1日目-9

◆◇◆◇◆


 ふと顔に風が吹き付けてくることに気がついて目を覚ました。


”あれ、窓を閉め忘れたかな”


 目を凝らしても、まだ目が慣れていないためか窓の方を確認できない。


 フフフ、キャハハ


 キシキシキシキシ


 何だ、なんの声、いや音か。子供の笑い声のようにも聞こえる。相変わらず目は全く慣れることはなく、僕は今一人で黒暗のなかに立っている。あれ、何で立ってるんだ。急激に頭の中が覚醒し始めたそんな時、コツーンコツーンという微かな足音のような音が聞こえてきた。



"誰かいるの?”


 フフフ、キャハハハ


 キシキシキシキシ


 僕の言葉は声としては表出されることはなかった。そう思っている間にも笑い声とコツーンコツーンという音は近づいてくる。声も出ないし、恐怖で体も動かせない。何が近づいてきているのかはわからないが、絶対にヤバいものだというのは僕の五感が感じている。なんて言えばいいのか分からないけれど、この足音からは死の感じがする。絶対に見つかっちゃだめだ。息を潜めて、できるだけ気配を消さなきゃ。

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