-o-o- 35
ものすごい物音がした。
居ても立っても……居ても伏せてもいられなくて、思わず顔を上げる。
目を閉じ、握り拳を顔の前で震わせている
頭を抱えて低頭する
いつでも脱出できるようドアノブに手をかけている
壁にめりこんでいる
――地獄。
「ムダな体力使わせるんじゃないわよ!!」
「ま、まゆ〜、ごめんね〜」
冗談冗談あはははは。
顔の前で両手を合わせながら、涼ちゃんさんが玉邑さんに擦り寄った。
向瀬さんは完全に空気と一体化している。
少し透けてきた。
いやいや、分析してる場合か。
僕のためにこんな事になっちゃってるんだから。
「本当にもう大丈夫です。あの、気遣ってもらっちゃって……ありがとうございます!」
「な! いや……ぁ、え……と、ぅ」
一瞬で耳まで真っ赤
しどろもどろで泳ぐ目と
ぱくぱくしっぱなしの口。
感謝免疫ゼロかい!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます