第7話 世の為、人の為(財宝の為)
ゴブリンの巣を潰すべきか、それとも放置するべきかを考えた末、俺は読んでいたラノベを思い出した。
そのラノベには、ゴブリンなんかの巣には財宝なんかが、たんまりとあると言うものだ。
その事を思い出した俺は目を金にして
「よしゃあ!今すぐ行くぜゴブリンども!首洗って待ってろよ!」
俺は巣の方へとダッシュした。
そんな俺の事を現金な奴だと思うだろうが、これからの事を考えたら街に行った時の為に、金になりそうな物はあったほうがいい。
ゴブリンどもの巣に到着すると、入り口に2匹のゴフリンが見張りをしていた。
俺は2匹に向かってペティナイフを飛ばすと見事に頭に命中し、ゴブリンどもはその場に倒れたので、俺は慎重に入り口に行き『気配感知』を使って巣の中を調べる。
「ふう、どうやら巣の中にはゴブリンしかいないみたいだな!某スレイヤーだと、女性が捕まってたりする事があるって書いてあったから正直心配してたんだけど良かったわ!」
流石に平和な日本に住んでいた俺が、いきなり酷い事をされている女性を見たら多分一生もののトラウマになる事は必死だろう。
「さて、巣の中にゴフリンしかいないんなら色々と出来るな。たしか火責めとか、水責めとかあったよな?一番手っ取り早いのは火責めだけど、それだとお宝とかも一緒に燃えちゃう可能性があるしなぁ〜」
俺が悩んでいると、1匹が入り口に向かってくる反応があったので、俺は牛刀と召喚して迎撃の体制に入る。
「いつでも来いや!」
するとゴブリンが巣の奥から出てきたので、俺はゴブリンに向かって牛刀を振る。
サン!
ゴト!
ゴブリンは悲鳴をあげる事すら無く首が落ちて死んだ。
俺は死体を見て
「もう俺が直接巣の中に入ってゴブリンどもを始末した方が早いな!そうと決まれば、来い出刃包丁!!」
俺は牛刀以外に出刃包丁を召喚する。
右手には牛刀、左手には出刃包丁を持ち完全武装をした俺はそのまま巣の奥へと進んでいく。
「ゴブリンの巣だからもっと狭いと思っていたけど意外と広いんだな?これなら多少暴れても崩れたりはしないだろう。それにしても、『気配感知』だと20匹くらい確認出来たけど、どうやって繁殖してるんだ?ゴブリンってたしかオスしかいないんだろ」
そう、俺は鑑定でゴブリンがオスしかいない為、他の種族のメスと繁殖をすると知ってたいので巣の中にゴブリン以外がいない事を確認してホッとしたのと同時に、どうやって繁殖しているのか不思議だった。
「まぁ考えても仕方ないし、とっとと終わらせてお宝を頂くとするか!」
俺は気配が多い場所へと向かう。
途中で数匹のゴブリンどもが闇討ちをして来たが、全て『自動結界』で防ぎながら仕留めていく。
しばらく巣の中を気配を頼りに進んでいくと、一番気配が強い奥の部屋へと到着した。
ここまでおよそ20匹近くのゴブリンを殺してきたが、残念ながら宝なんかは見つからなかったので、この部屋には期待している。
俺が部屋の扉をあけると中にはゴブリンよりも一回り大きいゴブリンがいたので、俺はすぐに鑑定をかける。
種族 ホブゴブリン
レベル 5
ステータス
攻撃 25
防御 19
魔力 8
魔防 6
速さ 10
スキル
体術 棒術 気合い
説明
ゴブリンの進化系。
「なーんだ!なんだホブゴブリンかよ!どうせならキングとかチャンピオンとかの方が良かったのになぁー」
俺はがっかりしながら右手の牛刀をホブゴブリンに向かって振る。
ゴフ?
ホブゴブリンは何が起こったのか困惑しているが次の瞬間
ゴト
と自分の首が落ちた事に気づいたようで、絶望した表情になりながら死んでいった。
すると、頭の中で
レベルが上がりました!!
と言う声が聞こえてくるのだが
「ハァー・・・」
俺は溜息をつく。出会って1分で戦いが終わってしまったのでまるで充実感が無い。
「おおっと!そんな事よりもお宝、お宝っと!」
俺はホブのいた場所を調べた。
するとそこには・・・
ゲームなんかで良くある大きな宝箱を発見した。
「すげー!本当にこんな宝箱って存在するんだな?!それじゃあ早速、宝箱をかけますか!」
俺が宝箱を開けると中には大量の金貨や銀貨と一本の剣が入っていたので俺は剣を持って
「おお!これってもしかして凄い剣だったりして?早速鑑定をかけてみるか」
俺はその剣に鑑定をかける。
名前 無名の剣
レア度 秘宝級
片手剣
能力
魔力付与がし易くなる。
説明
誰からも認められなかった最強の剣士が使っていた剣。所有者よりも強い者と戦う時に、所有者の能力を向上させる。
俺は説明文を見て
「うん、これはいわゆるチート武器ってゆつだな!ジャイアントキリング特化武器ってなんか燃えるわ!」
俺は少しワクワクしたのだが、自分のスキルの事を思い出してすぐに正気に戻った。
「あれ?でも俺の場合なんでも切れる包丁を出せるんだから意味なくね?・・・うわー!!せっかくの剣がーーー!」
俺は頭を抱えながら叫んだ。
*******
宝箱の中身をアイテムボックスにしまった俺は、ゴブリンの死体を全て焼き払い巣を潰した。
こうしないと、またゴブリンが巣を作るかも知れないので徹底的に潰した!!
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