惑星アリュウ開発記

まずは「住」から(1)

「ようやく帰ってこれたな」


 阿蓮達が星面金剛の整備をするために陰陽寮が管理している惑星の戦事略決へと行って、そこで同じ五大魔狂と呼ばれている陰陽師の荒命と再会した日から数日後。荒命と共に宇宙居住地を襲った悪霊体デモナスを退治した阿蓮は、十人の爆竜の女性達と一緒に任務で発見して自らの所有物とした惑星アリュウへと帰ってきた。


「さて、これからはこの星の開発もしていかないとな」


 星面金剛の操舵室にあるモニターから宇宙に浮かぶアリュウを見ながら阿蓮が呟く。


 十年前までは悪霊体を退治していればそれだけで良かったが、これからは自分と爆竜の一族のために、このアリュウを住みやすい星に開発しなければならない。阿蓮がアリュウをどの様に開発しようかと考えていると、爆竜の女性の一人が話しかけてきた。


「あの、ご主人様? 開発と言って何をするつもりですか?」


「そうだな……。人間が生きるには衣・食・住が必要だ。それでまずは住……住む場所を整えようと思う。そのための準備もしてあるからな」


 爆竜の女性に答えた阿蓮は、アリュウが映っているモニターとは別のモニターへと視線を向ける。そのモニターは今彼らがいる星面金剛の背中にある円盤、居住ユニットの様子が映っていて、居住ユニットの後ろには複数のコンテナが繋がっていた。


 複数のコンテナの中にあるのは、星面金剛を停める停泊場所や阿蓮が暮らす家を造るための資材と、建築用のロボットであった。これらを使えば停泊場所も家も一日で造れるのだが、それを説明すると阿蓮に質問してきたのとは別の爆竜の女性が首を傾げる。


「住む場所、ですか? 先に食べ物をなんとかした方が良いのでは?」


「いいや。住む場所が先だ」


 爆竜の女性の言葉に阿蓮は即答する。


 爆竜の一族は式姫神サポートユニット、つまりは生物兵器で常人よりも遥かに身体が丈夫で、住む場所など今暮らしている最低限の雨風を防げる原始的な家で充分であった。そのため爆竜の女性達は、食糧事情の改善よりも住む場所を優先する自分達の主人の考えをいまいち理解できなかったが、阿蓮はこの件に関しては一歩も譲る気はなかった。


(だって家を建てないと、お前達爆竜の一族と『遊ぶ』ことができないからな!)


 爆竜の一族という千二百人以上いる自分好みの巨乳美人達に囲まれている阿蓮だが、彼は今日まで彼女達に一切手を出しておらず、正直な話色々と限界であった。手を出さなかった理由は大事な事だからもう一度言うが、爆竜の一族は阿蓮にとって自分好みの巨乳美人達であるから、手を出す時の状況にこだわりたかったからだ。


 実際これから建てる予定の家も阿蓮の中では寝泊まりをする場所と言うよりも、爆竜の一族と「遊ぶ」ための場所という場所という意味の方が強かった。


 阿蓮の遺伝子情報を使って作られた爆竜の一族は彼に絶対の忠誠を誓っており、阿蓮に手を出されて嫌がる者はいないどころか、むしろ全員心待ちにしている。これから建てる家で爆竜の一族とどう「遊ぶ」か考えていると、阿蓮は自分の下半身に血が集まってきているのを感じた。

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