第33話 バージョンアップ
スキル『魔物蒐集』の図鑑を見ていた俺は、後ろのページに登録されていた『魔伯爵』アザゼルを見つけてしまった。
「どう言う事だ?何で『アザゼル』が登録されて……っは!もしかしてこのスキルってオートで蒐集される感じか?……マジかよ、ぶっ壊れすぎるだろこのスキル。女神の奴は何を考えてんだよ!!」
俺は女神に対して少し憤ったが、もうどうしようも無いのですぐに冷静になった。
「まぁ、しょうがないな!それより今はギルマス達の方に急がないと!」
俺は図鑑をしまうと天空のシューズを使って空を飛びながら正門へと急ぐ。
*******
「……あれ?もう終わってね?」
俺が正門へと到着するとすでにギルマス達は居なく、モンスターどもの死骸と素材を回収している数十人の冒険者達のみだった。
いまいち状況を掴めない俺は、近くにいた冒険者に話しかける。
「すみません。ギルマス達はどちらに行かれましたか?」
俺が質問すると冒険者の人は
「ああ、ギルマスや高ランクの冒険者達はみんなギルドに戻って行ったよ!ここに残ってるのは街の防衛や住人の避難を誘導した低ランクの冒険者くらいしか残ってないぞ」
と、親切に教えてくれた。
俺はその人にお礼を言うとすぐにギルドの方へは行かず、ここに来た時からスキル「気配感知」で感じていた気配のする方向へと向かう。その場所はギルマス達が派手に戦闘していた正門前からおよそ100メートル程離れた森の辺りで、俺が女神に転移させられた森の側だった。
「うーん。この辺りなんだけどなぁ〜?おっかしいなぁ〜。一応『天の目』でも調べてるんだけど全然反応無いんだよなぁ〜?」
俺は「気配感知」と「天の目」をフルパワーで使ってみるが、肝心の気配の主を見つける事が出来ない。
ほとほと困った俺は、とりあえず今日の分の女神へと送る料理を作ることにした。
「さて、今日の夕食はなんとナポリタンでーす!!パチパチパチパチ!!……って、俺以外誰もいないけどね!えーと、パスタの方は小麦粉と塩、卵の代わりにすりおろしたポーテトを練り込んで作った特製パスタです!!よく卵アレルギーの人向けに店で出していたから簡単に作れたぜ!!」
俺は土魔法でキッチンとコンロを作り、鍋に水と3%の塩を入れて沸騰させる。
「その間に、オニーオンとパーピンとオーク肉で作ったベーコンを切ったら、付け合わせのサラダを準備しておくか!」
俺はちぎったレタースと作っておいたポテトサラダを用意ておくと、沸騰した鍋にパスタを入れる。
「よし、そしたらまずはパーピンとオニーオンと炒めていって、しんなりしてきたらベーコンを入れて軽く炒めるっと!……いい感じになって来たら作っておいたケチャップと茹で湯を加えて塩、胡椒で味を整えて火を止めるっと!」
少しして、パスタが茹で上がったので俺はソースとパスタを合わせる。
「あとは皿に盛り付けて、お好みで粉チーズと何故か『調味料精製』で作れたタバスコを用意して、付け合わせのポテトサラダと一緒に女神に送るっと!」
俺はナポリタンとポテトサラダを女神へと送ると俺は自分の分のナポリタンとポテトサラダを食べようとした時、聞き覚えのある機械音が聞こえてきた。
ピロロン!
「あっ!この音って確か、女神からメールが来た時にする音だよな?……うーわ、見たくね〜」
俺は少し考えてから、とりあえず食事を済ませた後、メールを確認する事にした。
「うん、その方が良い!きっと良い!……多分!!と言う訳で、頂きまーす!!もぐもぐもぐ、うん、美味い!!トマトの酸味と甘み、そしてパーピンの苦味にベーコンの旨味がマッチしていて最高だ!そしてポーテトを加えた自家製パスタのもっちり感が良いね!あっ!ポテトサラダの方も一口……こっちも美味いね!何故か精製出来るマヨネーズと胡椒がやっぱり良いね!それに、ポーテトは少し荒めに潰してあるから食べ応えも十分だ!」
俺は誰もいない森の中、一人で料理の感想を永遠と語り続ける。
「ふーう。ご馳走さまでした!それじゃあ女神からのメールを見るか」
俺はナポリタンとポテトサラダを堪能した後、ステータス画面のメール欄を開く。
【こんばんは!!おめでとうございます圭太さん!!ついにレベル20到達ですよー!いや〜お陰様で本当に大変でしたよ!なんせぶっ壊れステータスである、圭太さんのステータスを更にバージョンアップするのは骨が折れましたが、安心してくださいね!バッチリ最強から無敵にしときましたからね!!あっ!ナポリタンとポテトサラダ、ありがとうございました。昨日、2食分送って来たから今日は無いかと思ってたんですが、圭太さんはお優しいですね!それじゃあ新しくなった、ステータスの確認をよろしくお願いしますね!
