第8話 色々とおかしい生態系
ゴブリンの巣を潰した後、俺は今日の食材を探す為に森を散策する。
幸い、『気配感知』のスキルである程度モンスターの位置は分かるので案外簡単に見つから事が出来そうだ。
しばらく歩いていると予想通りモンスターを発見したのだが、一つ問題が発生した。
その問題とは、なんとウサギのようなモンスターに亀のモンスターが攻撃をしているのだ!それも、亀が逃げようとするウサギに対してめちゃくちゃ早く動いて先回りをしながら甚振っているのだ。
俺はそんな光景を見て唖然としながらこう考えていた。
はっ?!どう考えても普通逆じゃね?
と・・・
しばらくその様子を見ていた俺だが、取り敢えず2匹に鑑定をかけてみた。
種族 ホーンラビット
レベル 3
ステータス
攻撃 5
防御 5
魔力 5
魔防 5
速さ 10
スキル
突撃 角攻撃 逃げ足
種族 ハヤガメ
レベル 5
スキル
鉄壁 早足 押し潰し
鑑定結果を見て俺は色々とツッコミたかったが、とりあえず今は食材確保を優先する事にした。
「いけ、ペティナイフ!!」
ペティナイフを2本召喚し、ウサギと亀に向かって飛ばす。
ウサ!!
ガーメ!
2匹は断末魔をあげると動かなくなったので、俺はすかさず『解体』と『収納』を発動する。
ジビエは鮮度と血抜きが大事!!
「よし、今日の食材の確保は終わったし、帰るとするか」
俺は住居へと帰る為に来た道を戻っていくと、途中でこちらに向かってくる気配を察知し臨戦態勢に入る。
(なんだ?こっちに来てから初めて感じるこの尋常じゃないプレッシャーは?)
俺は気配のする方に向かって全力で『天の目』を使い気配の主を探す。
索敵系スキルの『天の目』には見る方向を絞る事で、より鮮明に見る事ができると言う能力がある。
そして、気配の主を見る事ができた俺は唖然とした。
(な、なんじゃこいつは!?こんなの異世界だからっていて言い訳ないだろ!!)
俺が混乱していると、気配の主が目視できる距離まで近づいてきた。
緑色に光その体と両手には大鎌、そして気持ち悪い目、目、目、マジで怖い!!
いやマジで!刃○で見たカマキリよりもデカいし、怖いし、なんだんだよコイツ!!
俺は少しビビりながらそいつに鑑定をかける。
種族 ジァイアントマンティス
レベル 30
ステータス
攻撃 305
防御 250
魔力 20
魔防 50
速さ 150
スキル
切り裂き 捕食 噛みつき 生存本能
称号
森の捕食者 森の王者 森のハンター
説明
森の生態系のトップ!出会ったら即逃走か命を諦めてください。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。
おいいい!!!!!
(なんつうレベルだよ!俺が見てきた中だとダントツでレベルが高い上に、なんか称号までついてるんだけど!!てか出会ったら即逃走か死亡確定って、そんなのアリかよ!おい女神!!!)
俺はすぐに牛刀と出刃包丁を召喚して攻撃に移ろうとすると、俺を見たカマキリが何故か尻尾を巻いて逃げていった。
「・・・は????」
カマキリの予想外の行動に、俺は口を開けてポカンとしてしまった。
しばらくして我に返った俺はなんでカマキリが逃げたのか考えたのだが・・・
「だーめだ!さっぱりわかんねぇ?」
俺はすぐに考えるのをやめて住居に戻った。
○○○○○○
何故カマキリが圭太の前から逃げたのかと言うと、圭太の持っていた包丁から漂う死の圧と圭太自身から漂う死臭にカマキリの持っていた生存本能が働いた為である事を圭太は知るよしも無い・・・
○○○○○○○
俺は住居に戻るとすぐにご飯の準備を始めた。
今日のご飯は、取り立てのホーンラビットを使ったのブレゼと、ハヤガメの串焼きを作っていく!
レッツクッキング!!
まずは内臓を取ったホーンラビットに野菜やハーブなんかを詰めて昨日のウルフで取った出汁と一緒に鍋に入れて蒸し焼きにしていく。
その間に、ハヤガメの肉に塩を振って軽く揉んでから醤油と味醂で味をつける。ちなみに酒は残念ながら『調味料召喚』では召喚出来なかった。味醂は良いのに酒はダメってどうゆう事?味醂って酒から出来てるんだけど良いのだろうか?と、考えたが「別に良いや」と思ったので気にし無い事にした。
10分ほど付けたカメの肉を串で刺していき、その辺の木で作った焚き火に当てて、焼いていく。
しばらくすると、肉の焼けた匂いと醤油の焦げた香りが食欲をそそってきた。
「うーん。美味そう!!早く食べたい!!」
俺は必死に我慢しながら鍋が出来るのを待っていると、頭の中でピロロンと言う効果音が響く。
俺はステータスボードのメール欄を見ると、また女神からメールが来ていたので開く。
【メーデー、メーデー!!こちら女神、こちら女神!お腹が空きました!早くそのお肉を下さい!!ハリーアップ!!】
「うわ〜・・・女神、これじゃあ威厳もクソも無いだろ?」
俺は女神からのメールに若干引きながら調理を続ける。
鍋がようやく蒸しあがったので、あとはソースを作るだけだ。
ソースには出汁と果物を使い、塩胡椒で味を整えて作った簡単なソースだ!
俺は作り終わった料理を二人分皿に盛り、ソースをかけて完成!!
「うん、美味そうだ!」
俺は作った料理の前で祈りながら女神へと送ってから食事を始めた。
「うんめー!!このウサギ全く臭みがない上に、脂も乗って最高だ!!」
俺はウサギを堪能したあとカメの方を食す。
「あーん。もぐもぐ」
カメの肉は歯応えがよくタレの旨みが最高だ!!
俺は食事を終わらせると、女神からメールが来ない事に対して不思議に思ったが、特に気にしない事にした。
だって面倒じゃん!
その後俺は、生活魔法の『クリーン』を使って汚れを落としてから眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます