彼女の朝
バブみ道日丿宮組
お題:朝のデザイナー 制限時間:15分
彼女の朝
「Zzzzz……」
ベッドで眠る彼女はとても神秘的だった。
これで口さえまともであれば、誰にでも紹介するのだが……少なくともそんなことはない。
僕の前だけであれば問題はなかったのだろうが、どこでも問題発言ばかり。止めることを何度もしたが、口の悪さは成長するばかりで対策という対策を取れなかった。
「……はぁ」
とりあえず、彼女の服を用意しよう。
タンスから、適当なTシャツ(白無地)を、適当なジーパン(短ズボン)を、そして下着(上下オレンジのスプライプ)を。
彼女は寝る時は常に全裸だ。
これはどこでも一緒で、学生時代はかなり苦労させられた。特に修学旅行なんかは、ルームメイトにあれこれ言い訳をしながら、安息の場所を作り上げたものだ。
「……うん」
酷かったね。
けれども、社会人になれば、必然的に寝る場所は固定される。
つまり、僕の部屋。
彼女は僕の部屋に居候してる。ニートといえば、聞こえが悪い。なぜなら、彼女は在宅でいろんなプログラムを開発して販売してる。取引先も後がたたず、溜まってく一方だ。
ちなみに会社を持ってる(副社長)。
その受け渡しとなるのが社長である僕の役目。いわゆる外向きの仕事を行ってる。面談なんて彼女には不可能だからね。まず相手をイラつかせる。そしてキレされる。
案件はたまに過激派からのものもあるの。さすがに戦争を起こされたら困る。だから、僕がやるしかない。
これでも長い付き合いだ。どうすれば、動いてくれるのかは熟知してる。
衣食住をしっかりとやれば、彼女は満足してくれる。求めるのは僕の身体ぐらいなので安いもの。小さいだか、感じないとか、もっとあえげとかいろいろなことは言われるが、最終的に彼女は満足する。
「……さて」
着替えは用意できたし、次は朝ごはんの用意をしよう。
動かないはずの彼女はよく食べる。食べたものがいったいどこに吸収されてるのか不思議でならないが、気にしたら負け。彼女のプロポーションはおそらく暴言という行為で形成されてるかもしれない。
台所に行く前にスマホでスケジュールを確認する。
今日はとある企業からの案件が3つ。
彼女のために昼ごはんも作ってく必要があるな。
材料は残ってるだろうか、そんなことを考えながら、今日もまた過ごしてく。
彼女の朝 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます