B子 4
薬におぼれている人間と交際するなんて馬鹿げているとは思う。
だが私は昔から特段モテるわけでもないので、チャンスさえありそうならば積極的にどんな子とでも付き合いたいと思ってしまう人間だった。
それがどれだけ愚かな考えだったのかB子との交際で思い知ることになる。
シラフであっても、自分の世界に入って四肢を深く切り裂いたり
薬を使用して外を出歩くような女の子と付き合おうとする男が、この世にいったいどれだけいるだろうか。
B子もそれは自覚していた。
だから捕まえた獲物を簡単に手放すわけがなかった。
ストーカー化である。
薬のために≪売り≫を始めたり公共の場での言動がおかしいのを、流石に私が我慢しきれなくなり別れを告げることになったが、そこから酷いことになった。
『どうして返事をくれないの』
『どうして無視するの』
『私の何が悪いの』
『今だれといるの』
『ごめんなさい』
『許してください』
『改心したんです』
『今日は家に車がなかったよね』
『職場にもいなかったね』
『もう一度やりなおして』
『助けてください』
『あなたはわたしにとって初めて信じれる神です』
携帯の通知は限界の≪999+≫と表示される。
ブロックや拒否をしても新しいアカウントで追いかけられた。
そしてまたそれをブロックして...
そんなイタチごっこが続いた後、ついにB子は行動を始める。
『おまえはわたしを捨てたんだな!!!!』
私の家の前で大声で叫びだした。
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