第5話 反撃
僕が振り上げた剣は素早く振り落とされ、魔物に迫った。
魔物は剣の動く想像力以上のスピードに動じはしたがかわすことが出来た。
「くそっ!」
しかし、剣は当たらなかったものの魔物の頬にかすり傷をつけた。
僕はサッと間合いをとり、大勢を整えた。
魔物はさっきまでの僕と運動能力が違うことに瞬時に気づき、警戒心を高めた様子だった。
魔物の方もこちらの動きを注視していた。
僕は確信した。これならいける。
今の僕は魔物と対等にやり合える身体能力を得た。
「魔物が正面から迫ってきます!」
魔物の微妙な動きを察知したサヤが僕に教えてくれた。
魔物は僕の想定を遥かに超えたスピードで迫ってきた。
しかし、僕は迫ってくる魔物をギリギリかわし、横から斬ろうとした。
魔物は僕の動きに気づき、左腕を盾にした。
「よし!」
僕は魔物の腕をバッサリ切り落とし、また間合いを取り直した。
「グウァー!!」
魔物の声が響いた。
「まずい!逃げますよ!」
サヤが気づいた時には遅かった。
魔物は背中からコウモリの翼のようなものを生やし飛び立った。
「くそっ!待て!」
僕は魔物に飛びかかったが、流石にマッチョンで強化した肉体でも、空を飛ばれては手も足も出ない。
「逃げられましたね」
サヤがガッカリした様子で言った。
「あぁ、そうだな」
僕もサヤと同じく落ち込んだ。
しかし、僕らには時間がない。
僕は自分のほっぺを叩き、気合を入れ直した。
「パッチン!」
「美香ちゃんを救うにはあの魔物を倒すしかない。早くあいつを探さないと」
「わかってる。8時間以内にケリをつけないと美香が死んでしまう」
「行くぞ、サヤ!」
僕らは魔物を探しに家を出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます