重爆のスターゲイザー(4)
阿蓮達の前に巨大な
「ど、どういうこと? 何でご先祖様が眠る山が崩れて……?」
「あの怪物は一体何なの?」
「それよりもあの山には今、ご主人様がいるはずじゃ……!?」
『『………!?』』
突然の山の異変に戸惑っていた爆竜の女性達だったが、今あの山に自分達の主人がいることを思い出すと、全員が我先にと山へ向かおうとする。だがその時、山とは別の方角から激しい轟音と振動が伝わってきた。
「こ、今度は何っ!?」
「あそこは……ご主人様が眠っていた湖?」
「皆、あれ見て!」
轟音と振動が伝わってきた方角にあるのは阿蓮の
「さっきから一体……何が起こっているの……?」
「これは、何ですか……?」
阿蓮と共に山へやって来た爆竜の女性は、上空に現れた影を見上げて、今日で何度目になるか分からない驚きを感じていた。
上空に現れた巨大な影。それは鋼鉄の巨人であった。
全身を漆黒の装甲で覆い、顔に星の形をした仮面をつけて、背中に円盤を背負った機械仕掛けの巨人。
爆竜の女性は、鋼鉄の巨人が背負っている円盤に見覚えがあった。
「あれは……もしかしてご主人様が乗っていた……?」
「そうだ」
上空に浮かぶ鋼鉄の巨人を見上げながら爆竜の女性が呟くと、彼女の隣で同じように空を見上げている阿蓮が頷き答える。
「俺達陰陽師の証であり力の象徴。陰陽師が宇宙中を移動して悪霊体を退治するために神聖ヤマト皇国が建造した人型宇宙戦艦、式艤神。そしてあれが俺専用の式艤神『星面金剛』だ」
「式艤神……。星面金剛……」
今まで爆竜の一族が見てきたのは、湖の上に出ていた星面金剛の背中にある円盤、居住ユニットだけであった。今まで自分達が守ってきた式艤神の真の姿を見て呟く爆竜の女性の肩に、阿蓮は自分の手を置いた。
「星面金剛に見惚れるのはそれぐらいにしておけ。そろそろ行くぞ」
「えっ? 行く、とは何処へですか?」
「もちろん星面金剛の艦内だよ。……
阿蓮は自分の右腕にはめている腕輪型の式器神を起動させる。
式器神は解析された式祈神の情報を使用者の脳に送ることにより、使用者が目覚めた本来の式祈神以外の式祈神も使用できるようにする陰陽師専用の装備。阿蓮は腕輪型の式器神に記録されている瞬間移動を可能とする式祈神を使うと、爆竜の女性と共に悪霊体の前から星面金剛の艦内にある操舵室へと瞬間移動した。
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