共同活動(2)
目覚めて身支度を整えた阿蓮は、十人いる爆竜の女性達の中から同行させる五人を選ぶと彼女達五人と京を連れて、
「いつまで不機嫌そうにしているんだ? 一緒に活動することはもう決まったことだろ?」
「……その事は別にいい。こちらから決闘を仕掛けて負けたんだ。任務に協力することに文句はない。俺が言いたいのは、どうして二人揃って宇宙居住地に来たのかってことだ。この場合、どちらかが
阿蓮の言葉に京は苦虫を噛み潰したような顔となって返事をする。どうやら京は共同で任務を行うことではなく、役割分担について不満があるようだったが、阿蓮は特に気にした様子はなかった。
「ああ、その事か。これも必要なことだ。あと、式艤神の事だったら安心しろ。ここにはいない爆竜……俺の
「いや、そこまで心配していないが……仕事って何をしているんだ?」
「もしもの時の保険だ。今は別に気にしなくてもいい」
この場にいない爆竜の女性が何かの仕事をしていると言う阿蓮に京が質問するのだが、阿蓮はまともに答えようとしなかった。そんな阿蓮の態度に京は何か言いたげな表情となるが、言っても無駄だと判断すると話題を変えることにした。
「……なあ? やっぱり彼女達の服装は何とかならないのか?」
京は今度は頬を赤くして爆竜の女性達の、裸の上に前掛けを一枚羽織っただけという格好について言った。しかしこれは阿蓮が答えるより先に、当人である五人の爆竜の女性達が答える。
『『無理です』』
爆竜の女性達は五人同時の即答すると、京に自分達がこのほとんど裸の格好でいる理由を話す。
「私達は式姫神。創造主であるご主人様のお手伝いをするために生まれました」
「そしてその中で最も大切なのはご主人様と一緒に敵と戦うことです」
「それにはこの格好が一番なのです」
「動き易くて
「裸にならないとご先祖様から受け継いだ『力』も意味がありませんからね」
五人の爆竜の女性が言うとそれを聞いていた京が首を傾げる。
「式祈神を使った格闘術は分かるけど、ご先祖様から受け継いだ力? 裸にならないと意味がない? 一体どういうことだ?」
「それだったら、これからすぐに分かると思うぞ。とりあえず話はこれくらいにして先に行くぞ」
わけが分からないと言った表情となる京に阿蓮は苦笑しながらそう言うと、皆を連れて目的地に向かって歩き始めた。
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