やっぱり「食」は重要(3)
「はぁ……んん……。なるほど、食べものの改善ですか……ちゅっ」
「そうだ。最初は皆の住居を建てようと思っていたんだが、俺のわがままを優先してすまないな」
温泉旅館で爆竜の女性から助言をされた阿蓮は、射の村に住む爆竜の一族のまとめ役、射ノ一の元へと来ていた。射ノ一の言葉に阿蓮が謝罪をすると、彼女は首を横に振って自分達の主人の顔を見上げた。
「じゅぽ……いいえ、謝罪は必要ありません。私達、爆竜の一族はご主人様のお役に立つために作られた
「そう言ってくれると助かる。……それはそうと、そろそろ聞いていいか?」
阿蓮が爆竜の一族の住居を建てる最初の予定よりも食糧の改善を優先したのは、爆竜の一族を抱く時に美味い食事と酒を味わいたいと思ったからだ。そんな自分のわがままをあっさりと許してくれたことに安堵した阿蓮は、先程から奇妙な水音を立てながら会話をしている射ノ一を見る。
「じゅる……はい? 何でしょうか?」
「何で俺は村に来てすぐに裸にされた上、君に奉仕されながら会話をしているんだ」
その言葉の通り、阿蓮は現在、射ノ一の住居の中で裸となって「椅子」に座っていた。そして射ノ一もまた唯一の衣服である前掛けを脱いで裸となっていて、阿蓮の股間に顔を埋めながら会話をしていたのだった。
「それに彼女達も……俺、一応真面目に相談をしに来たつもりなのに……。これってとてもじゃないけど、真面目な相談をしている姿じゃないよね?」
阿蓮は射ノ一にそう言うと、自分の背後と下を見る。阿蓮の背後には裸となった二人の爆竜の女性が自分達の乳房を彼の背中に押しつけて支えており、下には一人の爆竜の女性が四つん這いの体勢となって阿蓮が座る「椅子」となっていた。
全裸の巨乳美人三人を背もたれ付きの椅子代わりにして座り、その状態で更にもう一人の巨乳美人に奉仕されている裸の男。
確かに食糧の改善といった真面目な話をしている場にはとても見えなかった。
ちなみに、この状況は当然ではあるが阿蓮の指示ではない。相談があって射ノ一の住居に訪れたら、強引に服を脱がされて今の状況になったのである。
「だって……射ノ二達から聞いたのですけど、彼女達はご主人様に一晩中可愛がってもらえたのでしょう? それがとても悔しくて……」
射ノ二、多分温泉旅館で阿蓮が抱いた二十人の爆竜の女性の一人だろう。射ノ二の名前を口にして射ノ一は拗ねたような顔を浮かべ、彼の椅子と背もたれとなっている三人の爆竜の女性達も同様の顔を浮かべていた。
「先程も言いましたが、爆竜の一族はご主人様のお役に立つために作られた式姫神。ですから私達もご主人様を喜ばせて差し上げたいのです。それに、もしご主人様に抱かれたら、私を初めとするすでに二人の子を産んだ者でも、新しい子を産めるかもしれませんから」
「二人の子? 一体どういうことだ? というか式姫神って、人間と子供を作れるのか?」
阿蓮は豊満な乳房で自分の肉棒を挟みながら話す射ノ一の言葉を聞いて彼女に質問をする。
式姫神の単為生殖については実例がほとんど無いため阿蓮も詳しくなく、人間と式姫神が子供を作ったという話も聞いたことがなかった。もし人間と式姫神の間で子供が産まれるのならば、式姫神はどんな陰陽師が作っても必ず美女美少女となるので、式姫神を抱いて新しい式姫神を作ろうとする陰陽師が大勢出てくるはずだ。
「この十年間、自分達を見てきた結論なのですが、どうやら私達爆竜の一族が単為生殖で産めるのは二人が限界のようなのです。そしてご主人様と子供を作れるかどうかなのですが、恐らくは作ることができると感じました……本能で」
「本能、か……」
真面目な表情で本能と言う射ノ一だが、阿蓮は何故かそれを笑うことができなかった。
今更彼女達、爆竜の一族を抱くことには抵抗はない……というか、むしろ望むところである。だが、それで本当に子供が産まれた場合、その子供は人間なのか爆竜の一族なのか、あるいは新しい種族なのかが阿蓮は気になった。
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