第32話 魔族
Sランクモンスター[マウントゴリラ]に向かって走っていくギルマスの腕には光り輝くグローブのような物が嵌められていた。
そのグローブは遠目からでも分かるぐらい凄い武器だと感じた俺は、思わずそのグローブに鑑定をかける。
名前 聖武
レア度
能力
聖魔力付与 破壊不可
威力強化 など
説明
この世界に44個存在する聖魔武具の1つ。
単純に殴る事を基準に造られた武具で、その一撃は大地を砕き、あらゆる物を破壊する。
「ゴクリ……」
俺は思わず喉を鳴らした。
ギルマスが「拳聖」とは知っていたが、まさか武具までヤバい物だとは思っても見ていなかったからだ。
俺はギルマスへと視線を戻すと、ギルマスは向かってくるモンスターどもをひたすら殴りながら進んでいく。
ギルマスに殴られたモンスターは跡形もなくバラバラになって行き、次第にモンスターどもが距離をとっていく。
そしてゴリラのすぐ側まで到着したギルマスは、拳に魔力を溜めて構えている。
その姿はまるで、“最初はグー’を放とうとしているゴンみたいな構えで、見ているだけで威圧感があった。ゴリラの方も感じ取ったのか、巨大な腕を振り上げてギルマスへと打ち下ろそうとする。
そして、ゴリラが腕を打ち下ろした瞬間、ギルマスが殴りかかると、目を閉じてしまう程の閃光と衝撃波が襲ってきた。
ドーン!!
少しして、俺が目を開けるとゴリラがいた所からおよそ50メートルほどの地面が抉れて、所々が焼き溶けている。
肝心のギルマスはと言うと、涼しい顔をしながらこちらに向かって手を振っている。
めちゃくちゃ余裕そうな顔してるじゃん!!
俺がそんな事を思っていると「気配感知」に反応があった。どうやら近くに魔族がいるようだ。俺は残りのモンスターどもをギルマス達に任せて魔族の元へと向かう。
*******
どうやら魔族は街の側にある廃墟で高みの見物をしているようで、その場から動いていない。俺は気配を消しながら数本の包丁を召喚しておく。
ようやく廃墟へと着き、俺は「天の目」で魔族を見つけるとすぐに鑑定を使う。
名前 アザゼル
種族 魔族
レベル 75
役職 魔伯爵
ステータス
攻撃 6900
防御 7000
魔力 13000
魔防 8600
速さ 5200
スキル
闇魔法 誘惑魔法 魔力操作
魔闘法 変身 など
称号
魔伯爵 モンスターの先導者 誘惑者
(……強くね?)
俺は純粋にそう思った。森で何度もモンスターを見てきたが、ここまで強いのは初めてだし、なによりも魔力がやたらと高いので厄介だ。魔力が高いと言うことは魔法を使ってからと言う事なので、正直面倒臭い。
(……やるしかないよな)
覚悟を決めた俺はアザゼルに向かって包丁を飛ばす。
ビュン!!!
そして次の瞬間、飛んでいった包丁がアザゼルに突き刺さった!!
『ぐっ?!なんだ、どこから攻撃がきた?』
アザゼルは驚いた様子で傷口を押さえながら周りを見渡す。
『くそー!何者だ、出てこい!』
叫ぶアザゼルに対して俺はさらに数本の包丁を飛ばす。普通ならばここで姿を見せたりするものだが、俺はそんな舐めプをするつもりは無いのでさらに追撃する。
ビュン!!!
グザ!!!
『グハッ!!なんだこの攻撃は?!くそー、出てこい卑怯だぞ』
アザゼルは何度も血反吐を吐きながら俺を探すが見つけるとができず、苛立ちと焦り、そして死の恐怖からか、その表情は先程とは打って変わって泣きそうな顔になっている。
俺はとどめとばかりに出刃包丁を召喚してアザゼルに向かって振る。
「【捌く者】」
ザン!!
『ぎゃぁぁぁぁ!!……』
縦に真っ二つになったアザゼルはその場に倒れると、肉体が徐々に消えて行った。
それはまるで日輪刀で鬼の首を切った時と同じような感じで……
「案外呆気ないものだったなぁー」
しばらくして、アザゼルが跡形もなく消え去ったのを確認した俺はギルドの方へと向かう。魔族に関しては伝えていないので、アザゼルの事は内緒だ。
移動中、俺は女神から来ていたメールを確認する事にした。
【ヤッホー!女神さんからのメールだよ!
今回はなんと、新しいスキルを追加したから確認してね〜!それじゃあ明日も楽しみにしてるよ〜!!】
メールを読み終えた俺は、すぐにステータスを確認する。
名前 相田圭太
種族 人間
レベル 20
職業 料理人
ステータス 測定不能
装備
コートオブゴッティス
普通のシャツ
普通のズボン
天空のシューズ
スキル
鑑定
全てのものを調べる事ができる。
【人、モンスター、植物など全て】
道具召喚
包丁召喚
ペティナイフから解体用ナイフまであらゆる包丁を召喚する。
(自動洗浄機能、破損再生、紛失補償)
調理器具召喚
思い描いたあらゆる調理器具を召喚できる。
(自動洗浄、破損再生、紛失保証)
食器召喚
あらゆる食器を召喚する。
(自動洗浄、破損再生、紛失保証)
解体人【捌く者】
全てのものを切る事が出来る。
【有機物、無機物、霊など】
どんな物でも最適な解体が出来る。
貯蔵庫 【アイテムボックス】
あらゆる物を貯蔵出来る。生き物も可
容量無限、時間停止機能 自動選別機能
収集 【コレクター】
認識した物を手元に引き寄せる。
一度見たものを探し出す事が出来る。
温度管理、熟成管理 【管理人】
食材の温度を自由に変える事が出来る。
低温調理が出来る。
熟成させる事が出来る。
調味料精製
あらゆる調味料を作ることができる
生活魔法
火や水などを出す事が出来る。
その他にも、汚れや匂いなどを消す事が出来る。
神級魔法
超級魔法を超える神級魔法を使うことが出来る。威力は最低でも軍隊消滅、最高で世界を破壊できる(ただし、魔法を使うためには詠唱が必要)
属性: 火・水・風・土・氷・雷・闇・光・空間・重力 など
魔物蒐集 ←NEW
倒したモンスターや魔族などを図鑑に蒐集して、好きな時に召喚することが出来る。
(ただし、召喚する時に魔力を消費する。召喚した魔物は一度死ぬと復活まで時間がかかる)
言語理解
全ての言葉と文字がわかる。
書くことも出来る。
女神からのギフト
女神の寵愛(歩合制)
天の目
自分を中心として、半径50メートルを見ることができる。
解呪、解毒
あらゆる毒、呪いを消す事が出来る。
回復、再生
あらゆる怪我を癒やし、欠損を治す。
状態異常無効
あらゆるバフ、デバフを無効
自動結界
オート機能付きの結界であらゆる攻撃を防ぐ
(ドラゴンのブレスなら3発は耐えられる)
一度割られると、回復まで1日かかる。
気配感知
自分の半径20メートル以内の生物の気配を感知し、さらに敵対意思などを察知する事ができるようになる。
(その他は、女神の気分しだい)
称号
女神の料理番 異世界の料理人 天才料理人
モンスターの厄災 魔族殺し
「つ、ついにぶっ壊れスキルが来てしまった……とりあえず確認して見るか」
俺は図鑑を召喚して、恐る恐るページをめくっていくとあらびっくり、なんと白紙なんです!!
「ふう」
俺は小さなため息を吐いた後、後ろのページをめくっていく。すると後ろの方のページにさっき殺した『魔伯爵』アザゼルが登録されていた。
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