十年ぶりの共闘(1)
五大魔狂の一人、布宮荒命と十年ぶりに再会した日の翌日、阿蓮は夢を見た。
どこかの宙域にある宇宙居住地の前に民間の宇宙船が数隻表れたかと思ったら、その数隻の宇宙船はいきなり宇宙居住地に向かって突撃をしてきた。宇宙居住地に暮らす人々は宇宙船に止まるように呼びかけるが宇宙船は止まらず、仕方なく防衛兵器で撃ち堕とそうとするが宇宙船は民間のものとは思えない性能を持っており、防衛兵器の攻撃をものともせずに宇宙居住地に激突した。
数隻の宇宙船が宇宙居住地に突撃して内部に侵入をすると、宇宙船から何十人もの武装した人間が出てきて、突然の出来事に混乱している宇宙居住地に暮らす人々を一方的に攻撃をし始める。宇宙船から出てきた武装した人間は全員、手足が折れ曲がるなどの怪我をしており、中には首が折れる等の致命傷を負っている者もいるのだが、それでも痛みを感じる素振りを見せずに動き続けていた。
そして武装した人間達によって宇宙居住地の内部全体に被害が広がると、宇宙船は艦内に隠蔽していた巨大な大砲を撃ち、味方であるはずの武装した人間達ごと宇宙居住地を破壊するのであった。
「……前にも、こんなことがあったな」
戦事略決にある宿泊施設の一室で目を覚ました阿蓮は、先程見た夢について考えていた。
以前、アリュウで
阿蓮がこの惑星、戦事略決に来た理由は二つ。
一つは自分の
もう一つは、この未来を予知しているかのような夢について調べることである。
戦事略決は惑星そのものが陰陽師関連の兵器工場であると同時に、
「それでここがご主人様の来たかった所ですか?」
阿蓮が目覚めてから数時間後。彼は十人の爆竜の女性達と一緒にある建物に来ていた。その建物は戦事略決でこれまで開発、製造された式祈神や式艤神を初めとする兵器の全ての情報が記録されてある建物であった。
「そうだ。ここなら何かが分かるかもしれない。行くぞ」
爆竜の女性に答えた阿蓮は彼女達を連れて建物の中に入って行くと、個人用の情報閲覧室に向かった。
情報閲覧室は主に陰陽師が自分の式祈神に合った式祈神や兵器を探し、どの様に組み合わせるか考えるために使用されていた。そしてこれまで開発、製造されてきた式祈神と兵器の情報は膨大で閲覧するだけでも多くの時間を必要とするので、情報閲覧室は長時間使用しても精神的疲労等が溜まらないように、一人だけでなく数人の人間が入れるくらい広く造られている。しかし……。
(それでも十人以上が入るとやっぱり狭いな……。まあ、別にいいっていうか、これはこれで大歓迎だけど)
阿蓮は周囲を見渡して心の中で呟く。
情報閲覧室には現在、阿蓮だけでなく十人の爆竜の女性達も入っていた。いくら広く造られていると言っても、流石に十人以上が入ると狭く、誰かが動くと別の誰かの身体にぶつかりそうになっていた。
しかし、裸の上に前掛け一枚という半裸姿の巨乳美女十人と一つの部屋で密着という状況は阿蓮……いいや、男としてある意味夢のようなもので、阿蓮は心の中で満足気に頷くと調べものを始めた。
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