1日目-8
「うん、僕も怖かったよ、和哉が来てくれて安心したよ」
「ははは、俺もだよ。信士がいてくれてよかったよ」
和哉と話している間に美優も階段を上がって僕たちのところにやってきた。
「もう、超怖かった。これ、一人は無理だよ」
自分の体を自分で抱きしめながら、青醒めた顔をしている。
「全くだよ。今、信士とも怖かったって話をしていたところなんだよ」
出口から出てくると最初の一言はみんな、”怖かった”だった。さっきまではしゃいでいた純なんか、ビックリするくらいテンションが下がっている。
ただ一人、志那だけは戒壇巡りをやる前の方が元気がなかったように見える。やっぱり、オカルト好きだと、このレベルは怖いとか思わないのかな。
この後にカラオケやボーリングに行く気分にもなれずに、この日はそのまま解散となった。
風呂から上がり、髪を乾かしてベッドに横になる。スマホで戒壇巡りについて調べてみた。
怖かった、パニックになったなどの体験談が目につく。あの本当の闇の中では、五感が研ぎ澄まされすぎて頭がおかしくなりそうだった。眠りにつこうと部屋の明かりをすべて消して、布団に入る。目が慣れてくると、僅かな月明かりでも部屋の中は確認できるようになった。あの戒壇巡りの場所は何時間いてもこうやって目が慣れるなんてことはないんだろうな、そんなことを思いながら、いつの間にか僕は眠りについていた。
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