-o-o- 31

所戻って部室より――


かえでちゃん、ちょっと見てもらっていいー?」


「はいですわ」


「うーん、もう少し強度が要るな……」


白崎しらさきさん、すずちゃんさん、そして光太こうた先輩までもが何かを囲んで難しい顔をしている。

何してるんだろ。


「あ、あのー」


「待てイチギョー」


こっちを向いた光太先輩の顔は

これまで見たことがなかった

真面目そのものだった。


「今は少し静かに頼む」


そう言って、顔を戻し、手元に集中し直した。

え、何。

何か、あったの?

……追試とか?


音と神経を立てないよう

ゆっくりと近づいて

3人の頭上を覗き込んだ。


「神聖な儀式の最中だ」


極細のドライバーとメガネ拭きを携えた3人は

各々が持つ2つ以上の眼鏡を

次々と調整していった。


「うおおお! 手先のエナズィーが活性化してゆくぅ!」

「歪みOKですわ!」

「ヒンジばっちり!」


脱力と混乱の中で放ったツッコミは、後に個人的要審議となった。


「ピラミッド行け!!」

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