第47話 「剣聖」の実力
いきなり襲いかかってきた、エドワードの木剣を受け止めた俺は身体強化の魔法を使って後ろに飛んで距離を取る。
「おおー!凄いですね!えーと、ケイタさんですよね!まさか僕の一撃を防ぐなんて驚きました!次はもう少し本気で行きますね!」
と、笑みを浮かべならが言ってくるエドワードに対して俺は
「勘弁してくれ」
と言いながら、俺はエドワードに「鑑定」をかける。
名前 エドワード・アル・エディアス
種族 人間
年齢 25
レベル 85
職業 剣聖
役職 王国騎士団師団長
ステータス
攻撃 12600
防御 7400.
魔力 10520
魔防 7350
速さ 9500
スキル
剣術 双剣術 魔法剣 縮地 身体強化
空間切断 など
称号
剣聖 騎士団師団長 エディアス家当主
など
(いや強ー!!!何このステータス?バケモンでしょ!ギルマスよりも強いけどどうゆう事???これ勝てるかなぁ〜?つーか俺とほとんど歳、変わんないじゃん!)
俺は鑑定結果にツッコミを入れながら、今度は「予見眼」と「予知眼」の魔眼を使う。
予知眼は知っての通り、数秒後の未来を見る事が出来る眼の事で、予見眼は相手の先の動きを見る事が出来る眼だ。
スキルがバージョンアップしてから俺は、様々な魔眼のコンボを試していき、最も接近戦に特化したコンボがこの二つの魔眼だったので、俺はこの二つの魔眼を使いながらエドワードの攻撃を防いで行く。
ギン!
ガン!
ゴン!
下段、中段、上段とあらゆる角度から攻撃してくるエドワードに対して防戦一方な俺だが、それでもようやくエドワードの速さに体が慣れてきたので、こちらからも攻撃をしてみる。
ガキン!
俺が袈裟斬りをするとエドワードはそれを真正面から受け止め鍔迫り合いになる。
「くっ!」
「ふふふふ、凄いですよケイタさん!まさか貴方がここまでやるなんて思っても見ませんでした!素晴らしいです!」
苦しい表情を浮かべる俺に対してエドワードは嬉しそうな笑みを浮かべながら話しかけて来た。
「そりゃどうも!それならそろそろ終わりにしてくれると、こちらとしてはありがたいんですが?」
俺の提案に対してエドワードは
「ご冗談を!こんな楽しい模擬戦をしたのは久しぶりですからね!決着が着くまで逃がしませんよ!」
(このバトルジャンキーが!!)
俺はダメ元でもう一度エドワードに
「やっぱりもうやめませんか?もう腕が限界なんですが」
「あはは、ケイタさんは面白い冗談を言うんですね!」
と言ってきたので、俺は丁寧口調をやめてエドワードに対して宣言する。
「あっそ!なら終わりにしてやるよ!」
俺の宣言にエドワードはさらなる笑みを浮かべながら
「面白い!実に面白いですね貴方は!!」
と言って木剣を押し込んで来たので、俺は上手く返しながら距離をとる。
「いくぞ」
「?!!」
俺はエドワードから離れると木剣を居合抜きの様に構えながらエドワードが射程に入ってくるのを待つ。
するとエドワードは何かを感じ取ったのか、木剣に魔力を込めると上段に構えながら俺に向かってきた。そして、木剣の射程に入った瞬間、エドワードが木剣を俺に向かって振り下ろして来たので、俺はそれに合わせて木剣を抜きながらスキルを発動する。
「スキル『捌く者』」
サク!!
「えっ?!」
木剣同士が当たった瞬間、エドワードの木剣がまるで豆腐の様に真っ二つに切れた。
「ふーう。これは俺の勝ちだよな『剣聖』」
俺が木剣を肩でトントンとしながらそう言うと、エドワードは一瞬悔しそうな表情をした後、納得した表情に変わり
「ええ、貴方の勝ちですケイタさん。まさか木剣を狙われるとは思いませんでしたよ。僕の完敗です。ありがとうございました」
エドワードはそう言うと、俺に向かってお辞儀をしながら感謝の言葉を言っていた。
(あれ?もっと食い下がってくると思ってだけど、意外と素直なんだなぁ〜。流石は「剣聖」と言われるだけの事はあるね!)
俺はエドワードの評価を改めると彼に近づき
「頭を上げて下さい。俺はもう気にしてませんから!それに、どうせギルマスが変な事を手紙に書いていたんでしょうし」
と言って、俺はエドワードの肩を叩く。
するとエドワードはお辞儀をやめると、どこかおどおどした感じになり
「ありがとうケイタさん。それで、実はお願いがあるんだけど…」
「ん?何ですか?」
「ぼ、僕と、ゆ、友人になってくれないか!」
「へぇ?友人?俺と?」
「うん。ケイタさんに僕と友人になって欲しいんだ!」
エドワードからの友人になって欲しいと言われた俺は、内心どうするべきかを高速で考えていた。
(どうする?ここで嫌ですなんて言えば、下手したらエドワードとガチバトルになる可能性もある訳だし、ここはなってやるべきだよな。それに、エドワードと友人になっておけば、色々と便宜を図ってくれそうだしメリットの方がデカイよな。よし、決まった!)
俺はエドワードの手を握りながら
「もちろんだエドワード様、いやエドワード!俺とお前は友人だ!」
「あ、ありがとうケイタ!これからよろしく頼むよ!」
こうして、俺とエドワードは友人となった。
〜その後〜
エドワードと友人になった俺は、せっかくなのでカーラと3人で昼食をしながら話をする事にした。
ちなみに、今日のお昼は俺特製のオムライスとコーンスープだ!
最初、見たことのない料理にエドワードは戸惑っていたが、パクパクとオムライスを食べるカーラを見て一口食べると、その後は「美味い」と言いながら目にも止まらない速さで完食した。その上、お代わりまでする始末だ。まぁ俺としては、自分の作った料理を美味いと言って食べてくれるのは嬉しいから別に構わないが……
それでも、流石にオムライスを5個も食べるっておかしくね?!
普通、2つがやっとだよな?!
やべ〜、「剣聖」やべ〜!!
俺は改めて「剣聖」のやばさを再確認する事になったのであった。
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