第24話

 土曜日、俺らは、半強制的に、体育館に来ていた。体育館を予約してくれたのは陽キャ達で、こういうところは、さすがだなと感心していた。


 まぁ、半コート3時間くらいなので、お金の心配もない。


 オールコートは使えないらしい。他に予約が入ってたとかで半コートになったらしい。


 同じ補欠組のメンバーを見ると、みんな死んだ目をしていた。そりゃそうか、貴重な休日がバスケで吸われる。


 まぁ、とりあえず、陽キャを怒らせないために、適当に練習してますよ感を出している。


 陽キャメンバーは、シュート練習をしているが、俺たち補欠組は、まずはパスの練習から、俺は補欠組を集めて、パスの練習をさせた。


 もちろん俺もそこに入っている。


 まぁ、パスさえ回してカットされなければ、体育祭なので、ガチガチにディフェンスしてくるクラスは、今年最後の体育祭の3年生くらいだと思うのでまぁ、大丈夫だろうと心配はしていなかった。


 陽キャグループの練習を見ていると、さすがの陽キャだ、それなりに動ける奴が多い。

 その中でも白坂がダントツで上手かった。


「思ったけど・・・・・・黒田って教えるの上手だな!なんか意外・・・・・・バスケとかやってたのか?」

「まぁ、小、中ってやってたよ」

「なんで高校では入らなかったんだ?」

「一番の理由はやりきった感があったからかな」

「なるほどな、ゲームでもラスボス倒したらやりきった感がでて、レアアイテムとか集めるのめんどくさいもんな」


 その補欠組の1人がゲームに例えた事を言うと、他の奴らも便乗して「わかる〜!」と言っている。


 俺はツボにハマったのか、あははっ!と笑ってしまった。自分でもびっくりするくらい笑っていた。


 一気に団結を見せてくるから、笑ってしまったのだ。あまりクラスでは喋らない奴らだが、案外喋ってみると凄く面白い奴らなのかもしれない。


◆◆◆


「じゃあ、シュート練習混ざろうか」

「えっ、まじかよ・・・・・・」

「大丈夫だ、白坂に頼めば・・・・・・たぶん」


 そう言って俺が白坂に代表として、シュート練習をさせてほしいと交渉したところ、二つ返事で眩しい笑顔と共に、了承してもらえた。


 まず、ゴールしたのシュートをして、そのあと少しずつ距離を離して行った。


 やはり難しいもので、あまりシュートが入らない。中にはリングに届かない者もいる。


 すると、出入り口の扉が開く。高校生らしき人たちが、ぞろぞろと入ってきた。


 しかし、全員女子だ。すると、白坂に知り合いがいたのか、そっちの方に寄って行った。

 しかし、俺には関係ない事なので、無視してシュート練習しようとしたところ佐々木が驚いた声で


「白河さん!!!」


 それを聞いて、補欠組、陽キャ達全員出入り口の方を向いていた。


 まさか、綾乃が来ているとは知らなかった。

 ていうか自分の学校の生徒が来ているなんて、一目見ただけではわからない。


 すると、白坂と綾乃が仲良く喋っているのを見て、俺は胸がモヤモヤしたのを感じた。


 すると、隣から「お似合いだよなー」や「もう付き合っちゃえば?」など、女子や男子両方から、お似合いの美男美女カップルとして勝手に認定されているらしい。


 それを聞いてまた俺はモヤモヤした気持ちになった。


 それを隣で見ていた、佐々木も気に食わない顔だった。なんだか佐々木に親近感が湧いてしまった気がした。


 しかし、佐々木のことを友達として好きなのかと聞かれたら、好きじゃない。苦手と答えるだろう。そこは変わらない。


 なんか、波乱の体育祭になりそうな予感がこの時点でしていた。

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