疑問が確信に変わる時(3)
極上の巨乳を持つ美女ばかりだが、血走った目で見てくる爆竜の女性達に身の危険を感じた阿蓮は、何とか爆竜の女性達を落ちつかせるといよいよ惑星の調査を十年ぶりに再開した。
惑星の気候や大陸の地形等のデータはすでに十年前に偵察機で大体集めているのだが、それでも実際に見てみるのとは大分違うため、阿蓮は爆竜の女性に村の周辺を案内してもらった。惑星は年中温暖な気候で、村の周辺には様々な植物が生い茂っており、更に爆竜の女性に「是非見せたい場所がある」と言われて案内された彼女達の「ご先祖様」が眠るとされる山には……。
「温泉まであったのか……。これは気づかなかったな」
山の中にある温泉を見た阿蓮は驚いた顔で呟いた。確かにこの辺りには火山が多くあることは偵察機からの観測データで知っていたが、温泉のデータまではなかったのだ。
「はい。ここは村の者達が体の疲れを癒すためによく使う場所で、他の山にも似たような温泉がいくつもあります」
「そうなのか。それはいいな」
神聖ヤマト皇国の人間はほとんどが風呂や温泉が好きで、同様に温泉が好きな阿蓮は爆竜の女性の言葉に嬉しそうに頷く。
(最初から居住可能な上に温泉があるなんて本当にいい惑星を見つけたな。いっその事、この温泉を売りにした観光地にしてみるか? そうしたら観光客からの入場料で開発資金も簡単に……いや、駄目だ!)
温泉を見て阿蓮は、この惑星を観光地として開発しようかと考えたが、すぐに慌てて首を横に振って自分の考えを却下した。
(観光地にするってことは、他の人間に爆竜の一族を見せるってことだよな!? 彼女達は全員巨乳でほとんど裸の美女なんだぞ! そんなのいやらしい目で見て、手を出そうとする人間が続出するに決まっているじゃないか! そんなの認められるか! 俺だってまだ爆竜の一族の巨乳天国を堪能していないのに、他人なんかに手を出されてたまるか! 爆竜の一族は俺の
「それで、君達が見せたい場所ってこの温泉のことか?」
自分の中で結論を出した阿蓮が爆竜の女性に聞くと、彼女は首を横に振った。
「いいえ。ご主人様に来てもらいたい場所はここではありません。……どうぞついてきてください」
爆竜の女性はそう言うと山を登った行き、阿蓮もその後について行く。それからしばらく山を登ったところで、阿蓮は周囲の景色に見覚えがあることに気付く。
「ここってもしかして……?」
「はい。ご主人様が私達を作るのに使ったご先祖様の一部を見つけた場所です」
言われて阿蓮は思い出す。確かに彼は十年前、調査は初めてすぐにこの山へやって来て、爆竜の一族を作るのに使用した恐竜の化石を発見したのだった。
「そういえばここだったな」
「ここは私達にとってご主人様が眠っていた泉の次に神聖な場所で、あれがご先祖様です」
「…………………………!?」
爆竜の女性が指差した先には岩肌から見える恐竜の化石があり、それを見た阿蓮は思わず息をのんだ。
(俺は、確かにあの化石を知っている……。でもそれは十年前に見ただけじゃない。何でここでもあの夢に関係する物があるんだよ……!?)
山の岩肌から見える恐竜の化石は、例の悪夢で爆竜の一族を殺して回った骨と岩の怪物の頭部にあったものと全く同じで、その事に阿蓮が戸惑っていると突然、恐竜の化石を中心として地震のような振動が起こった。
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