PS.天界にも冷蔵庫はあるので、デザートでも一食分としてカウントしますからねー!!】
「・・・・・・はぁーーーーー????」
俺は驚愕のあまり大声を上げて叫びながら何度も頬を抓るが、残念ながら夢では無いようだ。
「はぁ〜。とりあえず女神の言うバージョンアップってのを見て見るか」
俺は投げやりな感じでステータスを開く
名前 相田圭太
種族 人間
レベル 20
職業 料理人
ステータス 測定不能
装備
コートオブゴッティス
普通のシャツ
普通のズボン
天空のシューズ
スキル
神眼
鑑定能力に加えて、千里眼、万里眼、予知眼、邪眼系などのあらゆる魔眼の能力を使う事が出来る。(但し、魔眼発動には魔力が必要で、その上、一度に発動出来るは1つの眼につき1種類まで)
鑑定 全てのものを調べる事が出来る。【人、モンスター、植物など全て】
道具召喚
包丁召喚
ペティナイフから解体用ナイフまであらゆる包丁を召喚する。
(自動洗浄機能、破損再生、紛失補償)
調理器具召喚
思い描いたあらゆる調理器具を召喚できる。
(自動洗浄、破損再生、紛失保証)
食器召喚
あらゆる食器を召喚する。
(自動洗浄、破損再生、紛失保証)
解体人【捌く者】
全てのものを切る事が出来る。
【有機物、無機物、霊など】
どんな物でも最適な解体が出来る。
貯蔵庫 【アイテムボックス】
あらゆる物を貯蔵出来る。生き物も可
容量無限、時間停止機能 自動選別機能
収集 【コレクター】
認識した物を手元に引き寄せる。
一度見たものを探し出す事が出来る。
自分が倒したモンスターを自動収集する。
温度管理、熟成管理 【管理人】
食材の温度を自由に変える事が出来る。
低温調理が出来る。
熟成させる事が出来る。
調味料精製
あらゆる調味料を作ることができる。
香辛料や料理酒も精製出来る。
全魔法
この世界の全ての魔法を使う事が出来る。
神級魔法
超級魔法を超える神級魔法を使うことが出来る。威力は最低でも軍隊消滅、最高で世界を破壊できる(ただし、魔法を使うためには詠唱が必要)
属性: 火・水・風・土・氷・雷・闇・光・空間・重力 など
魔物蒐集
倒したモンスターや魔族などを図鑑に蒐集して、好きな時に召喚することが出来る。
(ただし、召喚する時に魔力を消費する。召喚した魔物は一度死ぬと復活まで時間がかかるが、通常の3倍の魔力を消費する事で即時使用可能になる)
言語理解
全ての言葉と文字がわかる。
書くことも出来る。
世界地図
異世界シャングラの全ての地形が書いてある地図が頭に浮かぶ。
自動マッピング機能
現在地機能
目的地検索機能 など
女神からのギフト
女神の寵愛(歩合制)
解呪、解毒
あらゆる毒、呪いを消す事が出来る。
回復、再生
あらゆる怪我を癒やし、欠損を治す。
状態異常無効
あらゆるバフ、デバフを無効
自動結界
オート機能付きの結界であらゆる攻撃を防ぐ
(ドラゴンのブレスなら10発は耐えられる)
一度割られると、回復まで半日かかる。
任意で結界を他人に譲渡出来る。
(但し、1日で消失)
気配感知
自分の半径100メートル以内の生物の気配を感知し、さらに敵対意思などを察知する事ができるようになる。意識を集中する事で上空、地中100メートルを感知する事が出来る。
(その他は、女神の気分しだい)
称号
女神の料理番 異世界の料理人 超越者
無敵の料理人 モンスターの支配者
モンスターの厄災 魔族殺し
馬鹿げたステータスを見た俺は
「な、な、なんじゃこりゃあーーー!!!」
と、再び叫び声を上げた。
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