共同活動(1)
京との決闘を行った日の夜。阿蓮は不思議な夢を見た。
それは阿蓮がこの任務を受けた日に見たのと同じ、平和な宇宙居住地の街並みに突然ミサイルが降り注ぎ火の海と化していくのを一隻の
「また同じ夢か……。これはいよいよ……うん?」
「はぁ……はぁ……。ご主人様ぁ……」
「ん……ちゅっ。ああ、なんて美味しい……」
阿蓮がさっきまで見ていた夢を思い出しながら何かを考えようとした時、彼は自分が裸で周囲には同じく全裸の爆竜の女性十人がいることに気付く。池ノ伍と路ノ三を初めとする爆竜の女性達は恍惚とした表情で阿蓮の全身を舐め回しており、目を覚ました阿蓮は遅れて全身に走る快感に表情を歪める。
「お前達……これは、何のつもりだ?」
「ふぅ……これですか? ご主人様への感謝を伝えようと思いまして……れろぉ」
「そうです……はぁ……。ご主人様、昨日私達の方を見て……『俺にとって大切な奴ら』とか『俺にとって大切な奴らのためだけに戦う』とか言ってくれて……。私達、本当に嬉しくでもう我慢できなくなって……はぁん」
阿蓮の聞くと池ノ伍と路ノ三は彼の身体を舐めながら答える。確かに昨日の京との決闘で阿蓮は路ノ三が言っていた台詞を言い、その時に彼女達を含めた爆竜の女性達に視線を向けていたが、まさかそれを聞かれていたとは思わなかった。
「ですからちょっと残念です……」
「はい……。今だけでなく、この任務の間に感謝の気持ちをありとあらゆる形で伝えようと思ったのですが……」
「ありとあらゆる形って何だよ?」
池ノ伍と路ノ三以外の爆竜の女性二人が自分の主人の身体に愛おしそうに頬擦りしながら言う言葉に阿蓮が聞き返すが、彼女達はそれに答えず代わりに別の場所に視線を向ける。
「いきなり邪魔者がついてくることになって、任務中に私達の愛情を伝えることができなくなりました」
「ご主人様? 一体どうして『あの人』と一緒に任務をすることにしたのですか?」
拗ねた風に言う池ノ伍と路ノ三を初めとする爆竜の女性達の視線の先にあったのは、モニターに映っている一隻の式艤神。その式艤神は昨日阿蓮と決闘をした陰陽師、加登京のものであった。
今日から京は、決闘に負けた代償として阿蓮と一緒に任務をすることになっており、何故彼と一緒に行動することにしたのかと爆竜の女性達に聞かれた阿蓮は、モニターに映っている京の式艤神を見る。
「……皆は、俺が見る夢のことを知っているよな?」
「それって、以前ご主人様が言っていた、未来のことが分かるかもしれない不思議な夢のことですか?」
阿蓮の言葉に爆竜の女性の一人が言うと、彼はそれに頷いて先程まで見ていた夢を思い出しながら続きを口にする。
「あの式艤神……夢に出てくる式艤神と全く同じなんだよ。だから目を離さないでおこうと思ってな……」
夢の中で見たミサイルが降り注ぎ火の海と化した街を上空から見下ろす一隻の式艤神。それは今モニターに映っている京の式艤神と全く同じ外見をしていたのだった。
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