まずは「住」から(3)
『『………えっ?』』
この温泉旅館を使えることに喜んでいた二十人の爆竜の女性達は、阿蓮の言葉を聞くと全員が意外そうな表情となって自分達の主人を見る。
「どうした? 皆驚いた顔をして? 俺が何か変なことを言ったか?」
「い、いえ……。ただ、今までご主人様に誘われたことがなかったので、少し驚いてしまいました……」
阿蓮は爆竜の女性達が自分の言葉に驚いている理由を知っているのだが、意地の悪い笑みを浮かべて聞くと、爆竜の女性の一人がためらいがちに答える。
爆竜の一族は様々な場面で阿蓮を手伝い、役立つために作られた
だから爆竜の一族はこれまでに何度も阿蓮に抱いてほしいと誘ったのだが、彼はそれに頷くことは一度もなかった。それなのにいきなり阿蓮の方から一緒に温泉に入らないかと誘われたことに爆竜の一族は驚きを隠すことができずにいた。
「今まではする気がなかったから我慢してきただけだ。だけど今日からは違うぞ」
「……ん!?」
快適に爆竜の一族を抱くための環境が出来上がった今、阿蓮が爆竜の一族の魅力的な肢体を見るたびに沸き上がってくる性欲を我慢する理由はなくなった。
阿蓮はそう言うと一番近くにいる爆竜の女性に近づき、彼女の前掛けの下にある生の乳房を右手で鷲掴みにして、爆竜の女性の身体が小さく震える。
「これからは抱きたくなった遠慮なくお前達を抱くつもりだ。……ちなみに荒命達が言うには俺は、不本意だが『かなりの変態』らしい。たぶん大変なことになると思うから覚悟しておけよ」
確かに普通の感性や性癖の持ち主ならば、裸の上に前掛け一枚だけという爆竜の一族の格好を何とかしようとするだろうし、戦事略決に行った時も彼女達を連れて人前に出ようとはしないはずだ。しかしそれを面と向かって指摘されるのはあまり面白くはなく、十年以上前に酒の席で荒命を初めとする他の五大魔狂にその事をからかわれ軽く殴り合いのなった時の事を阿蓮が思い出していると、胸を鷲掴みにされている爆竜の女性が口を開く。
「ええ、望むところです。私達爆竜の一族はご主人様の役に立って喜んでもらうための存在。どうぞ私達のこの身体、家畜のように様々な方法で味わって、使い捨ての玩具のように壊れるまでお楽しみください」
そう言うと爆竜の女性は、自分の乳房を鷲掴みにしている阿蓮の右手を両手で掴み、押し戻そうとするどころか逆に自分から乳房を更に押しつけてきた。それにより彼女の大きくて形の良い乳房が変形して、阿蓮は自分が鷲掴みしている乳房の先端が硬くなっていることに気づく。
阿蓮がこの場にいる二十人の爆竜の女性達を見回してみると、今自分が乳房を鷲掴みにしている爆竜の女性だけでなく全員が、主人の言葉に興奮して阿蓮以上に欲情した笑みを浮かべていた。中にはすでに前掛けを脱いで裸になっていたり、手を自分の股間に入れて激しく動かしている爆竜の女性もいて、それを見た阿蓮は予想を超えた爆竜の一族の淫乱ぶりに思わず苦笑いを浮かべた。
「これは……」
「それでご主人様? 私達はこれから何をすればよろしいのですか? 早速私達を抱いてくささいますか? それでしたら幸い、ここにいるのは私を含めて一度も子を産んでいない者ばかりですから、処女を楽しめますよ?」
阿蓮は自分から抱いて欲しいとか、処女だとか言う爆竜の女性の言葉に内心では驚くが、何とか驚きを表に出さずにいつも通りの表情を保つと首を横に振った。
「それは楽しみだけど、せっかくの温泉があるんだ。まずは皆で入らないか?」
『『はい!』』
もう一度阿蓮が一緒に温泉に入らないかと誘うと、今度は爆竜の女性達全員、満面の笑みを浮かべて頷いた。
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