三度目の夢(3)
射ノ伍と生ノ三の言う通り、モニターに表示されている任務はどれも、一定の期間だけ何処かの宇宙居住地や惑星にある地域を防衛するという内容ばかりであった。そんな爆竜の女性達の言葉に対して阿蓮はモニターを見ながら説明をする。
「いや、これは全部
原因不明の機械の故障や突然の失踪事件。これらの異変が多発した場合、悪霊体が原因で異変が起こった場所の周辺に再び現れる可能性が高い。モニターに表示されている任務の現場は全て、そういった異変が多発している「悪霊体が現れそうな場所」であった。
「ではご主人様。悪霊体が現れるまでは何をすればいいのですか?」
「お前は……止ノ四か。悪霊体が現れたり何か事件が起きるまでは特に何もしなくてもいいぞ」
射ノ伍とも生ノ三とも違う爆竜の女性が質問をすると、阿蓮は彼女の首にかけられた手作りの標札を見てから質問に答える。それを聞いて質問をした爆竜の女性、止ノ四は首を傾げた。
「何もしなくてもいいのですか?」
「そうだ。俺達陰陽師の目の前で犯罪を犯そうとする奴なんていない……とまでは言わないが、それでも少ないからな。犯罪の抑制ってことで任務期間中、決められた場所にいるだけで報償金が貰えて、悪霊体を退治したりそれ以外の事件を解決したらまた別に報償金が貰えるんだ」
「なるほど。そうなのですか……」
阿蓮に説明されて止ノ四を含めた爆竜の女性達が納得した表情で頷いていると、阿蓮は悪霊体退治の任務で悪霊体が現れるまでの間、荒命を初めとする五大魔狂の仲間四人と
(せっかくだから悪霊体が現れるまでの間、爆竜の女性達に
式着神は搭乗してすぐに自分の身体のように操縦することが出来るし宇宙での活動も想定されているが、爆竜の一族は宇宙での活動の経験は無い。そのため阿蓮は悪霊体が現れるまでの間、爆竜の女性達に式着神を使った宇宙空間での訓練をさせようと考え、現場が宇宙居住地である悪霊体退治の任務を調べたところであるものに気付いた。
「これは……?」
「ご主人様? 一体どうかしましたか?」
モニターを見て呟く阿蓮に爆竜の女性が話しかけるのだが、阿蓮はその声が聞こえておらずモニターを見つめたままだった。そしてモニターには一件の悪霊体退治の任務の情報と、現場である宇宙居住地の写真が映し出されていた。
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