第52話 後半 遊びに行くよ


エドワードにとんでもない誤解をされた俺は、すぐに起き上がりエドワードの元に向かった。


「エドワード!!」


俺が慌てて行くと、エドワードは申し訳無さそうな顔をしながら


「ど、どうしたケイタ?もしかしてさっきの事で怒ってたり……」


「違うわ!お前の誤解を解きに来たんだよ!」


俺がそう言うと、エドワードは首を傾けながら


「誤解?」


「ああ、俺とカーラはただ寝ていただけであって、別に変な事をしてた訳じゃ無いからな!!」


「いや、でも、あんな風に……」


「だから違うって言ってるだろ!!」


「本当に?」


「本当だよ!」


エドワードは少し考えてから


「ごめんケイタ。どうやら僕の早とちりだったみたいだね」


「ようやく分かってくれたみたいだな。良かった。本当に良かった!あのままだと俺がロリコンだと思われる所だったわ!」


俺がほっとしているとエドワードが


「でもケイタは面白いね。別にこの国では、カーラちゃんと同じ位の歳の子なんか普通に婚約してたり、場合によっては結婚してたりしてるよ」


と、平然と話すエドワードに俺は思わず


「マジで?!」


と大声を上げてしまった。


でもさ、これってかなり衝撃の事実だよね。

たしかに地球でも昔はたしかにそう言う事もあったと言われているけど、流石にビックリだよ!


(まてよ、つまりエドワードにも……聞いてみるか)


無性に気になった俺は、エドワードに質問をする。


「なぁエドワード、もしかしてお前にもカーラ位の婚約者がいるのか?」


するとエドワードは笑いながら


「あはは、残念ながら僕には婚約者どころか許嫁すらいないよ!」


「意外だな?『剣聖』ならよりどりみどりだと思うけど?」


「うーん、たしかに昔から伯爵家やら公爵家やらの令嬢から婚約とか結婚の依頼が殺到したけど、最近は母のお陰でまるっきり来なくなったよ!」


「へぇーそうなんだ。ちなみにエドワードに結婚する気はあるの?」


俺の質問にエドワードは、先程と変わって真面目な顔で 


「少なくても、父の仇を取るまではそのつもりは無いよ」


「そうか、それじゃあ早く仇を取ろうな」


「ああ」


俺とエドワードは握手をする。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆


その後、夕食を済ませた俺はエドワードにお願いしてキッチンを借りると、女神のためのスイーツを作り始めた。

ちなみにカーラは、夕飯を食べた後すぐに眠ってしまった。

 

エディアス邸のキッチンは今まで見て来た中でも最高レベルの設備であったが、残念ながらそれでも一般家庭より劣るレベルだった。


「まぁなにを言ってもしょうがないし、早速作って行くとするか!」


俺はアイテムボックスから、卵と牛乳、小麦粉、バターを取り出し、【調味料精製】を使って砂糖などを出す。


今日作るのは、誰でも作れる簡単なスイーツであるパフェだ!


「まずは牛乳から作った生クリームに砂糖を加えてホイップしていく!」


俺はホイップクリームを作ると、今度はカスタードクリームを作っていく。


「カスタードクリームはまず、砂糖と小麦粉を混ぜた後、そこに牛乳を加えて混ぜたらさらに卵黄を入れてよく混ぜる。そしたら、ゆっくりと火を入れながら混ぜていく。んで、トロッとしてきたら最後に漉したら完成!!」


俺は完成したカスタードクリームをひと舐めする。


「うめー!!やっぱり卵があるだけでスイーツの幅が広がるな!」


その後、飾るためのフルーツとフルーツソースを作ると、【食器召喚】で作ったパフェグラスに持っていく。


ちなみに俺的には、パフェと言ったらやっぱり細長いタイプのグラスがやっぱり王道だと思う。


豆知識であるが、パフェと言う言葉はフランス語のパルフェから来ているらしく、完全なと言う意味なんだそうです。


「さて、それじゃあまずは1番下にスポンジケーキの切れ端を敷き詰めたら、下からフルーツソース、ホイップクリーム、クッキー、バニラアイス、フルーツ、カスタードクリーム、ホイップクリーム、フルーツ、コーンフレークとクッキーを乗せて完成!!うんうん、我ながら上手く出来たぞ!!」


パフェを早く食べたい俺は、速攻で女神に送ると、メールが来る前に食べる。


「いただきまーす!!ぱく。うまー!!やっぱりパフェは最高!!」


俺は夢中でパフェを食べ続けた後、明日のために幾つか予備のパフェを作り、そのまま自分の部屋へと戻り眠りについた。


**************


翌日


朝起きた俺は、カーラと一緒に朝食を食べに食堂へと向かう。


「おはよう御座います」


『おはようございますなのです』


すると、すでに座っていたエドワードが


「おはようケイタ、カーラちゃん。いい朝だね」


と、爽やかスマイルをしながら挨拶を返してきた。


「おはようエドワード。お前は相変わらずイケメンだな」


「あはは、そんな事ないよ。それより、ケイタはこれから何か予定があるのかな?」


「ん?別に無いけど」


「それは良かった!実は今日から誕生祭が始まるから、一緒に見て回らないかな?」


「いいね!俺、そう言うの大好きだからもちろんオッケーだよ!」


俺が了承すると、エドワードは喜びながら


「それじゃあ朝食を食べたらすぐに行こう!」


と言ってきたので俺は


「いやいやいや、流石にすぐには難しいだろ?」


俺が難しいと言うと、エドワードは少し考えてから


「……分かったよ!それじゃあ、昼前くらいで良いかな?」


「オッケー!了解だ!良いよなカーラ」


『はい!カーラはご主人様について行きます!』


「そうと決まれば、早く朝食を食べようか!」


「はいよ」


『はいです!』


その後、朝食を食べ終えた俺たちは馬車に乗って、王都にの中央区へと向かった。

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