いているように見える少女の姿が。


「ぎぃゃああああああああああ!!!!!」


『待って! 落ち着いてください!』


 俺が驚いて大声をあげたもんだから、少女は慌てていた。





◇◇◇




「はぁ、はぁ……」


『大丈夫そうですか?』


「あぁ……」


 や、やっと落ち着いてきた。

いきなり怖いもの見せないでくれよ……。


「えっと、メリーさんでしたっけ?」


『えぇ、そうですよ?』


「まず状況がよく分かってないんだけど……」


『驚かしてごめんなさい! でも本当はあんなことするつもり無かったんです……』


 メリーさんは顔を真っ赤にして視線を逸らす。

あんなこと? なんかあったっけ?

あーそうだ。

メリーさんにキスされたんだったね。


「―――――!?」


 やばい、思い出してしまった。

幽霊に突然キスされてしまったんだった!

これって死亡フラグですか?って思っていたうちに眠らされたんだったよ。

 でも――――メリーさんって結構美人さんですねぇ。

細すぎず痩せすぎず、蒼い瞳があって肩くらいまで伸びている黒くて綺麗な髪。

 凄く可愛い……。

男達を忽ち虜にしちゃいそう。

もちろん俺も虜になっています。

 なんか気まずい雰囲気になっちゃったよ。


『ほ、本当にごめんなさい!』


「い、いや良いよ……うん、大丈夫」


 本当は大丈夫じゃない。


『えっと……わたしがここに来た理由が知りたいですよね?』


「うん」


『ゆーまくんも聞いたことあるかもしれませんが、わたしが正真正銘のメリーさんです。

突然電話が鳴り響き、誰かと思って出てみたらメリーさんという女の子が自分の居場所を教え、3回目で、電話をとった人物の後ろに現れ襲われる、という話が有名になっていると思います』


「あるね」


『確かにわたしは人を襲い、最悪の場合人を食います』


 なんか恐ろしい話をされたんだけど。

背筋が凍りつく。

俺も食われてしまうのか?


『でも安心してください。あなたを食うつもりはありませんから』


「よ、良かったぁ……」


俺は胸を撫で下ろした。

生き延びられてよかったよ……。

 でもひとつ疑問が残る。

言い方からして、ほとんど人を襲う感じだ。

でもなんで俺は襲わないわけ?

怖いけど聞いてみるか。


「あのーメリーさん?」


『はい?』


「ひとつ質問があるんだけど、メリーさんはいつも人を襲ってる感じ?」


『えぇ、そうですけど?』


 平然と返事しやがったよ。怖すぎる……。


「でも俺を襲うつもりはないというのはどういうことだ?」


『えっとそれは……』


 え、なんでそこで顔を赤くするわけ?

今はモジモジしてるところが可愛いとか気にしてられない。


『―――――』


「メリーさん、ちゃんと言ってくれないと俺分かんないよ」


 すると徐々にメリーさんの体が震え始めた。

具合でも悪いのか? 少し心配になっていると、


『―――――なっちゃったんです』


「え?」


『――――っ! わたし、ゆーまくんのことが好きになってしまったんです!』

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