日記(高校生編③)

◇◇月〇〇日

明日あの子と一緒に帰る。あふれ出る嬉しさが顔に出て妹にキモイと言われた。

そんなことなどどうでもいい。

さっきまであの子と一緒に食べる夕食を決めていたのだから。

夕食はラーメンに決まった。

あの子は豚骨ラーメンが食べたいと言っていたが、僕は大の豚骨嫌いで匂いがNGなのだが恋が成就するなら豚骨の匂いも臭くはない。

告白場所はいい夜景スポットでもあればいいのだが、僕の住む場所にそんな洒落た場所などない。

無難に公園で伝えようと思う。

コンディションを整えるために今日はもう寝ようと思う。


◇◇月××日

自分でもなぜこれほどまでに落ち着いているのかは思ってもいなかった。

またダメだった。しかし、今回は待つんじゃなく自分で動いたんだ。

悔いはない。涙も出なかった。今回は僕は悪くない。

ただ、あの子に好きな人がいただけ。

しかし、諦めきれない僕がいる。

諦めきれないという気持ち。この気持ちになることを恋と呼ぶのか、それとも僕がそれほどあの子の事が好きだったのか。

答えは今出さなくていいと思う。とりあえずお疲れ様今日の僕。


◇◇月◇◇日

友達に昨日はどうだったと聞かれた。

僕は夕食を食べて帰っただけだと言った。

人には恋をする理由があると僕は思う。

恋に酔いしれたいから恋をする人もいれば、自分の欲だけを満たすために恋をする人もいる。しかし、僕はこの二つの理由には当てはまらない。

僕はモチベーション向上のために恋をする。

僕は好きな人がいたから何事も頑張れた。今日まで生きたこれたんだ。

このノートに書かなかった人たちもいるが、その人たちは僕のモチベーションが向上する人が現れるまでのバトンに過ぎない。

失恋から立ち直ってここまで生活できたのもあの子がいたからだ。

だが、昨日でそのモチベーションは砕け散った。

一度恋に敗れた僕はあの子をもう想うことはできない。

失恋は時間が癒してくれると聞くが、はたして傷が癒される日は来るのだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る