C子 3
C子は予想通りの人気だった。
月に3度以上も同じ人から依頼が入るほどだ。
≪1回の射精で3万円。ホテル代は相手の負担。≫
これがC子の若さの価格だった。
買い手も売り手も社会的にはNGなことをしているが
だからと言ってそれが≪悪人≫の条件なのではないと思う。
互いに納得して誰にも迷惑をかけず、誰も嫌な気持ちにならないのだから。
ただ≪できればこんなことはしたくない≫と、互いの気持ちの奥底にはにあるとは思う。
それが良いか悪いかなんて他人が判断できることだろうか。
トラブル防止のために必ず私を通してC子の相手は選ばれる。
≪礼儀≫なんて言葉を使えるほど私には学はないし、
どんなものかと聞かれても答えることはできない。
ただ相手の態度や対応で、良い奴か悪い奴なのかはなんとなくわかった。
そしてその判別を見誤ったことはなかった。
私もC子も金が欲しかった。
汚いことをして稼いだ金だという自覚が2人にあった。
だがこうして協力しながら稼いで一緒に飯を食べたり遊んだりするのは
とても充実した気持ちになれたし、C子も空いてる日は自ら積極的に私と遊んでくれた。
さすがに毎回私のおごりではあったが。
C子の容姿はモテる部類の女の子だと思う。
≪付き合った彼氏の数は20人超≫と聞かされたときは正直驚いた。
最近の10代女子ならばそれくらい普通なのだろうか?
年間で何人と付き合えばそうなるのだろうか。
ならば、さぞ色々なとこへ遊びに連れて行ってもらえただろうと思ったのだが
『ん-ん、みんなエッチばかり。ホテルか彼氏の家しか行ったことないよ。』
そう話すC子はとても悲しそうな顔をしていた。
『だからこうやって一緒にご飯食べに行ったり、ドライブしてお花見したり海を見たりできたのスッゴク楽しいの。それに、うちは貧乏だから旅行の経験もないしさ。』
そう話しながら私の手を強く強く握っていたのを今でも覚えている。
ならいつか一緒にディズニーでも行こうと言うと
『初ディズニー楽しみにしてるね、約束だよ!』
『こんなに幸せで、先が楽しみなことってアタシにもあるんだ』
C子は声を上げて泣いた。
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