日記(高校生編④)
★★月××日
あれから1週間がたった。季節は温かくなり、窓を開けないと寝れたものではない。
普通の男あるいは失恋に慣れている男なら気持ちが楽になる頃だろうか。
僕はまだまだ立ち直りの目処はたっていない。
友達にはフラれたことは言っていないが多分気づいているだろう。
僕は気持ちが顔に出る。
あと何日かすれば夏休み。耐えるとしよう。
★★月☆☆日
夏休み一日目。僕は今は夏休みの予定は空白のまま。
友達を誘って釣りでも行こうか考えたが、あいつらには俺よりも優先順位が高い人がいる。
一日中あの日を振り返る。何がダメだったのか。どうすれば実っていたのか。
そんな事を考えているとあっというまに夜になる。
告白する前よりもあの子の事を考えている気がする。
考えれば考えるほど胸が痛くなる。
考えすぎて眠れない日が続く。
神よこの呪縛から解き放してくれ。僕はもう耐えられない。
★★月◇◇日
夏休みも終わりを迎える。僕はまだ、答えが出ている問題を解いている。
ずっとずっとずっと間違いを探している。
しかし、その答えは完璧に正解で間違いなどあるはずがない。
僕はおかしくなってしまったのだろうか。
夜は眠れず、お腹も空かない。しまいには夢にあの瞬間が出てくる。
何かをする気力もない。恋に夏バテがあるのなら僕はそれにかかっている。
気分転換に音楽を聴いてみようと思う。
★★月○○日
夏休み最終日。友達が宿題に追われているが僕は一日中天井を見ていた。
BGMは「僕は君の事が好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたい」
この歌詞が僕の胸に突き刺さる。
初めて聞いたとき芯を食らいすぎて思わず笑ってしまった。
歌を聴きながら僕は目を瞑る。
瞼の裏にはいつもと変わらない美しさの君がいる。
君はきっと僕に気をつかったんだよな。
「好きな人がいる」こう言うことによって悪いのはあなたじゃない、私なのって。
だから落ち込むことはない、こんな私なんかほっといて新しい恋を見つけてって。
僕は君の「好きな人がいる」にそんな意味を感じたんだ。
君はやっぱり優しいな。そんなのを見せられて忘れることなんでできるわけがない。
絶対に諦めないそう決意した夏休み最終日。
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