2日目
目は覚めたが、昨日の夜に起こった事が事実なのか夢なのかよく分からなくなっている。スマホを探すと枕元に無造作に置かれていた。画面ロックを解除すると、昨夜寝る前に見ていた戒壇巡りを検索していた画面が映し出される。こんなモノ見ていたから変な夢をみたんだな。と納得してひどい寝汗をシャワーで流し、学校に向かった。
「ねえ、美優、行方不明みたいだよ、どうしたんだろう」
教室に入った僕の耳に最初に飛び込んできたのは、焦った友美の声だった。声のした方を向くと、
「美優がいないの」
と話しながら友美は心配そうな表情を浮かべている。朝、いつもの待ち合わせ場所に美優がこないことを友美が不思議がっていたのと同じ頃、学校に美優の両親から連絡が入ったようだ。部活も一緒で普段から仲の良い友美は、さっきまで職員室で担任に心当たりがないか訊かれていたようだ。僕らも個々にLIMEなど送ってみたが、一向に既読にはならなかった。
「美優、家にもいないってこと?」
「うん。昨日の夜はちゃんといたみたいなんだけれど」
「昨日は普通だったよな。悩んでいるような素振りはなかったと思うけれどな」
僕から見てもいつも通りの元気でお調子者の美優に見えていた。何か悩み事があったようには思えない。結局、放課後になっても誰のスマホにも連絡は返ってこないし、既読すら付かなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます