-o-o- 34

「アンタ人に無理やりかけさせるのやめなって何回も言ってるでしょ?」


「あうー……」


くどくどくどくど。


あれ、明るい。

……もしかしてダウンしてた!?

うわぁ。


しょんぼりしたってダメよ。

人を乱視にさせてんのよ。

しっかり反省しなさい。


そんな玉邑たまむらさんのお説教を聞いていたら、ぼんやりしていた意識が徐々に戻ってきた。


「……あの、だ、大丈夫ですから……」

「いいえダメよ。てか、もう少し休んでて」


玉邑さんは両手を軽く前に。

ゆっくり下へ。

伏せなさい。


はい。


「おー、おー? これはもしかして早速効果アリですかぁ?」


やたらと嬉しそうな光太こうた先輩の声がお説教をさえぎった。

効果って?

間髪入れず怒られまくっていたはずのすずちゃんさんの声が続く。


「モテモテロマーンス!」


「眼鏡慕情」


あ、向瀬むこせさんも帰ってきたんだ。

……って、な、なんか茶化してない?

最も茶化し枠の外に置くべき人物を。


「はぁ!!?」


部室に雷のようないらえが落ちた。

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