-o-o- 28

すずちゃんさ……く、首……締……」


「ギャース! ごめーん!」


最近聞いたなぁ、ギャース。

どこだったっけ。あはは。


酸素が足りない。


「ん?」


涼ちゃんさんが引っ張っていった僕のカバンの紐をパッと離す。

ぶへぇ、た、助かった。


「あれー? かえでちゃーん? どしたのさ部室の前で。入らないの?」


白崎しらさきさんは、ドアの前に立ち尽くしたまま身動き一つしない。

声もまるで届いていないようだった。

涼ちゃんさんと顔を見合わせ、首を傾げた後、ゆっくりと白崎さんに近づいた。


ドアの前

白崎さんの視線の先

昨日は無かったと思う

一枚の張り紙

走らせた黒インクは



おぷてぃかる!



「ステキ……」


「「えぇ〜……」」


僕らの反応はやはり聞こえておらず、うっとりしたままの白崎さん。


彼女の感性は

僕らのそれとは

少しだけ違うみたいで

感じる多様性を

重んじていく所存ごめんやっぱりないです

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