第12話 変人軍団
〜前回までのあらすじ〜
念願の冒険者ギルドへとやってきた圭太だが、なんとそこは変人たちのカーニバルだった!!それでもどうにか冒険者登録をした圭太は、お淑やかそうな受付嬢のハーフエルフのメリッサさんから冒険者についての説明を受ける所である。
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「それではまず、冒険者についてですが、冒険者には実力に応じてランク付けされており、実力順に上から[S・A・B・C・D・E・F]の7段階にランク分けされております。ケイタさんの場合は、1番下のFランクからのスタートになりますので頑張って下さいね!」
と、メリッサさんは笑顔で話す。
はい、可愛いいいいい!!!
(何この人、めっちゃ可愛いんだけど!クール系なのに、こんな笑顔を隠しているなんて反則でしょ!)
俺が心の中で叫んでいると、メリッサさんが俺に声をかける。
「あの〜、ケイタさん。大丈夫ですか?なんだがずっと変な顔になってましたよ」
と言ってきた。
(嘘?!やば!さっき顔に出てたか?うわー!めっちゃ恥ずい・・・)
俺は恥ずかしさのあまり、両手で顔を隠しながらメリッサさんに弁明する。
「ち、違うんですよメリッサさん。ちょっと、昔見た面白い事を思い出してしまっただけなんで、気にしないで下さい!」
するとメリッサさんは納得したように
「あっ!そうなんですね。それならよかったです!では先程の続きですが、現在、ケイタさんが受けられる依頼はFランクか一つ上のEランクの依頼のみとなっていますのでご注意下さい。あとは・・・」
メリッサさんは他に、依頼の方法や銀行制度など様々な事を教えてくれた。
「では最後に、何かご質問はございますか?」
質問タイムに入り、俺はここに来て一番気になった事を聞く。
「ええっと、他の冒険者ってみんな変態なんですか?どう見ても取り締まられますよね、あれ?」
俺の質問を聞いたメリッサさんは笑いながら答える。
「ああ、ご安心下さい。ここ、テッサリア支部のギルマスや冒険者の皆様が変態なだけで、他の冒険者ギルドの方々は正常ですよ!ですがまぁ、うちの冒険者の方々も、そう捨てた者では無いですよ!」
メリッサさんからの返答に俺は驚いてしまう。
「えっ!?そうなんですか?」
するとメリッサさんが、変態たちの事を教えてくれた。
「まず、あそこのカウンターで騒いでいる僧侶の方はSランク冒険者の『破壊僧』「ディボア」さんですね。僧侶の見た目とは裏腹に、回復魔法などは使わず、棍棒であらゆる物を破壊するデストロイヤーです」
「えっ?」
俺はメリッサさんの説明を聞いて唖然とした。
(いやいや、破壊僧ってなんだよ!めっちゃ怖えーじゃねーかよ!)
俺がそう思っているとメリッサさんはどんどん話を続ける。
「次に、あそこで鞭を打っている女性は通称『襄王』と呼ばれているAランク冒険者の「エリザベート」さんと、鞭に叩かれている男性は、同じくAランク冒険者の『豚野郎』こと「フォーク」さんです。お二人は『エストエム』と言うパーティーを組んでおりまして、依頼達成率は驚異の9割越えを誇る一流冒険者です!」
「まじ、ですか?」
俺は口を大きく開けたまま、閉じることが出来なかった。
てか、『エストエム』ってそのまんまじゃねーか!!
俺が情報処理に手間取っていると、メリッサさんが今度はウェイターをしている初老の人を指さす。
「あと、あそこで給仕をしているのは今では伝説にして、かつて最強の殺し屋と言われた『
「・・・・」
俺は完全に思考が停止した。
どうなっているんだよこのギルドは!?
デストロイヤー僧侶に、SM嬢と豚野郎ってだけでやばいのに、さらには伝説の殺し屋ってなに?もう意味が分からん!大体なんでそんなやばい奴らがこのギルドにいるんだよ!
気になった俺は、メリッサさんにその事を聞いた。
「凄い人達なんですね。でも、そんなに凄い人達がどうしてこのギルドにいるんですか?」
するとメリッサさんは
「それもこれも、単にギルマスの人柄と人徳のなす所です!」
「えっ?!マスターって、さっきのオカマですよね?」
「はい!ああ見えてギルマスは元Sランク冒険者『両性の鉄人』と呼ばれ、数々の偉業を成し遂げた伝説の冒険者なんですよ!なので、うちのギルドの職員や冒険者の殆どがギルマスを慕ってここにいるんです」
と、メリッサさんは胸を張って言う。
そんなメリッサさんの姿を見て、俺はあのオカマスターの事を見直した。
「ギルドマスターって凄い人なんですね。見た目で判断していた自分が恥ずかしいです。すみませんでした」
俺が謝るとメリッサさんが
「いいんですよケイタさん!ギルマスについてはいつもの事ですし、それにこうしてギルマスの事を知って貰えるだけで、わたし達としては満足ですから!」
「メリッサさん・・・」
俺がメリッサの言葉に感銘を受けていると、突然背後から野太いオネェ口調が聞こえてくる。
「あらっ?!なんだかワタシの話をしてたみたいだけど、どうしたの〜?」
と、オカマスターは俺の背中を指でなぞりながら聞いてくる。
いきなりの指なぞりに、反射的に俺は1メートルほど前に飛ぶと、受付カウンターに激突してしまった。
ぶつかった拍子に倒れた俺は、転がりながら心の中で叫ぶ。
(少しは見直したと思った自分をぶん殴りたい!!!)と・・・
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