陰陽師の仕事、再開
三度目の夢(1)
阿蓮が本格的に陰陽師の活動を再開しようと決めた日の翌日、阿蓮は夢を見た。
夢の中で見たのは何処かの宙域にある宇宙居住地の街並みで、多くの人々が平和な日常を送っていたのだが、そこに突然ミサイルの雨が降ってきた。平和だった街並みは瞬時に跡形もなく崩れ去って火の海となり、辺りから多くの人々の悲鳴が聞こえてくる。
そして上を見上げれば巨大な影が火の海と化した街を見下ろしていた。その巨大な影は、陰陽師だけが乗ることができる人型宇宙戦艦、
「……これで三度目か」
アリュウで自分の住居として温泉旅館の一室で目覚めた阿蓮は開口一番にそう呟いた。
まるで実際にその場にいたかのような現実感のある夢。これを見るのはコールドスリープから目覚めた時と、戦事略決で布宮荒命と再会した時に続いてこれで三度目であった。
一度目と二度目の時は夢を見てしばらくした後、夢で見たのと全く同じ出来事が起こった。だから阿蓮はさっきまで見ていた夢を「単なる夢」だと切り捨てることができずにいた。
「これで今回の夢も現実になったら、いよいよ予知夢の
阿蓮は戦事略決で夢の演算強化系の式祈神に関する情報を調べていた時、「死に直面する等の劇的な状況に直面することで新たな式祈神に目覚める可能性がある」という論文を見つけたのを思い出す。
「
「何がまさかなんですか?」
阿蓮が首を横に振って自分の考えを否定すると、彼のすぐ側から眠たそうな女性の声が聞こえてきた。阿蓮の周囲には、彼の
「お前達、起きたのか」
「はい。おはようございます、ご主人様。……ん♩」
「……あん」
「はぁ……はぁ……」
爆竜の女性の一人が阿蓮に挨拶をしてから自分の主人に口づけをすると、他の爆竜の女性達は自分の乳房を阿蓮の背中や腕に押し付けたり舌で身体をゆっくりと舐めたりしてきた。目覚めてすぐに自分に奉仕をしてくれる爆竜の女性達の身体の感触を阿蓮が楽しんでいると、爆竜の女性の一人が彼に話しかけてくる。
「それでご主人様? さっきは何を考えていたのですか?」
「ん? いいや、何でもない。今日から陰陽師の仕事を再開するから、そのことを考えていただけだ」
(あの夢も、やっぱりそれに関係しているのかな?)
爆竜の女性に答えながら阿蓮は、朝に見た例の現実感がある夢について考えるのであった。
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