2日目

 目は覚めたが、昨日の夜に起こった事が事実なのか夢なのかよく分からなくなっている。スマホを探すと枕元に無造作に置かれていた。画面ロックを解除すると、昨夜寝る前に見ていた戒壇巡りを検索していた画面が映し出される。こんなモノ見ていたから変な夢をみたんだな。と納得してひどい寝汗をシャワーで流し、学校に向かった。


「ねえ、美優、行方不明みたいだよ、どうしたんだろう」


 教室に入った僕の耳に最初に飛び込んできたのは、焦った友美の声だった。声のした方を向くと、


「美優がいないの」


 と話しながら友美は心配そうな表情を浮かべている。朝、いつもの待ち合わせ場所に美優がこないことを友美が不思議がっていたのと同じ頃、学校に美優の両親から連絡が入ったようだ。部活も一緒で普段から仲の良い友美は、さっきまで職員室で担任に心当たりがないか訊かれていたようだ。僕らも個々にLIMEなど送ってみたが、一向に既読にはならなかった。


「美優、家にもいないってこと?」


「うん。昨日の夜はちゃんといたみたいなんだけれど」


「昨日は普通だったよな。悩んでいるような素振りはなかったと思うけれどな」


 僕から見てもいつも通りの元気でお調子者の美優に見えていた。何か悩み事があったようには思えない。結局、放課後になっても誰のスマホにも連絡は返ってこないし、既読すら付かなかった。

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