第41話 年上系妹枠カーラ
カーラにサンドイッチを食べさせた俺は、スキル「世界地図」を使い王都への道を調べていた。
ちなみにカーラは、お腹が一杯になったのか眠ってしまった。
うん、寝顔もかわいいな!!
妹のいた俺としては、自分よりも年下の女の子を見ると、どうしても甘やかしてしまう事があると、親や知り合いから良く言われていたが、全くその通りだと思う。
俺は眠っているカーラに買っておいたブランケットをかけると椅子に座り
「うーん、一番最短の道だと山越えしなくちゃいけないから無しだし、森を突っ切るのも面倒だから無し、となるとやっぱりこの街道を進むルートしか無いよなぁ〜」
俺はため息をつきながら考え込む。
街道のルートなら安全と思うだろうが、俺のスキル「万里眼」と「気配感知」を使って、この先の約5キロ程の所に武装した野盗が十数人程待ち伏せしているの発見した為である。
「まぁいいや!カーラの実力を確かめるには良い機会だと思っていこう!!もしもの時は俺のスキルでなんとか出来るし、『自動結界』を張っておけば大丈夫だろう」
俺は眠っているカーラの頭を撫でながら結界を張ると、カーラが起きるまでの間新メニューのアイデアを考えていた。
*******
カーラが起きたのはもう辺りが夕暮れ時になった頃で、俺が夕食の準備をしている時だった。どうやら匂いに釣られて起きたようだ。
『クンクン、美味しそうな匂いがします!これはなんですかご主人様?』
「これはねぇ、白身魚や貝類を使ったアクアパッツァって料理だよ!」
『アクリャプアッサァー??』
「違う、違う、ア・ク・ア・パ・ッ・ツ・ァだよ!アクアパッツァ!」
『アクアパァッザー!!』
「うーん、惜しい!!まぁいいか、子供のカーラには難しかったよな。ごめん、ごめん」
俺はカーラの頭を撫でながら謝るとカーラは頬を膨らましながら衝撃の事実を告げる。
『ご主人様!カーラはもう産まれてから50年経つので、子供では無いです!!』
「………へぇ?!……マジで?!」
『はい!お母さんから、「お前はもう子供では無いのだから旅立ちなさい!」って言われました!』
「ああ、そうなのね。へぇーえ、それで旅立った後、見事に洗脳されちゃった訳なのね」
俺が聞くと、カーラは悔しそうな顔をしながら
『ハイなのです!どこの誰だか知りませんが本当にムカつくのです!今度あったらボッコボコにしてやります!!』
と、拳を握りながら物騒な事を言っているカーラに俺は
「あー、悪いカーラ。お前を洗脳した奴は俺が倒しちまったからもう居ないんだよ。ごめんな!」
『えっ?!ご主人様がもう倒したのですか?それならもう良いです!!それより、お腹が空きました!早く食べたいです!』
カーラは興味を無くしたように言うと、今度はアクアパッツァの方を凝視して言う。
(よかった、カーラが戦闘狂とかじゃ無くて!)
俺は安心しながらアクアパッツァを完成させると、付け合わせのサラダとパンを準備してから魚を皿に盛る。
するとカーラが
『ご主人様、なんでお皿が3人分あるんですか?カーラとご主人様で2人の筈なのに?』
と聞いてきたので俺は
「これはねカーラ、女神様に渡す為の料理なんだよ!カーラも一緒にお祈りしようか」
と言って、カーラの頭を撫でてあげる。
『分かりました!カーラも一緒にお祈りします!』
そう言ってカーラは両方を握って目を瞑る。
俺もカーラの横で同じく祈りするとアクアパッツァと付け合わせを乗せた皿が光だし、やがて消えた。
相変わらず料理を送る手順が面倒なので、もっと簡単にして欲しいと思う。
俺は料理が消えたのを確認するとカーラと一緒に食事を始めようとした瞬間、頭の中であの機会音がした。
ピロロン!!
「はぁー、何でこのタイミングなんだよ女神!!」
最悪のタイミングで来た女神からのメールに俺はイラッとしたが、重要な事かも知れないので、とりあえず見ることにした。
【お久しぶりですね!!なんか他の女神がメールを送った見たいで申し訳ございません!
いやぁー、あれから他の女神に私が無断で圭太さんから料理を頂いていることがバレてしまって本当に大変でした!!でもご安心下さい、そのせいで圭太さんにご迷惑がかかる訳ではございませんからね!そんな事よりも、先程送って頂いたこのアクアパッツァは最高ですね!!私の大好きな魚料理なのも有難いですが、何より地球で覗き見したアクアパッツァよりも出来上がりがずっと綺麗ですし、凄く美味しいです!!本当は感想をもっと言いたい所ですが、これからちょっと忙しくなりそうですのでここで失礼しますね!今度は甘いものが食べたいです!!
〜追伸〜魔族討伐お疲れ様でした。今後、魔族が圭太さんを狙うかも知れませんが頑張って下さいね!!】
女神、いやこの場合はフリージアからのメールを見た俺はため息をつきながらメールを閉じる。
するとカーラが心配そうに俺の事を見ていたので、俺は笑顔を繕いながら
「大丈夫だよカーラ。さぁ、食事をしよう!」
『分かりましたご主人様。いただきます!』
それから、俺とカーラは仲良く夕食を食べると、魔法で作った小屋でそのまま眠りについた。
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